登山日記
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 羅臼岳(1,661m) 平成21年9月21日 晴れ
羅臼岳
まえがき・・・知床連峰の最高峰羅臼岳は、知床半島のほぼ中央部にあり、ルートは斜里町からと羅臼町からとそれぞれ1本ずつつけられている。斜里町側は歩きやすく人気が高い。とはいえ標高差、距離があるので相当体力が要求される。


【写真】ホテル地の涯から入る

今朝は北海道一番の冷え込みだった(下界で最低気温2度とか)ので、果たして山頂までいけるかどうか不安だった。
登山口はウトロの町からはずれた岩尾別温泉「ホテル地の涯」からである。
羅臼岳登山口の標識に従い、ホテル脇の道を入っていくと木下小屋がある。


【写真】木下小屋が登山口

登山届は木下小屋で出しておこう。
登山道は木下小屋の右横から入る。
ここの標高が210mなので実に標高差1450mをこれから登るのである。




【写真】エゾユズリハ群生地


しばらくはジグザグにつけられた樹林帯の中を登る。
トドマツやミズナラの混合林の下層にはエゾユズリハという北海道と日本海沿岸に多い低木がみられる。
葉が1枚ずつ交代するように落ちていく様子が子に代を譲るように見えることからユズリハという。太平洋側は大きめの葉っぱで高木のユズリハが分布する。




【写真】650m岩峰から知床連峰が見える

オホーツク展望とよばれる岩まできて振り返るが、周りの木が邪魔してオホーツク海や知床五湖がよく見えない。
むしろもっと先で良く見えてくるようになる。
650m岩峰とかかれた標識から登っていく途中左方向に知床連峰が見えてくる。
紅葉前線が少しずつ下りてきているようだ。



【写真】弥三吉水


さらにダケカンバなどの黄葉した樹林帯の中を登っていくと涸れることのない弥三吉水に着く。





【写真】極楽平からの展望

平坦な道になったと思うと極楽平に着く。
極楽平から羅臼岳が見える筈だが、この時間はガスの中。(写真は下りで撮影)

左:極楽平の標識
中:氷で山頂部が白い羅臼岳
右:羅臼平と三ツ峰

極楽平から急坂の仙人坂につくと、オホーツク海や知床五湖の眺めがすばらしくなる。



【写真】銀冷水の休憩ポイント

樹林帯を抜け銀冷水まできたらその先に広い休憩ポイントがあるので休んでいく。
ここからの展望はよくない。

【写真】大沢入口


銀冷水から15分ほどで大沢入口。
この大沢は7月頃まで残雪があるので、下りでは下りすぎないよう注意が必要だ。
またこのあたりは高山植物が多いところで、この時期にまだ咲いているの?とびっくりしてしまうような花が残っている。



左:エゾツガザクラ
中:エゾコザクラ
右:キバナシャクナゲ


【写真】羅臼平

大沢上部のガレ場をすぎるとハイマツの平坦地・標高1350mの羅臼平である。
知床連山の開拓者、木下弥三吉のレリーフが埋め込まれた岩があり、ここが硫黄山への分岐にもなっている。
一面のガスで羅臼岳方面を眺めてもまったく見えない。
突風がすさまじいのでここで防寒対策をとる。



【写真】山頂まで1時間

山頂へは直進してフードストッカーを過ぎた先の分岐を右折してハイマツ帯の中を登っていく。
(まっすぐは羅臼町へ下る道なので間違わないように)
ハイマツが切れたところでは突風で吹き飛ばされそうになる。
岩清水を過ぎ、エビノシッポができた樹氷群の間を抜け、急な岩場を登りつめていくと羅臼岳山頂だ。



羅臼岳山頂


左:凍りついた岩場を慎重に山頂表示まで移動
中:羅臼岳の山頂表示
右:エビノシッポがはりついた山頂

山頂の岩場はエビノシッポで真っ白。ひとつ間違えると滑るので心臓がドキドキ(>o<)
この日、北海道一番の冷え込みだったので、山頂にたどりつけただけで満足感で一杯だった。
ガスが切れるのを待っていると、一瞬さ〜っとガスが切れて国後島が見えた。



【写真】大沢入口へ下る

山頂から羅臼平への下りでは、ガスが切れはじめて数分間国後島を見ることができた。
大沢入口まで下ってくると、往きとは別の高山植物タカネトウウチソウ、チングルマ、ウコンカズラなどが見られた。
この後、山頂部のガスがどんどん切れていき羅臼岳が姿を見せ始めたので、振り返ってはため息をつく、という後ろ髪を引かれる道中だった。


【談】 北海道の締めくくりの山は斜里町の羅臼岳にしました。締めくくりの山にするにはあまりにも体力が要求され、やはり一番初めにもってくるべきだったと悔やみました。北海道の山は後ろ髪が引かれる山が多いので、また再挑戦したいと思います。


★1山目の雌阿寒岳〜阿寒富士
★2山目の斜里岳

<参考コースタイム>

◆行程時間:/約8時間40分

◆登山形式:ピストン(一部周回)
木下小屋 650m岩峰 極楽平 大沢入口 羅臼平 羅臼岳 羅臼平 大沢入口 極楽平 650m岩峰 木下小屋
6時 7時 7時30分 8時40分 9時10分 10時5分 11時5分 11時35分 12時45分(25分休憩) 13時35分 14時40分
コース紹介マップ
羅臼岳☆国土地理院地形図

<見所>
・オホーツク海、知床五湖、知床連峰などの眺めが雄大です。
・羅臼平から羅臼岳の間で国後島などが見えます。

<注意点>
・距離が長いので体調管理は万全に。

<ウトロの町立ち寄りスポット>

左:知床峠からの羅臼岳
中:知床五湖のうち二湖からの知床連峰・硫黄山
右:遊覧船で知床半島めぐり


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