登山日記
登山日記のメニューへ

トムラウシ山(2,141m) 平成22年9月12日 晴れ
トムラウシ

まえがき・・・北海道にある9つの百名山の中で一番最後になってしまったのがトムラウシ山だ。理由は大雪山から縦走するかそれともトムラウシ温泉からピストンするか迷っていたからだ。トムラウシ山といえば昨年9人の大量遭難者を出したことで全国でも有名になってしまい、トムラウシに一人で行くというと誰もが「大丈夫???」と心配する。今回は幌尻岳がメインだったので日程の関係から結局ピストンをすることにした。


【写真】トムラウシ温泉とキタキツネ


無事幌尻岳が終わり、夕張岳へ向かったグループのみんなと分かれてまた一人レンタカーでトムラウシ温泉へ移動する。平取町からはR237からR274を走って清水町を抜けて国民宿舎東大雪荘へ向かう。
秘境の中の一軒宿なので十勝ダムを過ぎた辺りから携帯が圏外になる。
午後3時前に温泉に着いたので短縮登山口までの道を事前に確認しておく。
温泉から登山口まで車で20分ほどで軽自動車でも問題になく走れた。
駐車場は広くトイレも完備。途中キタキツネに出会ったが7月の頃と違い冬毛に変わる時期なのか毛並みがとてもきれいになっていた。


【写真】登山口

明朝4時30分に温泉を出発し、登山口でスパッツをつけてから5時にスタートをする。
登山届のノートを見るとすでに何名か早立ちしていた。
はじめはハイキングコースのような歩きやすい道をいく。
途中東の空から日の出に遭遇し神々しい気持ちになった。



【写真】温泉からの合流点

20分ほどで温泉からのコースと出合う。
この先は針葉樹林帯につけられた笹道をゆるやかに登っていく。


【写真】カムイ天上とトムラウシ山

やがてダケカンバ林の明るい道に出るとカムイ天上に着く。
登山口から50分で着いたので昭文社の地図のコースタイムとあまりにも違うのでビックリする。
どうやら縦走者が重い荷物を担いでいる場合のタイムらしい。
ツアーの団体客が「ここからトムラウシが見えるよ」と教えてくれる。
でっかい山塊が見え「あれがトムラウシか」と期待に胸が膨らむ。



【写真】十勝岳方面


カムイ天上からは平坦な笹道を歩く。
前方に十勝岳が見えてきてうれしくなる。
やがてコマドリ沢に下る急な道がはじまる。
傾斜がきつく雨後はヌルヌルドロドロになって滑りやすいので注意が必要だ。


【写真】コマドリ沢分岐


コマドリ沢分岐で増水している場合は注意と聞いていたが、水量が少なく靴が濡れることもなく石の上を歩いて通過した。



【写真】沢沿いを歩く


コマドリ沢分岐からは沢沿いを歩く。
残雪時は雪渓を歩くことになるので時間がかかりそうだ。
今はお花の時期が終わってしまったが、雪解け後この辺りは一面の高山植物で別天地になる。
バラ科のタカネトウウチソウがまだ少し咲いていた。


【写真】ガレ場を歩く


沢を外れるとガレガレの岩場に変わる。
広々としているので道を見失いやすい。
岩に描かれた黄色い○印を見失わないよう歩く。



【写真】前トム平


道の両脇はウラシマツツジの紅葉とガンコウランの緑の対比が美しい。
やがてハイマツが広がる前トム平に出る。
ここで一服してトムラウシの壮大な山塊に抱かれている気分を味わおう。


【写真】トムラウシ公園


前トム平からケルンが積まれた丘を通過して、大きな岩がゴロゴロした道を下っていくとトムラウシ公園に入る。
ここは別天地で庭園のようなところだ。
この公園を歩いているだけで十分満足でき、仮に時間切れになってここで終わりになっても後悔はしないほどだ。



【写真】山頂へ


トムラウシ公園を堪能した頃キャンプサイトとの分岐に出合う。
山頂へ向けて岩場を登っているとシマリスに遭遇した。
夢中で草の実を食べていて食べ終わるまで逃げようとしない。冬眠前にたっぷりと栄養をとっているのだ。
分岐から20分ほどでトムラウシ山に着く。

【写真】トムラウシ山で憩う登山者たち

9時15分 トムラウシ山到着!
一等三角点がで〜んと真ん中に置かれて見晴らしが良い。
2日前に登頂した幌尻岳、7月に登った羊蹄山、間近に十勝岳、旭岳が眺められ大満足!
山頂は狭いので毛雲岳方面から縦走してきた団体さんやトムラウシ温泉からの登山者たちでたちまちいっぱいになってしまった。


【写真】縦走する人たち 


眼下の北沼を眺めながら今度は旭岳から縦走してこようと誓う。
旭岳方面へ向かう人の拡大写真



【写真】トムラウシ公園へ下る


山頂を10時に出発してガレ場を慎重に下る。
カムイ天上で出合った団体さんたちが登ってくるのとすれ違った。
下りは南南東の位置にあるニペソツ山をずっと眺めながら歩いた。
北海道の人たちが「北海道でピカイチの山はニペソツ山だ」と口を揃えて言うので、それならばと来年はニペソツ山に登ってみようと思う。


ニペソツ山(前トム平までの間で撮影)


ニペソツ山(カムイ天上までの間で撮影)





【写真】登山口

13時45分無事に登山口に到着。
コマドリ沢からの戻りが長かったが、足元がドロドロになることもなくスパッツはきれいなものだった。
でも雨後は足元に注意が必要かも・・・


(談)
トムラウシ山はすばらしかったです〜♪ピストンだけでこれだけの感動を味わうことができたのですから旭岳からの縦走はもっと素晴らしいのでは・・・次回が楽しみです!

★コース紹介マップ
★国土地理院地形図

★1山目の幌尻岳へ
濁河温泉コース上で出合ったお花たち

<参考コースタイム>

行程時間/8時間45分 歩行時間/8時間

登山口 カムイ天上 コマドリ沢分岐 前トム平 トムラウシ山公園 トムラウシ山 前トム平 コマドリ沢分岐 カムイ天上 登山口
5:00 5:50 7:05 7:50 8:20 9:15ー10:00 11:20 11:55 13:00 13:45


<見所>
・コマドリ沢上部の高山植物群(この時期お花は終了)
・トムラウシ公園の庭園
・雄大な前トム平
・トムラウシ山からの展望

<注意点>
・前トム平までの岩場は広いのでガス発生時道を見失なわないように。
・雨後はスパッツ必携


<アプローチ>
千歳空港から直接来る場合は、道東自動車道の千歳東ICで入り夕張ICで下ります。R274を走って清水町からトムラウシ温泉方面へ向かいます。ナビにトムラウシ温泉といれれば簡単です。
平成23年に夕張IC〜占冠ICまでが繋がれば十勝清水ICまで一気に時間を稼ぐことができ、かなりの時間短縮になります。

<宿泊>
トムラウシ温泉「国民宿舎 東大雪荘」
ホテルのような国民宿舎。料理がおいしく、部屋もきれいで大満足。駐車場に靴を洗う洗い場があります。
電話:0156-65-3021

<立ち寄りスポット>
望岳台から見るトムラウシ山


登山日記のメニューへ