登山日記
登山日記のメニューへ

涸沢岳〜北穂高〜キレット〜槍ヶ岳縦走 平成16年7月31日〜8月2日 晴れ
2日目(キレット〜南岳〜中岳〜大喰岳〜槍ヶ岳)


【写真】ご来光(北穂高小屋から)

4時50分 日の出


【写真】キレットから槍への稜線

いよいよきょうは核心部を歩くのだ。
緊張感で身が引き締まってくる。
朝ごはんをおかわりして、腹ごしらえをしっかりと整え、でかけることに。

【写真】キレットの入口に立つ

小屋のテラス前を通り過ぎて、キレットの入口に立ってみる(小屋の北端に位置する)
う〜〜ん、相当切れ込んでいる・・・
しかも誰も歩いていない・・・
キレットは北穂から下りていく方が険しいので、南岳からこちらの北穂に縦走してくる人のほうが圧倒的に多い。

小屋のテラスから『好奇心の目』がいくつもこちらを窺っている。
彼女一人で下りていくのだろうか・・・そんな目だ。



【写真】ナイフリッジを馬乗りになって

6時10分 キレットスタート

北穂高岳の北壁をジグザグに下りて飛騨側に出ると、飛騨泣きの悪場が始まる。
ナイフリッジの岩峰をトラバースし(というより馬乗りになって通過する)、いくつもの岩場を登下降して信州側に出るとしばらく悪場は終わる。



【写真】A沢のコル(笠ガ岳が雄大だ)

7時 A沢のコル
ここで、はじめて休憩。
みかんを食べて、水分補給をする。
ついでに粉末のクエン酸とアミノ酸も摂取しておく。



【写真】長谷川ピークへ

A沢のコルを過ぎて、長谷川ピークに近づいてきたころ、初めて対向者とすれ違う。
3人連れの男性グループだ。

7時24分 長谷川ピーク
長谷川ピークを越え、小ピークを越えたら最低コル(鞍部)。
ここからは穏やかな歩きにかわり、最後2箇所の鉄バシゴからルンゼ状の岩稜を登って大キレットを抜け出す。

【写真】南岳小屋は間近に・・・

そろそろ終盤にさしかかると、対向者が下りてきて、南岳小屋が近いことを教えてくれる。

ザレた道を一登りして、最後に岩場を回り込んだら南岳稜線に立つ。
ふ〜〜、やれやれ。
キレット通過した〜〜


【写真】南岳稜線に立って、北穂高とキレットを眺める

8時45分 南岳稜線に立つ

展望台にたって、今歩いてきたキレットを覗き込んでみると、胸がす〜〜っとしてきた。
この感覚がたまらないから、きっとまたきたくなるのだろうなぁ・・・

【写真】南岳へつづく広大な稜線

南岳小屋へは、ザレた道を下りていく。
小屋前のベンチで行動食をとる。
緊急時は、この南岳小屋から槍平へエスケープすることもできる。
50分ほど大休憩をとってから、ゆるやかな道を南岳山頂まで歩いて行く。


【写真】南岳山頂

9時45分 南岳山頂
だだっぴろい・・・

【写真】中岳〜大喰岳へ

南岳からしばらくいくと、右手に天狗原への道をわけ、信州側に巻くと中岳の水場(雪渓水)があらわれる。
うだるような暑さの中、それが『砂漠のオアシス』に思えた。
ザックを放って、手と顔を洗い、ついでに歯みがきをする。
う〜〜ん、さ・わ・や・か!






11時10分 中岳
山頂には女子大生が2人。
西岳から来たという。

【写真】大喰岳山頂

12時5分 大喰岳

槍岳山荘の赤い屋根がもう目の前だ。



【写真】大喰岳から飛騨乗越へ下る

今日の終着点である槍岳山荘へは飛騨乗越を通過していく。
この飛騨乗越は、日本最高所の峠で標高が3020mある。

飛騨乗越へのザレた道を下るのは私一人で、登ってくる人は次から次へと絶えない。
南岳へ向かう人。
あるいは天狗原を経て、上高地へ下りる人かもしれない。

【写真】夢に見たこの光景

12時40分 槍岳山荘

槍ヶ岳に『蟻のようにはりついている登山者』を尻目に生ビールをあおる。
う〜〜〜ん、最高!
高山病になりやすいため、初日の昨日はアルコールを断っていたので、最高にうまい!

この幸せ、わかりますか?


■コース上で出合ったお花たち
キレット〜槍岳山荘まで ヨツバシオガマ、タテヤマリンドウ、チシマギキョウ、イワギキョウ、イワツメクサ、トウヤクリンドウ、ウサギギク、ウスユキソウ


3日目:槍ヶ岳往復はこちら
1日目:涸沢岳〜北穂はこちら

<参考コースタイム>

◆行程を時系列に

6時10分:北穂高小屋スタート
8時45分:南岳小屋着
9時35分:南岳小屋スタート
9時45分:南岳
11時10分:中岳
12時5分:大喰岳
12時40分:槍岳山荘着

◆歩行時間と行程時間

・キレットの歩行時間 :2時間35分(20分の休憩含む)
・南岳小屋〜槍岳山荘までの歩行時間 :3時間(25分の休憩含む)
・全行程時間 :6時間30分

◆注意事項

  1. 北穂高小屋から下る時、斜度が急なのでクサリ場や梯子が続くので慎重に!
  2. 長谷川ピークの手前にある馬の背の通過では、岩をまたぐ形で通過すると怖くない
  3. 最低のコルを過ぎると難易度が下がるが気を抜かない

登山日記のメニューへ