登山日記
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■奥千町ガ原(2365m) 平成13年7月8日(日) 晴れ

コース紹介MAP
子の原高原【写真】 子ノ原高原(標高1600m)

ガイドブックによると、乗鞍岳稜線上にある奥千町ガ原は池塘がいくつもあり神秘的で訪れる人も少ないとある。
前々から、一度この目で見たいものだと、梅雨の晴間に単独山行を思い立つ。
子ノ原高原は、マツムシソウやレンゲツツジで有名。
今は別荘地の分譲で開発の手が入り、入山するには無印良品キャンプ場の会員になるか、入山許可証を提示するか、ゲート(関所)で2000円(1人)払わないと入山できない。特に5月の山菜が採れる時期が一番監視が厳しい。(それ以外の月はそうでもない)
管理ゲートから車で10分程(約5.2km)登っていくと、大きな池に出る。
ここでは別荘地の人やキャンプ場を利用する人が釣りを楽しむことができる。
さらに池から東に行くとレストラン棟・売店(無印良品経営)もある。

 

登山口【写真】 子ノ原口(標高1800m)

池から少し先が車道の終点になる。車はここまでしか入れないので、脇に車を寄せ登山口まで林道を40分ほど歩く。(時には池の所のゲートにチェーンが掛けられている事もあるのでその場合は池から歩くことになる)
子ノ原高原は"白樺の森"がうたい文句なだけあり、林立する白樺の白と黄緑のコントラストが美しい。
林道の左右には、芝生の生けられたオートキャンプ場が何区画もあり、トイレや給排水のできるサニタリー棟が一定間隔で建てられ、施設の充実さをうかがわせる。
沿道には、ピンクのヒメサユリ、ムラサキのウツボグサが満開!まもなく、標高1800mの登山口に着く。

 

清水【写真】清水 (標高2000m)

樹林帯に入っていくと、いきなり身の丈ほどの笹とそれに張り巡らされた蜘蛛の巣との格闘を強いられる。
笹の枝で蜘蛛の巣を払いながら、こんなところで熊がでてきたら万事休すだなぁ〜などと頼りないことを考えながら黙々と歩く。
一時間程で、こんこんと水が湧き出ている清水に着く。
ここから千町ガ原まで一時間半という立て札を見て、ほっとする。

池塘群【写真】池塘群

清水からはシラビソ、コメツガの針葉樹林帯を抜け、途中倒木があったりするが標高差もさほどないので、比較的楽に登れる。
樹高が低くなった頃、池塘が点在する奥千町ガ原に出る。

この湿原には、木の橋が架けられており、移り変わりゆく季節の高山植物を楽しむことができる。
チングルマやワタスゲが終焉を迎え、変わりにコバイケイソウやニッコウキスゲが出番を待っていた。

避難小屋【写真】木道の先に避難小屋が・・・

緊急避難小屋はまだ新しく木の香りがし、引き戸を開けると5人のザックが置かれていた。
荷物を小屋に残し身軽に乗鞍岳登頂に出かけたのだろう。
一人でこの広大な湿原を独占するにはあまりにも贅沢であった。




木道【写真】静寂なひと時・・・

静かだ。

静かという言葉では何か物足りない。
静謐、しじま、静寂・・・神秘的でおごそか・・・
奥千町ガ原は、別の世界に足を踏み入れたような格別な空気を持っている。

ぼーっと時を過ごし、人声で現世に戻され、やっと腰を上げる。

■コース上で出合ったお花
ウツボグサ ササユリ ヤマオダマキ ベニバナイチヤクソウ ゴゼンタチバナ

■奥千町ガ原のお花畑
イワカガミ コバイケイソウ ワタスゲ チングルマ ミツバオウレン
奥千町ガ原から乗鞍岳へはこちら

ワンポイントアドバイス

<参考コースタイム>

◆奥千町ガ原(子ノ原口コース)
車止め(30分)登山口(50分)清水(60分)奥千町ガ原(1時間10分)登山口(30分)車止め

往き 2時間20分
下り 1時間40分

◆登山形式:往復登山(単独)
コース紹介MAP

<見所>

子ノ原高原の白樺の森が美しい。また、奥千町ガ原の池塘群は見もの!訪れる人も少なく静かな山行が楽しめる。奥千町ガ原から乗鞍岳の剣が峰までは約2時間半〜3時間程かかる。

<注意点>

子ノ原高原は管理区域なので無断で入山することはできない。
管理ゲートで入山料2000円(人)払うか、無印良品の南乗鞍岳キャンプ場の会員になれば、1000円(年間)で入山ができる。オートキャンプ場の利用はもちろんのこと、MTBのコースも整備されているし、夏休みには各種体験教室が開かれるので、子供連れにはおすすめの場所といえる。

無印良品キャンプ場情報  http://www.mujioutdoor.net/camp/index.html

<アプローチ>

岐阜市から行く場合、国道41号線を高山市に向かい、久々野町から87号線に入る。
途中、高山市方面から南下する361号線と合流する。
高根村に入るとじきに無印良品キャンプ場の大きな看板が見えてくる。そこを左折すれば子の原高原に入る。


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