登山日記
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 浅間山(前掛山 2,524m)火山館コース 平成23年6月12日 曇り

まえがき・・・浅間山は数十万年前から活発な火山活動を繰り返し、一時期入山が規制された期間もあったが、現在ガスの警戒レベルが「1」となっており、前掛山(2524m)まで登ることができる。5年前に黒斑山(くろふやま)へ登ったが、ガスで浅間山の美しい縞模様を見ることはなかった。今回のコースは、浅間山荘から火山館を経て前掛山を目指す。


【写真】登山口の浅間山荘

関市を4時に出発し、登山口の天狗温泉「浅間山荘」に7時半頃到着する。
天狗温泉の有料駐車場で500円を払う。
駐車場の利用者は日帰り温泉が100円割引になるという。
曇り空だが期待に胸を膨らませて山荘横の鳥居をくぐる。



【写真】注意をうながす案内板


登山者に注意をうながす案内板が入り口に立ててある。
現在のガス警戒レベルは「1」で前掛山まで登山可能、とあるが火山ガスについては予測不可能なため自己責任で登ってくださいと記されている。


【写真】一の鳥居の分岐

登山口からミズナラを中心とした静かな落葉広葉樹の中を歩いていくと30分ほどで一の鳥居に着く。
不動の滝へいくコースと二つに分かれるが二の鳥居でまた合流する。
不動滝は帰りのコースにする。



【写真】二の鳥居

二の鳥居に着いたところで行動食を口に入れ水分補給をしておく。
その先にある薪置き場に火山館からのお願いが書いてあったので、みんなで薪を1本ずつザックに括り付け火山館までストーブ用の燃料を運ぶ。


【写真】牙山(ぎっぱやま)とイワカガミ

やがて木々の間から鋭い牙のような山が見えてくる。
これが牙山(ぎっぱやま)だろうか。
足元には可憐なイワカガミやハクサンイチゲが咲いていた。



【写真】カモシカ平からトーミの頭と黒斑山を見る

カモシカ平までくると景色は一変する。
5年前に登ったトーミの頭と黒斑山が左手に現れ、圧倒される。
上から見下ろすのと下から見上げるのとでは風景がまったく違う。
カモシカが黒斑山の岩場を歩いているのが見えた。


【写真】浅間山がお目見え


足を進めていくと、やがて前方に浅間山のなだらかな姿が現れ、感動の声が・・・。
この辺りから足元に噴火で飛んできた石が目立ち始め、登山道の至る所にその名残りがある。



【写真】展望抜群の火山館

やがて火山館の建物がみえ、鳥居をくぐって火山館に薪をおろす。
山荘のデッキからは牙山(ぎっぱやま)が目の前に聳え、視線を移せばトーミの頭が小屋を見下ろしている。
トーミの岩場を眺めていると、なんと岩場でカモシカの群れを観察することができ、またしても感動してしまう。
 

【写真】湯の平高原を歩く、ヒメイチゲとミネズオウ

山荘で休憩をしたら前掛山(浅間山)へ向かう。
火山館を回り込んで、気持ちのよい湯の平高原を歩く。
ヒメイチゲやミネズオウが咲き乱れ、イワカガミの群生地も見られる。



【写真】Jバンド分岐

トーミの頭へ向かう「湯の平口」を過ぎ、その先のJバンドへの分岐も過ぎると登山道の様相が一変する。


【写真】斜面をトラバース


溶岩流や火砕流によるガラガラ、ザラザラした歩きにくい道を想像していたが、意外にも道はしっかりしていて歩きやすい。
若木のカラマツとミヤマヤナギが山肌に緑の色を添える。


 

【写真】浅間山へは立入禁止

斜面をトラバース気味に登りつめると浅間山(釜山)への道に出るがロープが張られてここから先は立入禁止
自己責任を口にしながら立ち入る人がいたが、やはり禁止区域には立ち入るべきではない。
ここからは右に折れて浅間山第2外輪山の前掛山へ向かう。
 
 
【写真】緊急時のシェルター

前掛山へ向かう途中に緊急時のシェルターが置いてある。
避難する場合はシェルターに入って噴火がおさまるのを待つことになるのだが、こんなので大丈夫なのかな?心もとない気もするが・・・
 


【写真】前掛山へ


シェルターから風が強くなったのでウィンドブレーカーを着て前掛山へ向かう。
前掛山に着くと浅間山の山頂表示があり、隣りに小さく前掛山と記されている。
ウッドタッチに自分の手を重ねて、しばし達成感に浸る。


【写真】前掛山

山頂表示の先から立入禁止だ。
曇りの天気だが、周囲の四阿山や八ヶ岳方面がよく見える。
記念撮影をしたら早々にシェルターまで戻る。



【写真】Jバンド方面、黒斑山を眺めながら下山

シェルター近くでランチをすませ、火山館にむけてまた出発する。
Jバンド方面〜黒斑山を眺めながらの下山はとても楽しく豊かな気分にさせてくれる。
道中、山ガールと山ボーイが座り込んで展望を楽しんでいる姿も。



カラマツの木でみつけた、『緊急を知らせるスピーカー』と『新旧交代の実』



【写真】山荘で休憩、牙山

火山館に着いたところで休憩をし、管理人から山荘の電気、水、火などのインフラはすべて自己でまかなっていることを聞かされ驚く。発電は屋根にソーラーが取り付けてあり、テレビやパソコンも何不自由なく使える。こういう暮らしこそ震災に強いんだなー(^o^)V
火山館からは牙山を眺めながら下っていく。
   
 
【写真】不動滝

カモシカ平でエンレイソウ(別名ミヤマエンレイソウ)をみつけ、その先の二の鳥居からは不動滝へ下りるコースをとり、「浅間山荘」へ16時に帰着。
きょうは曇りの予報だったが展望がよく素晴らしい山行ができたことに大満足し、天狗温泉で汗を流してから岐阜へ戻った。
   
   ★コース上で出合ったお花たち★


ニシキゴロモ、マイズルソウ、スミレサイシン、ハクサンイチゲ、シロバナエンレイソウなど他にも多数


【談】

浅間山は、最近では平成20年8月10日、平成21年2月2日に小規模噴火を起こしており、浅間山にはもう登れないと諦めていましたが、平成19年12月から警戒レベルに応じて立入が認められるようになりました。今日のレベルは「1」で、前掛山まで無事に登ることができました。こんなに素晴らしいコースを満喫できたことに感謝したいと思います。

☆小諸市のコース紹介マップ
☆浅間山☆国土地理院地形図
  黒斑山コースはこちら 

<参考コースタイム>

◆行程時間:/8時間(休憩含む)

浅間山荘 火山館 Jバンド分岐 シェルター 前掛山 シェルター Jバンド分岐 火山館 浅間山荘
8:00 10:00-10:20 10:40 11:40 11:55-12:10 12:25-13:00 13:45 14:15-14:45 16:00


<ポイント>
・カモシカ平からのトーミの頭、黒斑山方面の展望
・火山館からの展望
・前掛山からは360度の展望
・イワカガミ、ハクサンイチゲ、ミネズオウの群生地

<注意点>
・ガスの警戒レベルに注意願います。
・立入禁止内に入らないこと!

<アプローチ>
小諸ICから79号線に入り東に向かって、信号「菱野」を過ぎたらその先のトンネルを抜けてすぐ右折し「菱野温泉」へ向かいます。途中「浅間登山口」の分岐を右折して天狗温泉「浅間山荘」へ。各ポイントには看板が出ています。
岐阜市からは車で4時間程度。

<日帰り温泉>
天狗温泉「浅間山荘」 
外来入浴は16時まで。有料駐車場を利用していたので頼んで利用させてもらいました。
駐車券を見せれば同乗者も100円割引になります(割引後400円)。


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