登山日記
登山日記のメニューへ

■八ヶ岳(横岳2829m、硫黄岳2760m) 平成14年5月5・6日晴れ
行者小屋【写真】 前日からの雨で行者小屋からはガスで何も見えない

GW前半に引き続き、今回は八ヶ岳の横岳〜硫黄岳に登る為に岐阜市を3時に出発、美濃戸に6時に着く。小雨の中、身支度をして6時半に出発。天気予報では晴れてくることになっている筈だが、行者小屋前では写真のとおり、ガスで何も見えない。ほとんどの登山者が「停滞」と言っていたのを尻目に横岳目指して地蔵尾根を稜線まで一気に上がる。
この時期の美濃戸(南沢)〜行者小屋〜地蔵尾根までのコース案内はこちらをご覧ください。

 

横岳とりつき【写真】横岳へのとりつき(地蔵ノ頭から)

天気予報が的中し、10時頃からガスが切れ始め、絶好の横岳岩壁巡りとなった!

コース上、一番神経を払う山である。左手はすっぱり切れ落ち、まともに風の影響を受ける。
地蔵ノ頭からは、最初のピーク「二十三夜峰」にとりつく。

 

鉄階段を上がる【写真】いきなり鉄階段

最初の鉄階段を登るが、横岳主峰・奥の院に出るまで、岩場と鉄階段、クサリの連続をこなしていく。






二十三夜峰【写真】二十三夜峰の尖った岩峰

2.5mほどの尖った二十三夜峰を左上に見ながら通過する。






【写真】日ノ岳の一枚岩のクサリ場

しばらくなだらかな稜線を歩き、今度は日ノ岳に取り付く。
佐久側のルンゼ上の一枚岩を、クサリをたよりによじ登って、稜線に出る。





【写真】石尊峰への登り

登山道を鉾岳の諏訪側に回り込んで慎重にトラバースして通過し、石尊峰への登りを頑張る。鞍部には大権現石碑が安置してある。
一旦下り、三叉峰で右手に杣添尾根への分岐を見ながら大権現に向かう。


横岳の奥の院【写真】 横岳の主峰となる奥の院

大権現(横岳の最高点)を佐久側に巻いて稜線に戻ると目の前には奥の院(横岳の主峰となる岩峰)と登山者の姿が見えてくる。



横岳山頂【写真】 横岳からは後方赤岳が目の前に・・・

横岳の主峰・奥の院に到着!狭いながらも眺望は素晴らしい。腰を落とすスペースもある。
ちょうど同時刻に蓼科山に登頂している山友(麗人2人)に心の中で「ヤッホー!!」と叫んでみる。北と南で対峙しているピークからお互いの安全を祈りながら想いを寄せるのも山の醍醐味といったところか(^-^V

やせ尾根歩き【写真】 最大の難所カニのヨコバイ。やせた岩稜には鎖がかけてある

横岳から先は、最後の鎖場が最大の難所でカニのヨコバイといわれるところ。が、慎重に渡れば左程恐くはない。
足元はすっぽり切れ落ちているが、慎重に佐久側を巻いてから、稜線に出る。




硫黄岳山荘【写真】宿泊先の硫黄岳山荘

硫黄岳山荘の建つ大ダルミまでは、なだらかな砂礫道を下っていく。諏訪側の斜面にはコマクサの群落もある。
山荘の玄関前だけまだ雪がかなり残っていた。玄関からすぐ先は一面のお花畑。
1時半に到着した為、宿泊者は私一人。もっとも夕方になっても8人の宿泊者だけで、ほとんど貸切状態。
コタツに入って、みんなでワイワイガヤガヤの楽しい一夜となった。

キバナシャクナゲ【写真】 天然記念物の八重キバナシャクナゲ

硫黄岳山荘付近一帯は高山植物特別保護区になっていて、八重キバナシャクナゲ(写真)、コマクサ(ピンクと白)をはじめ数多くの花が保護されており、登山者の目を楽しませてくれる。

見頃は6月中旬〜がいいそうです。

二日目
硫黄岳への登り【写真】 硫黄岳への登り

翌朝は夜明けとともに晴れ渡り、雲一つない快晴となった。硫黄岳山荘に別れを告げ、硫黄岳へのゆるやかな稜線を登っていく。
荒々しい爆裂火口と平坦な山頂が対照的でおもしろい硫黄岳へは7つのケルンを数えながら20分程で到着する。


硫黄岳山頂【写真】 硫黄岳山頂

山頂からの眺めは天下一品!
本州中部の山で2000m級の山で見えないものはない!
といっても過言ではない。
登山者もまばら。1時間程ゆっくり眺望を楽しんでから赤岳鉱泉まで下る。腐った雪道の樹林帯歩きで2〜3度手をつく始末。とはいえ、ピッケル&アイゼンを装着するまでもなかったのでゆっくり足元を確かめながら下った。

横岳【写真】 赤岳鉱泉から横岳を見上げる

赤岳鉱泉では、見晴らしのよいベンチで赤岳と横岳を眺めながら早めの昼食をとる。
鉱泉からの下りは大小7カ所の丸木橋を渡り、北沢沿いに右岸、左岸を繰り返す。
道中振り返ると、横岳が見送ってくれている。また北沢の冷たい水で顔を洗ったり、歯を磨いたりするのもよし。

美濃戸山荘【写真】 美濃戸山荘

1時間も下ると、大きな堰堤に出て登山道はここで終了。後は林道歩きが30分ほど残されているだけ。
美濃戸山荘で、お駄賃に冷たい高原牛乳をいただく。
これがまた、甘くて濃くて本当においしいのだ(^-^)
一度ご賞味あれ。

(談)
6月の第1日曜は開山祭で、八ヶ岳の山小屋ならどこでも前泊者にはご馳走がでるそうです(^_-)--☆
八ヶ岳の概念図

横岳、硫黄岳から見える眺望の一例
硫黄岳 天狗岳の双耳峰
台地上に広がった硫黄岳はバクレツ火口で有名。
なお、この一帯は高山植物の保護区になっている。
双耳峰を持つ天狗岳(三角点は左の西天狗岳)
さらに左奥は富士山風の蓼科山

八ヶ岳主稜線
硫黄岳から眺める赤岳から南へ走る主稜線

<参考コースタイム>

○一日目
美濃戸山荘(2時間)行者小屋(1時間15分)地蔵ノ頭(1時間20分)横岳(30分)硫黄岳山荘

○二日目
硫黄岳山荘(20分)硫黄岳(1時間)赤岳鉱泉(50分)北沢登山口の堰堤(30分)美濃戸山荘

一日目の歩行時間 5時間5分
二日目の歩行時間 2時間40分

◆登山形式:周回登山(単独)

<見所>

主峰赤岳〜横岳〜硫黄岳の稜線は八ヶ岳の主稜線をなすもので、眺望は約束され、岩場・鉄階段・クサリ場のバリエーションが楽しい!
横岳から硫黄岳山荘にかけては、高山植物保護地区にもなっているほどで、6〜7月に訪れるとよい。

<注意点>

GWの前半と後半では、たった1週間のことで雪の状態が変わっており、その年にもよるがアイゼンとピッケルが必要かどうかは事前に山小屋などにたずねておくとよい。ストックは残雪のある時期には重宝する。

<アプローチ>

岐阜市からは、中央高速を利用し「諏訪南インター」で下りる。料金所を左に折れたらまっすぐ原村を通過して484号線(八ヶ岳鉢巻道路)にぶつかったら左折。美濃戸高原別荘地を通り抜けたところが美濃戸口。そこにも駐車場はあるが、さらにその奥の赤岳山荘、やまのこ村にも駐車できる。早いもの順なので、満車の場合は美濃戸口まで戻ることになる。

<山小屋情報>

硫黄岳山荘:収容300人、個室あり。
開設期間:4月25日〜11月下旬、年末年始
標高2673mの大ダルミに建つこの山小屋からは、正面に浅間山を遠望する。
小屋主は八ヶ岳の花博士といわれる浦野栄作氏。
毎年7月の第2土・日は「コマクサ祭り」が開かれる。

<下山後の入浴>

美濃戸高原別荘地からもときた道484号線をまっすぐ富士見高原に15分ほど車を走らせると左手に富士見高原ゴルフ場が見えてくるが、その角に日帰り温泉「鹿の湯」がある。
泉質:不明
効能:打ち身、くじき、筋肉痛、関節痛、疲労回復
入湯料:500円
営業時間:10〜21時、
補足:石鹸、シャンプーあり。タオル持参のこと


登山日記のメニューへ