登山日記
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■笠ガ岳(2897.5m) 平成13年7月20日・21日(金・土)晴れ
一日目(笠新道)
笠が岳【写真】 岐阜県最高峰の笠ガ岳

きょうは三連休の初日とあり、新穂高温泉はさぞかし登山者でいっぱいだろうと思いきや、果たしてバスターミナル横のトイレ前には長蛇の列ができていた。
鎌田川を渡り、有料の村営駐車場に車をとめ、7時半に出発する。
しばらく鎌田左俣林道を歩いていくと穴毛谷に出合う。
この林道は途中から、笠ガ岳への直登コースといわれる笠新道と双六岳・三俣蓮華岳方面、槍ケ岳西鎌尾根方面へ向かう小池新道に分かれる。
スタート時刻が遅かったせいか登山者も多い。
50分で笠新道と小池新道の分岐に到着。
飲み水が湧いている登山口のところで、プチトマトを洗って口に放り込む。

笠新道の登り【写真】 手を使って這い登る岩場もあり

いよいよ直登5時間40分(標高差1300m)と云われる笠新道に足を踏み入れる。
ブナ・ナラの原生林の中をゆっくりと進んでいく。
ムシカリ、ヒメサユリの高原植物を楽しみながら高度をグングン上げ、ふと振り返ると背中に穂高連峰が見える。
まだガスがかかっているがその姿は紛れもない槍・穂高の峰群と焼岳である。
ところどころ短いはしごが架けてあったりするが、登山道はすこぶる快適でゆっくり歩きながら3時間40分で杓子平に到着。

杓子平のカール【写真】 杓子平のカール

ここまできて初めて笠ガ岳の全容が目にできる。
右肩には、今夜泊まる予定の笠ガ岳山荘がポツンと建っているのが見える。
稜線までのいくつかの沢にはまだ雪渓が残っていた。今夜は小屋泊まりなので、気が急かなくていい。
ゆっくりと昼食を取ってから出発をする。



 

杓子平から稜線へ【写真】 緩やかなカールを歩く

杓子平からはお花畑のカールの中を歩いていく。
ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、チングルマ、イワカガミ…と枚挙に暇がない。
途中、旧来の道が廃道になっており、新しく道が作り直されコースが変っていた。
確かに杓子平からみた旧道にはまだ雪渓が残っており危険に満ちていた。
分岐からすぐ先の岩清水が豊富に流れている水場で、日焼けした腕を冷やし、試しに一口飲んでみると、その水の美味さに驚く!

 

稜線を歩く【写真】笠ガ岳を仰ぎながらの稜線歩き

楽チン登山もここまで。このあたりから稜線に出るまでかなりきつい急登が続く。
はぁはぁ息が切れる頃、稜線分岐に出る。
風がさわやかだ。槍が間近に迫って見える。
稜線から山荘までは抜戸岩を抜けて、笠ガ岳を仰ぎながら歩く。
左を見れば穂高連峰、右を見れば白山連峰など超一級の山々が聳え立っているのだから、垂涎のコースといっても言い過ぎではない。

テント場【写真】山荘直下のテント場(後は槍・穂高連峰)

ハイマツ帯を抜けると、ガラ場のテント場に着く。
すでに4時近いので、ここで夜を明かす人はテントを張るのに余念がない。
色とりどりの三角テントの合間をぬって、岩場を登りつめていくと、最後に雪渓を横切り、笠ガ岳山荘に到着する。




笠ガ岳への登り【写真】山頂への登り

収容人数の100人はとっくに超えているだろう。
先に受付だけ済ませ、ザックを部屋に上げてから笠ガ岳登頂に出かける。
山荘前のベンチは、日没を待ちながら酒を酌み交わす登山者でいっぱいであった。
望遠鏡の横になぜだか、ブランコが置いてあるのが不思議な感じがした。


笠ガ岳【写真】夕方5時半の笠ガ岳山頂

山荘からガラ場を10分程登れば、標高2897.5mの笠ガ岳に到着!
播隆上人が阿弥陀仏を奉納したとされるが今はない。
日没前のうっすら赤みがかった槍・穂高を眺めながら、きょう一日の山行を労った。
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槍・穂高連峰
夕暮れ時の槍・穂高連峰


■コース上で出合ったお花
ササユリ ベニバナイチゴ ハクサンシャクナゲ シナノキンバイ ハクサンフウロ
ハクサンイチゲ イワカガミ アオノツガザクラ タカネヤハズハハコ ミネズオウ
2日目(小池新道)のコース紹介とお花はこちら

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