登山日記
登山日記のメニューへ

 網走流氷〜知床スノーシューハイク 平成23年3月10〜13日 晴れ

まえがき・・・何年も前からオホーツクの流氷を一度は見てみたい思い、網走と知床まで一人旅をしてきました。
今年の流氷の訪れは例年(1月下旬)より遅く、2月中旬過ぎだったそうです。3月10日を過ぎても流氷がまだ接岸している光景を見られたのはとてもラッキーでした。

女満別空港からウトロ温泉行きの知床エアポートライナーに乗車して網走駅へ向かいます。実は空港に到着してすぐに網走駅行きの循環バスがあったのですが、レストランに入って昼食を食べていたので見逃してしまいました。幸先悪い(--;) 網走駅近くのホテルにチェックインを済ませてから、網走刑務所まで歩いて行きます。
網走川に架かる鏡橋を渡る時には日が落ち始めていました。出所したら誰もがこの鏡橋を渡らなければ俗世間に出られません。橋の上から川面に映った自分の姿を見て襟を正す、というお話があります。



翌日も晴天。道の駅で砕氷船「オーロラ号」に乗船します。朝9時30分に船着場から離れ、1時間の湾内巡りです。お目当てのオオワシ、オジロワシが果たして見られるか、ドキドキしてきました。
船の中は暖房がきいていてとても暖かいのですが、甲板に出ないとオオワシの写真は撮れません。寒いのを我慢して外に出ました。岸辺でオオハクチョウが群れで魚をとっています。



さあ、いよいよ出航です。
風を切って船はぐんぐん進みます。耳と鼻が切れそうに痛くなってきたのでたまらずネックウォーマーを引き上げました。オオセグロカモメが次から次へとエサを求めて船に近寄ってきます。
でもワシの姿は一向に見えません。
なかなか現れないオオワシを諦めかけていた頃、いました!流氷の上に黒い物体が!オオワシ?双眼鏡で確認してから、すばやくシャッターを切り続けました。動く船から思うように写真が撮れず、天然記念物のオオワシはぐんぐん離れていきます。



今度はオジロワシが2羽、遠く離れた灯台のふもとにいました。口ばしがまだ黒いのでどうやら幼鳥のよう。成鳥になると口ばしは黄色くなります。オオワシもオジロワシも流氷と共にやってきて流氷がなくなる頃北へ帰ります。(オジロワシの一部は北海道で繁殖) うまく写真が撮れたかどうか自信がないまま、オーロラ号は1時間の流氷巡りを終え、船着場へと戻ります。少し意気消沈ぎみで下船しましたが、どうやら証拠写真だけは撮れていたのでホッとしました(^-^)



午後から乗る列車「流氷ノロッコ号」の出発時間までまだ3時間ほどあったので、博物館「網走監獄」へ行くことにしました。 130年前、北海道開拓のために全国から集められた囚人たちがはいっていた放射状の監獄を見学します。牢屋の中は人がいないのにかつての暮らしのニオイと痕跡がかすかにありました。五感は正直です。



網走駅へ循環バスで戻ります。
待合室はすでに人でいっぱい。
13:57分発のレトロな列車「ノロッコ号」が駅に入ってきました。今シーズン最後となる運行です。これに乗り斜里駅まで1時間の旅を楽しみます。



早速車内に入り、指定の席に座りました。流氷を眺めながら座れるベンチです。隣は中国人グループでとても賑やかでした。
車内にはストーブがあって、売店で買ったスルメや干し魚を焼いて一杯やります。日本人はシャイなのか中国人が利用していました。私もシャイなので缶ビールとさきいかで我慢しました(笑)



斜里駅からは、ウトロまでバスに乗り換えます。前回に続いてまた知床の宿は「民宿ランタン」さん。オロンコ岩と流氷が見える部屋に案内されました。
部屋でくつろいでいると流氷の上を歩く人が現れました。どうやらナチュラリスト協会さんが主催している「流氷ウォーク」のようです。流氷の中に入っている人がいますが、専用スーツを着用しているので寒くないとか。



      
翌日はナチュラリスト協会さん主催の「フレペの滝スノーシューハイク」に参加しました。広島から来たというガイド歴5年のうら若い岡★さんに案内をしてもらいます。 これはメープルシロップの氷。食べるとほんのり甘い。エゾジカの食害にあったメープルの枝から滲み出した樹液が凍ったものです。もうこの時期に幹は水を吸い上げているのですね。




この大きな穴は日本最大のキツツキ「クマゲラ」が掘った穴です。とても大きいのでビックリしました。奥行きは浅いので営巣用ではないようです。 そのクマゲラが掘った穴にモモンガの糞がありました。木の根元にはトドマツの葉を食べた痕が落ちています。乱食いですね。もう少しきれいに食べればいいのに(^o^)




トドマツの凍裂。凍裂痕は、地上0.5mから3mの間に出現し、その割れの長さも3m以下のものがほとんど。一見、幹の表面部だけの割れ傷のように見えるけど、必ず髄のある中心部へ向かっています。
巨木の凍裂になると「パァーン!」という轟音とともに割れ、寒い日の冬の森にその炸裂音が響きわたるとか。ドラマ「北の国から」のシーンで何度かその炸裂音を聞くことができるそうです。ドラマ見てたけど知らなかったぁ〜
エゾジカは、エサとなる下草が雪の下なので樹皮を食べてひもじさをしのいでいます。
栄養の乏しい樹皮では食べても食べても身につきません。
どのエゾジカも痩せていて生気がなく(目がどんよりしている)、瀕死状態に見えました。
冬の厳しい自然界で命をつないでいくことは大変なことです。





フレペの滝までやってきました。
オホーツクの海には流氷が見えます。
フレペの滝は、別名「乙女の涙」と呼ばれ、湧き出た地下水が断崖絶壁から流れ落ちる珍しい滝。
湧水が凍って青く見えます。


知床連山の一つ、羅臼岳にガスがかかり、その美しい全容をカメラにおさめられなかったのが唯一の心残り(-_-)
次はまた羅臼岳に登りにやってこよう、と誓いました。
この写真は蝦夷富士とよばれる羊蹄山です。
帰りの飛行機の中から撮影しました。
北海道ってやっぱでかいなあ〜
機中で次の計画を目論んでいたのでした。おわり
   
   

登山日記のメニューへ