登山日記
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■八ヶ岳(赤岳:2899m) 平成14年4月27・28日(土/日)晴れ
八ヶ岳登山口【写真】 美濃戸山荘前の北沢と南沢への登山口

岐阜市を3時に出発、諏訪南インターから原村を通って美濃戸高原別荘地に向かう。
美濃戸口バス停からすぐ先の分岐点を左に折れ、赤岳山荘まで林道を走っていく。7時に到着。駐車場はがら空きで、赤岳山荘で2日分2000円を払い、準備をする。
美濃戸口におくと駐車料金は1日500円だが、林道歩きが約1時間かかる。
駐車場から林道をすすみ美濃戸山荘を過ぎるとすぐに行者小屋方面の南沢と赤岳鉱泉方面の北沢に分かれる登山口に着く。今回は、南沢〜行者小屋〜中岳沢〜阿弥陀岳〜中岳〜赤岳〜天望荘の予定だったが…。前方に阿弥陀岳が大きく聳えている。

 

しらびその原始林の中を歩く【写真】しらびその苔むした針葉樹林の中を歩く

堰堤を越え丸木橋を左岸に渡ると、しばらくは苔むしたシラビソ林の中を縫って歩く。二つ目の堰堤を左に見てから丸木橋を右岸に渡り、苔むす美しい流れを見ながら山腹を高巻くように登る。この辺りからダケカンバが混じるようになる。
再び沢の中を渡り、数回沢を渡り返すと、やがて沢が涸れてきて樹林の開けた白河原に出る。

 

ヘリポート発着場から赤岳が見える【写真】白河原から赤岳が大きく見える

まだ雪が相当残っているこの白河原はヘリポートの発着場にもなっており、「テントを張らないように!」という注意書きが立っているほど広い。
正面に横岳の大同心が聳え、左手に大きく回りこむと、今度は赤岳が見えてくる。


行者小屋から仰ぐ横岳【写真】行者小屋から仰ぐ横岳の大同心、小同心

白河原からしばらく雪の樹林帯をいくとまもなく標高2400mに建つ行者小屋に着く。
小屋の前にはベンチがいくつかあり、右手のテント場は花盛り。ベンチで熱いお茶をいただきながら、南八ヶ岳の主稜線である横岳〜赤岳〜阿弥陀岳と続くピークや大障壁をじっくりと眺める。こういう時間が一番幸せだと感じる♪v(⌒o⌒)v♪今宵お世話になる赤岳天望荘も稜線上に小さく見える。

鉄階段とりつき【写真】鉄階段から慎重な足運び

行者小屋で中岳沢、文三郎、地蔵尾根のコースの様子を尋ね、中岳沢は雪崩が心配だということで、一番安定している地蔵尾根から赤岳主稜線に出ることにする。
ベンチでアイゼンをつけ足元を固める。
行者小屋を左に回りこんですぐ右手のコースに入るが、雪が次第に深くなって足取りが重くなってくる。しばらくは樹林帯の中を縫うように標高をグングン上げていくと、最初の鉄階段が上部に見えてくる。階段の取り付きまで冬場用のロープが垂らしてあり、それにつかまって雪の急坂を一気に階段まで登る。

横岳を眺める【写真】荒々しい横岳への稜線

階段とクサリ場が交互に現れ、アイゼンをはずしたくてもところどころ雪が氷化している箇所もあり、なかなか取り外せない。まさに雪と岩のミックスルートである。
コース上、左手に横岳からの稜線が迫って見えてくる。


鉄階段と鎖場の連続【写真】鉄階段と鎖場の連続

地蔵尾根に近づいてくると上部は岩が脆く、そのほとんどにクサリがかけられている。残雪期の岩稜は、雪面の一定する冬場よりむしろ厳しいかもしれない。
地蔵ノ頭の直下まできたところで、ナイフリッジ状になった雪面の上を「どうか崩れませんように」と祈るように恐る恐る渡り、最後のクサリ場を越えてやっとの思いで地蔵ノ頭に出た。


地蔵の頭【写真】 地蔵ノ頭(右が赤岳、左が横岳)

尾根に出てしまえば、眺望は文句なし。
お地蔵さまに手を合わせ、今宵の宿「赤岳天望荘」に向かう。





赤岳天望荘【写真】 赤岳山頂直下の赤岳天望荘(標高2720m)

地蔵ノ頭から5分も歩いたら天望荘に着く。
受付を済ませ、熱いお茶をいただいてから主峰「赤岳」を目指す。天望荘の裏から取り付き、標高差180mの脆い岩稜の急登が始まる。岩の表面に小石がころがり、注意が必要だ。ところどころ雪面に足を取られ滑りやすくなっており、雪を避けて岩を這うように登る場面もあり。

赤岳山頂ヒュッテ【写真】 天体望遠鏡のある赤岳頂上小屋

岩稜を登り切ると赤岳頂上小屋の建つ頂稜に出る。そのすぐ南の先峰が三角点と祠のある赤岳である。

(余談)ここか、その下の天望荘に泊まるか迷ったが、少しでも標高の低いところにしたかったので天望荘にした(^^ゞ

赤岳【写真】 赤岳山頂

山頂からは、八ヶ岳の北〜南までの稜線が目の前に広がっている。りっぱな祠の建てられた山頂で、ひとりっきり(^-^)V
ゴールデンウィークの初日だからか、登山者も少ないようだ。そこへ、文三郎尾根から上がってきた単独の男性が現れたので記念写真を一枚頼む。

翌日は、中岳沢の雪崩が心配だったので、阿弥陀岳は次回の楽しみに残して昨日と同じ地蔵尾根を下って、美濃戸山荘まで一気に下山する。
八ヶ岳連峰の概念図はこちら

赤岳天望荘から見える眺望の一例
夜明け富士 赤岳〜阿弥陀岳
夜明け富士 八ヶ岳は平安朝の頃から修験道の山として隆盛を極めた

<参考コースタイム>

◆赤岳
○一日目
スタート:7時
山荘着:13時

美濃戸山荘(2時間30分)行者小屋(2時間)地蔵ノ頭(5分)赤岳天望荘(30分)赤岳(20分)赤岳天望荘

○二日目
山荘スタート:7時
駐車場帰着:12時

赤岳天望荘(5分)地蔵ノ頭(1時間30分)行者小屋(2時間)美濃戸山荘

一日目の歩行時間 5時間25分
二日目の歩行時間 3時間35分

◆登山形式:往復登山

<見所>

主峰赤岳を中心とした南八ヶ岳は、苔むす針葉樹林のしっとりとした景観と厳しい稜線の山岳風景がミックスして北アルプスとは違った魅力がたくさんある。赤岳山頂付近にも「キバナシャクナゲ」が自生しており、満開の時期には美しく咲き誇る。
また、主稜線に上がると富士山、北ア、中央ア、南ア、浅間山、金峰山、瑞牆山…東西南北見えないものはないというくらい眺望は素晴らしい!

<注意点>

ゴールデンウィークのこの時期はまだ残雪がかなり残っており、つぼ足やアイゼンでの登下降が必須なので、雪山の経験がないと厳しいものがある。また、アイゼン、ピッケルは必携、その他ウエアもセーターやフリースのほかに防水性の高い厚手のズボンにしたほうがよい!ズボンの下にストッキングを穿くのも一計。

<アプローチ>

岐阜市からは、中央高速を利用し「諏訪南インター」で下りる。料金所を左に折れたらまっすぐ原村を通過して484号線(八ヶ岳鉢巻道路)にぶつかったら左折。美濃戸高原別荘地を通り抜けたところが美濃戸口。そこにも駐車場はあるが、さらにその奥の赤岳山荘、やまのこ村にも駐車できる。早いもの順なので、満車の場合は美濃戸口まで戻ることになる。

<山小屋情報>

赤岳天望荘:収容300人、個室あり。
開設期間:4月25日〜11月下旬、年末年始
宿泊先の赤岳天望荘の夕食はバイキングであった!これは初めての経験でなかなかおいしかったし、食べたいものだけが選べるのでありがたかった(^-^)
また個室棟の談話室にはテレビ、こたつ、ストーブが置かれ、なんとも至れり尽くせりだった。

<下山後の入浴>

美濃戸高原別荘地からもときた道484号線をまっすぐ富士見高原に15分ほど車を走らせると左手に富士見高原ゴルフ場が見えてくるが、その角に日帰り温泉「鹿の湯」がある。
泉質:不明
効能:打ち身、くじき、筋肉痛、関節痛、疲労回復
入湯料:500円
営業時間:10〜21時、
補足:石鹸、シャンプーあり。タオル持参のこと


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