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焼岳(2455m) 平成15年5月25日 晴れ | |
まえがき・・・残雪の中、新中の湯口から焼岳山頂へ詰めていく素晴らしさは天下一品!登山口のブナ林から針葉樹林を抜けるとそこに待っているのは荒々しい焼岳の勇姿。コースタイムが短い上、眺望にすぐれ、とても静かなコースである。 |
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【写真】中の湯温泉の上にある登山口 岐阜市を3時に出発し、安房トンネルを抜け、中の湯温泉に5時半に到着。温泉からさきの車道はまだ通行止めになっていて、「5月31日から通行可能」とある。 路肩に車をとめて出発の準備をしていると、後続の2台が通行止めのフェンスを移動させて通過していくので、私たちも行くことにした。 ・・・ごめんなさいm(__)m・・・ 焼岳の登山口は、中の湯温泉から少し上がったところにある。先発隊が1台。準備をして6時にスタートする。 |
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【写真】芽吹きのブナ林 スタートからブナの原生林の中を行く。 芽吹きの黄みどり色が目にやさしく、ついつい足を止め深呼吸をする。 静かで、ここちよい・・・ お花は、イチリンソウ、ニリンソウ、ショウジョウバカマ、エンゴサク、ミヤマエンレイソウ、エンレイソウ、ムシカリが咲いていた。 マイズルソウ、ギンリョウソウ、ゴゼンタチバナがこれから夏に向けて続く。 |
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【写真】幻想的な針葉樹林に変わる 足元の雪が深くなってくると、樹木もシラビソ、コメツガなどの針葉樹林に変わる。雪解けを告げるステムフロー現象があちこちで始まっている。 林床や樹木の幹には苔が生えて、それが一層幻想的な雰囲気をかもしだし、森の中へ静かにいざなってくれる。 踏み跡と枝につけられたマーキングを目印に、森の奥へ・・・奥へ・・・と進んでいく。 |
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【写真】焼岳が姿を現す 樹間から陽が差しこんできたように辺りが明るくなると、一面はダケカンバの群生地に変わる。平らな展望地だ。 目の前に雪を抱いた焼岳が大きく聳え、「わぁ〜〜!」と仲間から歓声が飛び出す。 みんな、ザックを放り出し、奥穂〜前穂の吊尾根がよくみえる位置に走り寄る。 子どものように無邪気になれる瞬間だ! |
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【写真】沢の雪渓を登りつめる 30分程休憩をとって、感動の余韻を味わう。 沢の左側に見えている夏道には、緑の植生が残雪に映えて青々と光り輝いている。 「さぁ〜、最後の雪渓だ」 この時期は夏道を通らず、雪渓を頂上直下まで詰めていく。 雪質は固くもなく、腐ってもいない。 アイゼンはつけず、ピッケルだけで安全確保をする。 |
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【写真】やがて頂上直下の鞍部が・・・ 傾斜がきつくなってくると、ジグザグに靴のエッジをきかせて登る。 息が切れてくるが、時折後続の仲間を振り返っては励ましのエールを送り、そしてまた黙々と登る。 やがて、噴煙の煙と荒々しい岩場が視界に・・・ |
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【写真】 コバルトブルーの火口湖 立入り禁止の南峰直下の鞍部に立つと、コバルトブルーの火口湖が眼下に見える。 美しい藍色の水をたたえている。 これを見たさに今年もやってきたのだ。 |
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【写真】北峰の山頂を仰ぐ イオウの臭いに息を止めて、北峰山頂を仰ぐと人影が見える。 先達者のようだ。 岩場を巻いて、上高地あるいは中尾温泉から上がってくるコースと出合い、最後のもろい岩場を慎重に登って焼岳山頂に立つ。 9時5分:焼岳山頂 |
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【写真】焼岳山頂 山頂部は平らでまずまずの広さだ。 岐阜県最高峰の笠ガ岳から、弓折〜樅沢から槍ヶ岳につづく西鎌尾根、槍から穂高〜前穂、明神まで全部丸見え! そして、乗鞍岳がやさしくこちらを見ている。 う〜〜〜ん、最高だぁ ♪(^-^)♪ 4人揃ったところで、記念撮影。 みんなほくほく顔o(^-^)o |
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【写真】今でも立入り禁止の南峰(遠方は乗鞍岳) 最近、焼岳の南峰に登った人がいる、と聞いたが南峰はまだ立入り禁止。 間違っても入ってはいけない。 山頂の風は思ったより強く、長居はできなかったので、一旦分岐まで下りて、そこでお昼にする。 仲間持参の網で、ちくわを焼いてもらい、しょうゆを回してさらに焼くとこれがまた絶品!ビールにとてもよく合う。 おなかが一杯になったところで、東峰に登ってみる。 こちらも梓川と帝国ホテルが俯瞰できて、大満足。 上高地や中尾温泉から上がってくる一団が視界に入り、よくよく見ていると、こちら側から上がってくるほうがどうもキツそうだ。 頂上直下の鞍部に上がる最後の残雪帯の傾斜がかなりのものだし、下手すると滑落停止の練習にならないとも限らない。 しかし、総じてこちら側から登ってくる登山者が多いのは、新中の湯コースの素晴らしさを知らないのか、あるいはアクセスが悪いのか、そのどちらかだろう。 残念なことだ・・・ |
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【写真】ブナの木漏れ日 2時間も山頂部でのんびりし、11時15分に下山を開始する。 雪渓の下りは、みんな先を争うように靴スキーで下りる。 私以外の三人はスキーが得意?なので、一様に楽しんでいるようだ。 平らな休憩ポイントまで下りたところで、行きがけにみつけた巨大なキノコを仲間がオブジェにするというので収拾していく。 私が4人の中で一番荷物が軽いという理由で一つ持つハメに・・・ かなり重い(~~; |
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【写真】穂高の吊尾根(駐車場から) 樹林帯を抜け、ブナ林を抜け、巨大キノコを入れた袋をぶら下げた登山者は、後ろ髪引かれる思いで見えもせぬ焼岳を振り返りながら駐車場へ戻る。 最後のプレゼントに、奥穂〜前穂の吊尾根がうっすらと姿を現してくれた。 早朝は拝めなかった光景だ。 |
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左から・・・笠ガ岳〜抜戸〜弓折〜樅沢〜槍〜奥穂〜前穂&西穂まで(焼岳から) |
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(談) 何度歩いても静かで素晴らしいコースです。特にブナの芽吹きと残雪があるこの時期がお勧め!(^o^) |
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コース紹介マップはこちら |
<参考コースタイム>
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