登山日記
登山日記のメニューへ

武奈ケ岳(1214m) 平成21年10月24日 曇り
武奈ケ岳
まえがき・・・武奈ケ岳(ぶながたけ)は関西で最も人気のある山。滋賀県大津市に位置し、比良山系の最高峰でもある。かつては山麓からロープウェーやリフトを利用して山頂を目指すことができたが現在では廃止されている。平成18年2月、坊村から武奈ケ岳に初挑戦をし前夜からの寒波で大雪となりあえなく敗退。今回は紅葉の武奈ケ岳に期待を寄せ、前回と同じ坊村から入山する。


【写真】地主神社→明王院が登山口


国道367号線(鯖街道)を南下し、坊村という集落にある「明王院」「地主神社」という指導標、または「比良山荘」の看板を目印に左折をすると「比良山荘」があり、その先数mで「地主神社」の鳥居の前に着く。
幸い「地主神社」の駐車場の端っこ(川べり)に一台分のスペースが空いていたので車を入れる。
(登山者専用の駐車場は、国道をはさんで神社とは反対側の曙橋を渡ったところにあります。)
身支度をして8時40分にスタートをする。
明王谷にかかる赤い橋(三宝橋という)を渡ると、今度は右手に「明王院」という寺院がある。
工事中の寺院を見やり、そのまま直進すると本格的な登山道に入る。


【写真】本格的な登山口(標高400m弱)


御殿山コースとかかれた標識から本格的な登山道がはじまる。
人工林の薄暗いスギ林の急登をゆく。
登り始めたらすぐ道が狭くなっているところがあるので慎重に。






【写真】九十九折れ


道は九十九折れにつけられ、ふくらはぎが悲鳴をあげそうになる。
登り始めが頑張りどころで、スギ林が終われば楽になるのは前回で経験済み。



【写真】平坦な混生林の道


スギ林の急登が終わると、混生林のなだらかな道に変わる。
ヤマモミジの燃えるような赤が、ウリハダカエデやコシアブラなどの黄葉の中で一際目を惹いている。
しばらく行くと正面が冬道、右手が道標のあるトラバース道になる。
前回は冬道を登って途中敗退している。



【写真】トラバース道の紅葉


トラバース道のたらたら道は楽チンで気持ちがいい。
この辺りからブナの木が多く見られ、それが武奈ケ岳の名前の由来にもなっている。
ブナ林を歩いていると日常の雑事がリセットされ心が癒されていくようだ。




【写真】V字谷

トラバース道から短い谷歩きに変わる。
水はなく落ち葉を踏みしめながらサクサクと進む。
道がV字にえぐれている箇所があるので雨の日は沢のようになるかもしれない。




【写真】レスキューポイント御殿山 4


また主尾根に戻り、レスキューポイント御殿山4の標識が出てくるとその先に見晴らしのよい小広場がある。
前回雪で敗退したポイントがこの小広場の下辺りだったと思われる。


【写真】しばらくはなだらかな尾根歩き


この小広場にかかる道でツルウメモドキを見つけた。
はじめなんの木かわからなかったがつる性であることと黄緑色の実が3つに割れて中から赤い実が見えていたことからニシキギ科のツルウメモドキと判明。赤い実が華やかなのでよく生け花に花材として使われている。
またこの辺りではアズキナシの赤い実やテンナンショウ属特有のとうもろこしのような赤い実が目立っていた。

左:人が座れるほどの曲線をもつブナの幹
中:ツルウメモドキの赤い実で花材によく使われる
右:テンナンショウ属の赤い実があちこちに点在



【写真】御殿山

御殿山に着くとわ〜っと歓声が上がる。
ここで初めて障害物のない西南稜が現れる。

左:御殿山頂
中:御殿山から西南稜を望む
右:御殿山のカマツカ、結構甘かった


【写真】ワサビ峠


御殿山からは一端鞍部に下ってワサビ峠へ向かう。
このワサビ峠から中峠を経てコヤマノ岳、金糞岳、大橋へ行くことができる。



【写真】西南稜歩き


ワサビ峠からまた登り返し、手前のピーク(名前はない)に立ち、さらにその先にあるケルンのピークへ向かう。
風になびくススキが秋の気配を感じさせる。




【写真】ケルンのピーク

ケルンのピークに立つと武奈ケ岳の山頂が三角錐に見えてくる。
位置が変わると見え方も変わる。
小寒くなったので全員ウィンドブレーカーを重ね着して武奈ケ岳を目指す。



【写真】長い山頂部

ケルンから10分で山頂部に取り付く。。
山頂は横に長いので三角点のあるピークまでもう一歩きある。



【写真】山頂

山頂は人の賑わいで、記念写真を撮るにも順番待ち状態。
周囲は360度さえぎるものはなく、素晴らしい展望が広がる。
琵琶湖バレースキー場の山頂レストハウスが間近に見え、眼下には琵琶湖が広がりその先には伊吹山が聳える。
北には高島トレイルの山々が連なっている。
さすが比良山系随一の高さを誇るだけあり、展望を求めてたくさんの登山者がやってくるのも頷ける。
またどこの山へ行っても中高年の登山者が目立つのに対し、この武奈ケ岳は学生さんや20代の若い登山者が多いのに驚く。



【写真】西南尾根を歩いて下山

1時間ほど山頂で食事をし展望を満喫したら、再び西南稜を歩いて坊村へ下る。
御殿山までは伸びやかな山肌に広がる錦繍の紅葉を楽しみ、その先はテンポよく下って14時30分に地主神社に着いた。
ここちよい歩きで後ろ髪が引かれるコースだった。



(談)
武奈ケ岳の西南稜を一度は歩いてみたいと願っていたのが叶い、最高の登山日和となりました。紅葉の時期はもちろんのこと、残雪の時期も素晴らしいそうですよ〜(^o^)

コース紹介マップ
武奈ケ岳☆国土地理院地形図

<参考コースタイム>

◆ 登山形式:往復登山
歩行時間 約4時間45分(行程時間5時間45分)

登山口 レスキューポイント4 御殿山 ワサビ峠 武奈ケ岳 御殿山 レスキューポイント4 登山口
8:40 10:25 10:45 11:00 11:30-12:30 13:00 13:15 14:25


<見所>

  • ブナの林と紅葉、豊かな混生林
  • 西南稜の草原歩き


<注意点>

山頂および西南尾根はササやススキの草原状になっているのでガスが出ると迷いやすいので注意が必要です。

<アプローチ>

木ノ本インターから国道367号線(鯖街道)を南下し、坊村という集落にある「明王院」「地主神社」という指導標、または「比良山荘」の看板を目印に左折をすると「比良山荘」があり、その先数mで「地主神社」の鳥居の前に着きます。ここが登山口。
登山者用の駐車場は国道をはさんだ反対側の曙橋(安曇川にかかる橋)を渡った葛川市民センターにあります。
国道沿いにトイレ完備。


<下山後の入浴>
くつき温泉600円(月曜休み)
補足:石鹸、シャンプーあり。タオル持参のこと。


登山日記のメニューへ