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常念岳 2,857m 平成16年4月30日〜5月1日 晴れ | |||||||
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まえがき・・・常念岳は、北アルプスの山域のどこにいてもその姿を指差すことができるほど姿かたちがピラミダルだ。槍ヶ岳が天を突くように聳えているのに対し、常念岳は美しく誇らかに聳えている。3年前は三股から前常念〜常念〜蝶ガ岳と周回したが、今回は一ノ沢から雪渓登りを楽しんでみることに・・・ |
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![]() 日本アルプスのパイオニアとして知られる英国人宣教師W・ウエストンは、里から一段と際立って聳えている常念岳の美しさに感銘して、「常念岳がなければ北アルプスはまったく違ってみえたことだろう・・・」とベタボメしている。 |
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![]() 豊科インタ―を下りたら、そのまま西へまっすぐ走っていくと常念岳の登山口である一ノ沢(穂高町)に着く。 ガイドブックに紹介されていた大駐車場は林道の土砂崩れのため進入禁止となっていたので、やや広めの側道(他にも数台駐車してあった)にとめておく。 タクシー利用なら、登山届を出す登山指導所まで乗りいれてもらえる。 きれいなトイレもあるので、安心だ。 |
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![]() 登山届を出して、6時30分スタート。 小石や岩のごろごろした登山道に入る。 10分も歩くと最初のベンチに着く。 暑くなってきたので、ここで衣服の調整をする。 |
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![]() 一ノ沢の雪解けの激しい渓流音をずっと左手に聞きながら、シラビソやコメツガの樹林帯を抜けていく。 時々一ノ沢に出ると前常念岳が眺められる。 常念岳はまだ奥ゆかしく背後に隠れている。 |
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![]() 夏道は一ノ沢に沿って左岸につけられているが、雪山のこの時期は標高1900m地点で一ノ沢の右岸側に渡り(この地点から常念小屋の方が刺した赤棒が乗越まで続いている)、山肌をトラバース気味に歩いて常念乗越の基部に取り付く。 9時25分 間違っても前常念岳の直下を登っていかないこと。 ※もっとも赤棒があるので、直登する人はいないと思うが・・・ |
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![]() 雪は腐っていて、アイゼン・ピッケルを装着する必要はなかった。 忠実にトレースをたどり、キックステップの回数を減らして少しでも疲労度を低くする。 |
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![]() 写真でみるとなだらかそうに見えるが実際は結構な斜度があり、一気に登ろうとすると息が切れてくる。 ときどき、小休止しては一息入れる。 乗越の向こうには常念小屋があるというが、まだその姿はない。 |
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![]() 【常念乗越から槍ヶ岳をみる】 11時12分 乗越に到着すると、そこには感動渦巻く世界が待っていた! 息も絶え絶えに周りをグルッと見渡してみると、喜びのため息がでてくる。 |
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![]() 乗越からすぐ先に赤い屋根が見えるのが今宵の宿「常念小屋」である。 大正8年(1919年)に建ち、日本アルプスの中で最も古い小屋の中の一つに数えられていたが、その後改築されて現在に至っているという。まずは宿泊手続きを済ませ、身体の回復を待ってから常念岳に登ることにする。 |
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![]() 14時 常念岳へスタート 小屋からすぐ常念岳への取り付き道が始まる。 残雪のついた岩場のゴテゴテした道なので、アイゼン、ピッケルは不要だが、アイスバーンになっているところではストックが滑り止めになる。 前常念岳へのトラバース道と分け、8合目、9合目、山頂へとゆっくり登りつめていく。 1時間10分ほどで常念岳。 |
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山頂からのパノラマ構図はまさに「絶景」 ピークをひとつひとつ確かめながら、順ぐりに見渡していく。 すでに歩いた山域も、まだ未知の山域もたくさんあった。 山は尽きない・・・・まさにそんな感じだ。 |
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![]() 山頂で1時間ほど眺望を楽しんでから、また常念小屋に戻る。 標高を上げたり下げたりしたので少しむかつく。 軽い高山病だ。 食事時には正常に戻り、快適な一夜となった。 宿泊者数もまだ余裕があるほどだった。 |
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2日目![]() |
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![]() 8時5分 常念小屋スタート。 昨日登ってきた雪渓を今度は下っていくので楽チンだ。 斜度がきつい最初のうちは慎重にいくが、尻セード用に持ってきた小道具を途中から使ってみようということになる。 初挑戦で、ちょっとドキドキ。 |
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チリトリ器のようなこの小道具はれっきとした「尻セード用」に開発されたものである。 取っ手のついている方を前に持ち、丸い部分にお尻をのせて下っていく。 これがスピードが出る出る。 止まらなくてあせったあせった(^^;;;;A 一度は滑落か〜!という事態にまでなった。 滑っている内にコツが飲み込めてきて、止まりたい時は前のめりになり、加速したいときは上体を反らし気味にすればよい。 おかげで・・・というか、死なずに・・・というか、登り2時間かかった雪渓が30分で下ることができた(^-^)VVV |
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![]() 雪渓のあとは一ノ沢沿いに樹林帯を下っていくだけ。 一ノ沢に架かっていた雪のブリッジが、きょうは見事に崩れて跡形もない【前述の写真で紹介】 沢を石伝いに渡渉する。 滑るとびしょ濡れの運命が待っている。 行程も残り少なくなってくると、立ち止まって振り返っては常念の景観を名残り惜しんだ。 10時30分 登山指導所に帰着! |
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(談) 両日とも天気に恵まれ、最高の登山日和となりました。 帰りに、常念岳をフィールドとしていた高山蝶研究の一人者であった「田淵行男記念館」に立寄ってみました。春夏秋冬を通しての常念岳【常念坊】の表情が多く展示され、また違った印象をもつ山となりました。 |
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コース紹介マップはこちら 無雪期の常念〜蝶ガ岳はこちら |
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<参考コースタイム>
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