登山日記
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 ニセコアンヌプリ・イワオヌプリ・鏡沼 平成22年7月16日 晴れ

まえがき・・・ニセコ連峰は、東西25Kmにわたって延びる11の連なった山で構成されており、新見峠を境としてニセコ東山系とニセコ西山系に大別されている。東山系はアンヌプリ、イワオヌプリ、チセヌプリなどのカタカナ名で西山系は目国内岳、岩内岳、幌別岳と漢字名になっているのがおもしろい。今日は五色温泉をベースにしてニセコアンヌプリ、イワオヌプリ、鏡沼を巡ってみたい。




ニセコアンヌプリ 1,308m

【写真】登山口は五色温泉野営場、アンヌプリが見える

前泊した湯本温泉からレンタカーで五色温泉野営場へ向かう。
ニセコ「山の家」が目印になる。
広々とした野営場の駐車場からニセコアンヌプリが姿を現す。
鋭い山稜をもつ双耳峰(正確には三峰)はニセコ連峰の中では目を引き、昨日の羊蹄山からもよく見えた。
ニセコ連峰にはスキー場が集中しているが、特にこの山には北斜面を除いてゴンドラやリフトが列をなしている。


【写真】登山口


登山口は駐車場の入口あたりにある。
大きな標示があるので見失うことはない。
登山届のノートに記入してから7時30分スタート。
道は整備されていて歩きやすい。
野生のイチゴが道脇にたくさん実っていた。



【写真】双耳峰のニトヌプリ、別名「硫黄山」のイワオヌプリ


ハイオトギリの群生する登山道をジグザグに登っていくと、じきに展望が開けてくる。
双耳峰のニトヌプリと午後から登る予定の別名「硫黄山」のイワオヌプリだ。他の山に比べて荒々しい。


【写真】アンヌプリ

モイワ山からの合流点を過ぎるとアンヌプリの三角錐の姿が見えてくる。



【写真】ハイオトギリ、マルバシモツケ

登山道の脇には高山植物が多く、ついつい目を奪われ足がのろくなる。

ミヤマホツツジ、マルバシモツケ、エゾフウロ、ニッコウキスゲ、エゾシオガマなど他にも多数



【写真】稜線歩き

稜線上の道はジグザグにつけられていて歩きやすい。
やがて山頂が近づいてくると双耳峰の南峰が右手に大きく見えてくる。


【写真】1308mの山頂

8時45分、ニセコアンヌプリの頂上に立った。
1時間15分の道のりだった。
山頂には誰もいない、独り占めの展望だ。
雲海から羊蹄山が頭だけを出していたが、むしろその方が神々しく見えるのだった。
静かに目を閉じていると羊蹄山から英気をもらえる気がした。



【写真】往路を下山する学生、荒々しいイワオヌプリ

山頂でコーヒーを飲んでいると学生たちがマラソンしながら次から次へと登ってきたので、これが潮時だと思い下山することにした。
山頂部に爆裂火口をもつイワオヌプリを見ながら往路を下る。
駐車場につくやいなや車に乗り込み、2〜3分走ってイワオヌプリの登山口「五色温泉・お花畑駐車場」へ移動する。




イワオヌプリ 1116m

【写真】五色温泉園地 お花畑駐車場から入る

五色温泉・お花畑駐車場にレンタカーを止めて、10時にスタートをする。
下の五色温泉駐車場からも行けるがこちらのほうが少し時間短縮できそうだ。
駐車場からはイワオヌプリの山頂の一部が見え、登高意欲をかきたてる。


【写真】イソツツジ、イワハゼ(アカモノ)

階段がつけられたお花畑の中を5分程歩いていくと登山届を出すポストが立っている地点に着く。



【写真】工事中の階段

入山届を出して、工事中の階段を登っていく。
工事関係者が5人ほど工事を行っているが、登山者が通ると避けてくれる。
木の階段がない上部は砂地になっていて滑りやすい。
ここが今日一番の難所だったかもしれない(笑)ストックがないと下りはズルっと滑る。
※工事関係者の談によるとお盆頃には工事が完了しているそうです。


【写真】だだっ広いニトヌプリの展望地

樹林帯の中を進んでいくとだだ広い砂地の展望地に出る。
前方に双耳峰のニトヌプリが見えるので一息いれるのにちょうどよい。
近くに「大沼」を指す案内板が立っていたので、ここがイワオヌプリとの分岐かと初め思ったが地図を見るとそうではないことがわかった。
大沼方面へ向かう。



【写真】分岐

花畑を北西に進んでいくと間もなく大沼方面とイワオヌプリの分岐に着く。
左は大沼へ、右はイワオヌプリへ。
ここから先は地肌がむき出しになった岩場を登っていくので夏場は辛い。
傘を出して日傘がわりにする。
いつも傘をザックに入れておくと便利だ。
日傘代わりにもなるし、ちょっとした雨ならレインコートを出さずに済む。


【写真】山頂部の左回り、右回りの分岐

岩場を20〜30分も登ると山頂部に出る。一見最高点がどこにあるか分かりにくい。
後でわかったことだが右回りでいく方が最高点に近いが砂礫の中を登っていくので下りにとったほうがよい。往きは大沼が見える左回りがお勧め!
左に折れると山腹につけられた道をトラバース気味に歩く。



【写真】大沼

稜線に出ると遠くに大沼が見えてくる。雄大な眺めだ。


【写真】最高点へ

馬蹄形の大きなクレーターを見下ろしながらぐるっと半周するとイワオヌプリの最高点に着く。
山頂からは360度のパノラマ展望が広がる。
さきほど登ったばかりのニセコアンヌプリが間近にせまり、西には双耳峰のニトヌプリとその右に明日登るチセヌプリやニセコ西山系の山々まで眺められる。
イワオヌプリはニセコ火山群の中で最も新しい火山で、大イワヌプリも小イワヌプリも共に溶岩円頂丘で、火山活動の跡が生々しく残る特異な景観だ。



【写真】傘は必携

山頂の暑さは半端でない。
傘を差していてかろうじて日陰を求めることができる。
展望を楽しんだら往路を戻り、12時に駐車場に帰り着く。
そのままレンタカーに乗り込み鏡沼入口へ移動する。
車で15分ほど北へ向かい、鎖がかけられたスキー場管理道路のすぐ北に鏡沼入口がある。
専用駐車場はないので、路肩のスペースにとめおく。




鏡 沼
ニセコアンヌプリの北斜面に位置する鏡沼は、海抜570mの湿原の中にあり、ダケカンバの原生林で囲まれている。まるで鏡のように周りの景色を映し出すことからこの名がついた。
6月下旬からワタスゲの群落が咲き誇り、10月上旬にはナナカマド、ハルニレなどの紅葉が楽しめる。


【談】この日は天気に恵まれたのでどこへ足を伸ばしても展望を満喫することができました。
平日だからでしょうか、鏡沼で出会った人は4組ほどしかなく、静かな沼を前にしてゆっくりとランチを楽しむことができ、思い出の1ページとなりました。




★1日目の羊蹄山へ
★3日目のチセヌプリ、大谷地・神仙沼へ

<参考コースタイム>

◆ニセコアンヌプリ
登山形式:ピストン(往路1時間20分/復路45分)

◆イワオヌプリ
登山形式:ピストン(往路1時間/復路40分)

◆鏡沼
登山形式:ピストン(往路30分/復路30分)

<登山口>
アンヌプリとイワオヌプリは五色温泉が登山口になります。鏡沼は五色温泉より車で15分ほど北上します。

<下山後の入浴>


今回の登山口となっている五色温泉は利用していないのでわかりませんが、五色温泉から車で10分ほどの湯本温泉国民宿舎「雪秩父」はお勧めです。
露天風呂が11(男性5、女性6)あり、鉄鉱泉と硫黄泉の2種類があります。
源泉掛け流しで観光名所の「大湯沼」が湯元になっているとか。


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