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幌尻岳(2,053m) 平成22年9月9〜10日 晴れ | |||||||||
【写真】とよぬか山荘の管理棟と宿舎 今宵の宿「とよぬか山荘」はH20年に閉校した豊糠小中学校の校舎と職員住宅を利用した宿泊施設で、今年の7月1日にオープンした。平取山岳会に幌尻山荘の予約を入れると案内状が郵送されてくる。内容を読んですぐに申し込んだ。ゲートまでの送迎付きだったが、明朝他のメンバーが車で迎えに来てくれるので送迎無しの一泊夕朝食付き(おむすび4個)にした。 とよぬか山荘についたらまず管理棟で受付をし、タオルや布団カバーをもらったら宿舎(職員住宅)へ車で移動し夕食の時間まで部屋でくつろぐ。3DKにポツンとひとりきり、テレビもなく携帯も圏外で何もすることがない。すでに来るときにびらとり温泉で一風呂浴びてきたので風呂に入る必要もない。ザックの中身を再確認して夕食の時間になったらまた管理棟へ向かう。夕食はジンギスカンで味付けが韓国風だったのでビールが美味しかった。 |
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【写真】仮ゲートにある駐車場 明朝9時過ぎに管理棟のほうで仲間に拾ってもらい、駐車場のある第一ゲートまで林道を1時間かけて走る。 道は途中からダートでデコボコした穴がありところどころ慎重を要した。 駐車場にはトイレがあり、その横に登山届を出すポストが立っている。 スタートは10時40分でここから30分ほど歩いて第二ゲートへ向かう。 |
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【写真】第二ゲート 11時15分第二ゲートに着く。 とよぬか山荘の送迎車はこの第二ゲートまで送ってくれる。 30分は楽ができるのだ。 以前はこの第二ゲート前の小さな駐車スペースに車を止めていたそうだが、車があふれて林道沿いにみんな駐車するので現在の第一ゲートに駐車場を作ったそうだ。 |
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【写真】取水施設 第二ゲートからの林道歩きは長い。 ザックが重いので林道歩きだけで疲れてしまう。 1時間40分ほど歩いて嫌になった頃ようやく北海道電力の取水施設に着いた。 ここで渡渉用の靴に履き替える。 男性リーダーのKさんは長靴と一体型の渓流ズボン、女性陣のOさんとSさんは釣具専門店で買ったフェルト底の靴(1980円だったとか)、Kさんはモンベルの沢靴、私は迷った挙句結局キャラバンの沢靴にした。1回こっきりの使用に1万ウン千円もかけるのは惜しかったが、いろいろなショップを探してみたけど適当なのが見つからず結局二度と使わないであろう沢靴にしたのだった。 ノースのスポーツタイツの上に巻きスカートをつけ、靴下はモンベルの防水性のものを履いた。 |
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【写真】最初の難所 取水設備から右岸を歩いていくとまもなく大きな岩場が現れ、クサリを使って通過する。 その先しばらく進むと渡渉がはじまる。 |
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【写真】10数回渡渉を繰り返す 最初の渡渉ではリーダーが先に進んで水量と流れの確認をし、安全なポイントに自ら立って女性陣が渡りきるのを見守ってもらったので安心して渡渉することができた。四人が渡りきるまでの間自らの体を支えるのに渡渉棒は大変有効だったとのこと。これも車だったので持ってこられたのだ。 水位は膝ぐらいだったのでほっとする。 宿泊したとよぬか山荘のスタッフの話によると7月は雪解け水で冷たく、8月は大雨で撤退された人が多かったが9月に入ってからは水量が少なく安定しているということだった。 モンベルの防水性の靴下を履いているせいかそれほど水は冷たく感じなかったが、前が詰まって入水時間が長くなると防水靴下より上のタイツの部分が痺れるほど冷たく感じた。7月の雪解け水だとかなり痺れるかも?・・・ 四の沢出合からは渡渉の繰り返しで、登山道が切れたと思ったら対岸をよく探せば必ず安全な渡渉ポイントが見つかる。 |
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【写真】幌尻山荘へ 渡渉と登山道を歩くことを交互に繰り返し、ようやく15時25分に幌尻山荘に到着する。 すかさず濡れた靴を脱いで干し、着替えと受付を済ませて夕食に取り掛かる。 山荘前に広げられたブルーシートは満員だったので、離れた場所にある別のブルーシートを広げて宴会をはじめる。山荘にビールがあると聞いていたので持参しなかったら売り切れでアルコール類が全くないと聞きショック! 仲間のOさんが気を利かせて重いビールを2本担いでくれていたのでみんな滅茶苦茶喜んだ(^。^)y-.。o○感謝!感謝!ちびちび飲むビールが本当においしかった〜♪ 食後は飲み物と着替え以外は全部山荘の床下収納庫に入れて山荘の中に入る。(ザックは持込み禁止) 予約金の範囲内の敷き毛布1枚とふかふかの掛け毛布を500円で借りて2階へ上がる。(シュラフを持参しなくて済んだ) 消灯が早くて寝るしかなかったが、夜半すぎ少し寒くて目が覚めた。 |
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二日目 | |||||||||
【写真】山荘前で出発の準備 翌朝は3時半に起きて山荘前のブルーシートの上で出発の準備を整え、4時頃スタートをする。 ヘッドライトの明かりだけを頼りに樹林帯の中を登っていく。 |
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【写真】戸蔦別岳(右)が見えてくる やがて日の出を迎え、辺りは針葉樹の森からダケカンバの明るい森へと変わっていく。 左前方に戸蔦別岳(とったべつだけ)の優美な三角形の姿が現れたときはいよいよ近づいてきたな〜とうれしくなった。 |
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【写真】命の水 5時55分「命の水」に着く。 寄らずに通過し、この先から急登がはじまり息が弾む。 |
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【写真】幌尻岳と北カール やがてハイマツ帯にひょっこり出て視界が一気に広がると待ちに待った幌尻岳とご対面だ! |
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【写真】尾根歩き 尾根に出てからは氷河期の面影を残すスプーンカットの北カールを見ながら歩く。 今はお花の時期がすんでしまってチングルマの白いワタゲが目立つばかりだが、ところどころ遅咲きのイワギキョウやアズマギクが咲いていた。さぞかし7〜8月頃は一面のお花畑が楽しめることだろう。 |
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【写真】幌尻岳へ ハイマツ帯の道から岩がゴロゴロした道に変わり、新冠コースからの道と合わさり幌尻岳に到着する。 |
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【写真】幌尻岳 7時50分 幌尻岳到着!一番乗りで気持ちいい〜☆ 少し待っていると二番手の男性が到着したので全員の記念写真を撮ってもらう。 みんな晴れやかで「やったー」という満足感にあふれた素敵な表情をしていた! 周囲を見渡せば360度のパノラマ絶景。同定に自信がなかったので帰宅してからパノラマ案内の本で調べてみると西に羊蹄山、北西に夕張岳と芦別岳、北東に阿寒岳、斜里岳、羅臼岳、そしてすぐお隣の戸蔦別岳の奥にはウペペサンケ山とニペソツ山が控えていたのだった。記憶をたどって思い出してみるのも楽しいものだ。 |
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【写真】美しいカール 山頂から東カール、北カール、戸蔦別岳、ウラシマツツジの紅葉を満喫したら山荘へ引き返す。 戸蔦別岳まで縦走するには時間と体力がいるので、迷わず来た道を戻る。 |
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【写真】気持ちのいい尾根歩き 長い尾根道から北カールの美しい曲線を眺めながら歩く。 命の水までの急な傾斜は滑らないように慎重に下り、10時40分幌尻山荘に戻る。 利用者がそれぞれ出払った後なので山荘前はひっそりとしていた。 また昨日と同じ渡渉用スタイルに着替えて11時25分に山荘を出発する。 |
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【写真】渡渉シーン 帰りはみんな慣れたもの。上流から下流に向かって流れに逆らわないで上手に渡渉していく。 慣れてきたので調子に乗ってじゃぶじゃぶ歩いていたら足を滑らせる場面もあった(反省、反省)。 |
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【写真】取水施設へ 13時30分 取水施設に無事到着。 ここで着替えを済ませて出発しようとしたら、とよぬか山荘の送迎車の運転手さんが第二ゲートまで乗せていってくれるという。 あの林道歩きの1時間半をカットできるなんて超ラッキーだ! 車が一杯になるまで歩いている登山者を次から次へと拾っていってくれる。このご親切忘れません、本当にありがとうございましたm(__)m 第二ゲートからは駐車場まで30分ほど歩いて幌尻岳の旅を終えた。 14時50分 幌尻岳無事終了! この夜はみんなでとよぬか山荘に泊まり祝杯を挙げる。翌日私は一人でトムラウシ温泉へ移動、他のメンバーは夕張岳へ向かった。お互いの安全を願って・・・ |
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(談) 待ちに待った幌尻岳の登頂を無事に終えることができ、正直ほっとしました。これでもう幌尻に悩まなくてもいいという気持ちで胸がいっぱいです(笑)。今回リーダーのKさんには本当にお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げますm(___)m またご一緒させていただいた女性陣の皆さん、本当に思い出に残る山旅でした。またどこかの山でお会いしましょう〜♪ |
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★コース紹介マップ ★国土地理院地形図 |
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★2山目のトムラウシ山へ |
濁河温泉コース上で出合ったお花たち |
<参考コースタイム>
◆2日目 行程時間/幌尻往復6時間35分 山荘から駐車場まで3時間25分
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