登山日記
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■乗鞍岳(3026m) 平成13年10月20日(土) 快晴
コース紹介MAP
マツムシソウ【写真】 咲き残りのマツムシソウ

乗鞍岳は、山を始めて一番最初に登頂した山である。何しろ畳平駐車場までマイカーで行けて、剣ガ峰まで1時間そこそこならビギナーが最初に目をつける山ということになる。
山ヤ40年というYさん曰く、「山というものは裾野から登ってこそ味わいがあるというもの。ロープウエーや頂上駐車場を利用した登山は本来の登山ではない」・・・うう〜ん(~_~メ)確かに一理ある。
それではということで、乗鞍岳を子の原高原から登ってみることにする。
子の原高原はすっかり秋色にお色直し。振り返れば御嶽山も紅葉前線が山裾に走っている。

奥千町が原【写真】 秋化粧の奥千町ガ原

登山口から清水の湧くポイントまで40分。そこから奥千町ガ原(標高2365m)までは約1時間である。
(奥千町ガ原までの詳しいコース紹介はこちら)
奥千町ガ原の池塘はすっかり黄金色に変わり、表面には氷が張っていた。
いつもながら独り占めできる静かな空間である。
単独の男性が撮影をしていたが、じきに乗鞍方面に向かった。静かな秘境に一人取り残された感じ。
ひとしきり美しい笠ガ岳を眺めてから、木道を乗鞍岳に向かう。

 

千町尾根【写真】 最初のコブ

奥千町ガ原からは、屏風岳、大日岳を仰ぎながら千町尾根のハイマツ原を歩く。
ゆるやかな登りが続き、最初のコブに出る。
大きな岩がいくつも立っていて眺望もよく、小休憩もできる。
西の方角には、山また山の重なりの中で一際高い白山の姿が美しい。

千町尾根【写真】 千町尾根を独り占めして歩く

途中、振り返ってみると、千町尾根がいかに長いかわかる。
周りに日差しを遮る樹木がないので、直射日光をまともに浴びる為、道中日焼け止めクリームを何回も塗り直す。
先に向かった男性登山者の姿が、はるか先の尾根上に見えた。


中洞権現【写真】 中洞権現(中間地点、後は屏風岳)

一旦下って、さらに2つ目のコブを登ったところが中洞権現。乗鞍岳までの中間点(残り2km)でもあり、阿多野口コース(アイミックスキャンプ場)からの合流点にもなっている。
阿多野口から登られた人によると、こちらのコースは途中で藪こぎを強いられるらしい。
広い中洞権現で、白山、御嶽山、木曽駒を眺めながら一息つくのも良し(^_^)

剣が峰【写真】 剣ガ峰

中洞権現からは、また下りと登りを繰り返し皿石原に出る。左に大きく大日岳が迫ってくるが、まだ剣ガ峰は見えない。
ここからは大きなガレ場を右にトラバース気味に登っていく。
大日岳の直下にきた際、印を見失って岩場を直登してしまった為、膝を少々痛める(;_;)
途中、滑落の危険を感じたので、直登をやめて右に回り込んだら、鋭い剣ガ峰が姿を現した。
そこでやっと本来の道に戻ったが、この間30分ほどのロスをする。

 

乗鞍岳頂上【写真】乗鞍岳最高峰の剣ガ峰

剣ガ峰の直下までくるとやっと人の姿が目に入り、ちょっぴりほっとする。
印をたよりに右へ回り込んで、頂上に立つ。
山頂には飛騨側と信州側で背中合わせで社が建っている。
飛騨側の本宮の軒先からはつららがぶら下り、建物全体には氷柱が張付いていた。
所々に2週間ほど早かった初雪の名残も見られた。

権現池【写真】権現池

山頂火口の権現池が眼下に望める。
池を囲んで、剣ガ峰、大日岳、屏風岳、薬師岳、雪山岳、水分(みくまり)岳、朝日岳、蚕玉(こだま)岳と見事な眺めである。

帰りは往路を戻るが、登山口に着いたのは夕暮れ時の5時であった。

(談)
お手軽登山から4年後に子の原高原から登りなおしてみて、改めて乗鞍岳の山塊の厚みと裾野に広がる豊かさを体感することができた。これは、畳平から登っただけではわからない。


7月の奥千町ガ原のお花たち


ワンポイントアドバイス

<参考コースタイム>

◆子の原高原口コース
林道歩き(30分)子の原口(1時間40分)奥千町ガ原(1時間10分)中洞権現(1時間30分)剣ガ峰(2時間)奥千町ガ原(1時間15分)子の原口(30分)林道歩き

歩行時間 8時間35分
行程時間 9時間30分

◆登山形式:往復登山(単独)

<見所>

千町尾根は360度遮るものがないため、白山、御嶽山、中央アルプス、笠ガ岳などを眺めながら歩くことができる。しかも、ほとんど人に出合わない静かなコース。

<注意点>

大日岳直下の大岩のマーキングがところどころ見にくいため、道を見失いやすい。
大日岳の稜線が見えるからといって直登しないように!!滑落の危険あり!
剣ガ峰まで右へ、右へと道をとること!
また、剣ガ峰の直下のマーキングも見にくいので下りでは注意が必要。

単独で、日帰りだと帰りの運転がかなりキツイ(・・;)ので、運転のできる仲間と一緒に行こう!

<アプローチ>

岐阜市からは、国道41号線を高山市に向かい、久々野町から87号線に入る。
途中、高山市方面から南下する361号線と合流する。
高根村に入るとじきに無印良品キャンプ場の大きな看板が見えてくる。
そこを左折すれば子の原高原に入る。
入山には、入山許可証か入山料が必要。


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