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2日目 | |
超満員だった涸沢小屋をあとにして、小屋のすぐ東にある北穂への登山口から取り付く。 北穂山頂までは約2.5K、標高差約800mの登り一辺倒。 足元はガレていて、ペンキで書かれた○印をたよりにジグザグに登っていく。 周りが潅木帯からハイマツ帯の緑になると、今度は大きな岩がゴロゴロしているゴーロ帯に変わり、やがて50mほどのクサリ場に出る。 クサリ場の上には鉄梯子が作られていて、前を行くグループが抜けるまでしばらく待つ。 クサリ場を抜け北穂の南稜に出ると、やや平な場所に出るので、美しい姿の前穂を眺めるのにちょうどよい。早夏には、前穂高の雪渓にコウモリの雪形が現れるそうだ。 |
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岩道をさらに急登していくと、尾根道はしだいにやせて、やがて二つ目のクサリ場と鉄梯子を抜けると、南稜のテラスに出る。 ここはテント場の指定地になっていて25張ほど設営可能となっている。 テラスを抜けるとじきに北穂高南峰直下の分岐に出る。 ここにザックをデポして、北穂高の北峰(分岐の右手)に向かう。 山頂までは6分程度、左手に大きな松濤岩を眺め「風雪のビバーク」の壮絶な手記を思い出している内に到着してしまう。 北穂高岳北峰山頂からは、キレットの向こうに槍ヶ岳がはっきりと見え、素晴らしい! いつまで眺めていても飽きないほどだ。 東側直下の北穂高小屋でご主人の小山さんに「淹れ立てのコーヒー」を注文し、デッキのベンチから表銀座コースを眺めていると、まるでヨーロッパアルプスにいるような錯覚すら覚える。 |
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![]() 急峻な岩稜が一旦途切れて平らな道になったので、長袖ブラウスを着ようとザックを下ろしたら、ブラウスのポケットにいれておいた小銭入れの財布がなくなっているのに気づいた。 慌てて、ザック周辺を探したが姿かたちもなく、思いあたるポイントを思い浮かべ、とりあえず来た道を戻ることにした。ここまですでに1時間歩いてきているのでこのロスはかなり痛いし何よりも普通の道ぢゃあない(~~A; 現金だけなら諦めるが、免許証とクレジットカードが入っていたので諦めるわけにもいかない。 空身でひたすら下を見ながら戻り、滝谷側で落としていたらもう駄目だなぁ〜と考えつつ、出合った登山者には声を掛け、結局北穂高小屋まで戻ったが見当たらず、失意の胸中で、しかもシャリバテで喘ぎながら、きた道をまたザックの所まで戻った。 そしたら、なんとザックの上に「拾っておきました。道中お気をつけて!」という置手紙があった。 この時の感動 w(゚o゚)w オオー神様!! このクールな置手紙の人は、道中で声を掛けた人の誰かに決まっているけど、誰なのか? とりあえずシャリバテの身体に行動食を流し込み、10Kのザックを背負って、次の難関・涸沢槍へ向かう。 |
最低コルから滝谷側に出て、一段と高く聳える涸沢槍の岩峰に取り付く。 ここからは崩壊が激しく、クサリや梯子が連続する。 垂直に近いクサリ場から岩を攀じ登り、鉄梯子手前のクサリでは体が振られるので要注意! 息もきれぎれに涸沢槍の穂先を滝谷側に巻いてD沢のコルに下る。 |
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![]() 【写真】涸沢岳山頂で憩う登山者たち コルからはまた涸沢側へ回り込んで、最後の難所の岩を鉄杭と鎖を使って攀じ登ると涸沢岳稜線に出る。これでスリリングな岩稜歩きは終わり。 視界が広がり、涸沢岳の頂上が見えてきた。ハプニングの末、無事ここまでたどり着けたことにただただ感謝するばかり。 |
涸沢岳から槍ヶ岳、奥穂高、前穂高を存分に眺めたら、眼下に見える穂高岳山荘へ下りる。 ここからはサンダル履きでも歩けると聞いていたけど、まさしくその通りだった。 |
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![]() 【写真】標高2996mで点てた抹茶をいただく 山荘前のテラスでは、道中声を掛けた登山者の方々が拍手で迎えてくれ、ビールで祝杯をあげた後は、抹茶を点ててくださる方がいて、思いがけないご馳走に預かった。 これぞまさしく心が落ち着いた瞬間。 でも、結局財布を拾って下さった方は最後までわからずじまい。 この場を借りて、お礼を申し上げますm(__)m |
(談) こうして下山してから2〜3日経ってみると、よくもまあ、あの難所を一人で往復したものだと思いました。 やっぱりいざとなると「恐ろしい〜」とか言ってられなくなるものですね(^-^) 抹茶を点ててくださった大阪の方、道中を心配してくださった九州のSさん、静岡のIさん、本当にありがとうございましたm(__)m |
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コース紹介MAP | |
涸沢の秋 3日目:奥穂高〜前穂高 |
■涸沢稜線上から眺める雄大な眺め | |
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次第にガスが切れ姿を現した槍の穂先 | 涸沢カールに穂高の影(後方のピラミッドは常念岳) |
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ワンポイントアドバイス |
<参考コースタイム>
<注意点>
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