登山日記
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簗谷山(やなだにやま 1,213m) 平成23年11月20日 晴れ一時雨

まえがき・・・簗谷山(やなだにやま)に登るのは8年ぶり、下呂市金山町、郡上市明宝、和良町の境界にあり、金山町で一番高い山で、春にはアカヤシオ・シロヤシオが、秋には紅葉が楽しめる山として人気急上昇!


【写真】登山口

岐阜市の自宅を7時半に出発して、関ー金山線を走って簗谷山へ向かう。
岩屋ダム(ロックフィル式)を過ぎ金山湖に架かる馬瀬大橋を渡り、「金山の森」を過ぎてしばらく走ると、「簗谷山登山道」と書かれた案内板にぶつかる。左に道をとり、橋のたもとにはきれいな「バイオトイレ」がある。駐車場の仮設トイレはちょっと???なので、こちらのトイレがおすすめ。
林道の終点が登山口の駐車場で、7〜8台はとめられる。先着車が2台。
支度を整えて10時10分スタート。
登山口の案内板を確認してから、沢沿いに石段を登っていく。


【写真】紅葉の絨毯

石段の先には野鳥観察小屋が建っていて、紅葉の絨毯を敷いたように周囲は一面の錦色。
思わずしゃがみこんで落ち葉を拾う。



【写真】分岐

さくさくと音をたてながら進んでいくと周回コースの分岐に出合う。
まっすぐ進めば「ぶなの木コース2.3Km」、左にとれば「南尾根コース2.7Km」。
どちらをとっても大差はないが、8年前と同じようにぶなの木コースから登り、南尾根から下ってくることにする。


【写真】名札をつけた木が並ぶ

コース上には名札がつけられた木が順番に見られるので立ち止まっては仰ぎ見る。
イヌシデ、ケンポナシ、カナクギノキなど。
カナクギノキはクロモジと同じ仲間で3脈が目立ち、葉っぱをちぎって匂いを嗅ぐとよい香りがする。
ケンポナシは実が落ちていたので分かった。実の下の肥厚した花柄をかじってみると甘い。最後に少し渋みが残るが何回も霜が下りる頃にはこの渋みも薄らいでくる。後で樹木医のKさんに聞いたところ実に毛が多いのでケケンポナシだといわれた。岐阜県内で見られるものは近畿地方に多いこのケケンポナシばかりではないかということだった。
コンビニで売っているフラボノガムにもこのケンポナシ抽出物が成分として入っている。二日酔いに効くとか、飲酒後のアルコールの匂いを少しカットしてくれるとか・・・程度問題かな(笑)

この先進んでいくと、ミツデカエデ、ユクノキ、チドリノキ、イイギリ、キハダの名前も見られる。



【写真】ゆるやかな尾根道へ

この先で初めて沢を渡る場面に出あい、また少し歩いたら反対側へ渡りかえすのだが、昨日の雨で水量がかなり増えていたため、嫌な予感がして(予感は信じることにしている)、来た道を最初の渡渉点まで戻って沢を渡らずまっすぐ進むことにした。
落ち葉で踏み跡がうすく、本来のコースで案内板を見つけた時はホッとする。
やがて道は沢から離れ、斜面をトラバース気味に登って尾根道に出る。
笹の生い茂った歩きやすい道で、見晴らしのよい場所に出たら小休止して展望を楽しむのがよい。


【写真】簗谷山を遠望

ぶなの道では落葉した木々の間から簗谷山のピークが見える。



【写真】マルバノキの花が・・・

尾根道を歩いているとマルバノキの葉っぱが1枚残っているの見つける。
枝には星の形に似た赤い花が満開だった。
葉っぱが残っていなければ見過ごすほど小さな花で、2つの花が隣り合わせになって咲く。
マンサクの仲間で別名「ベニマンサク」ともいう。
マルバノキは分布域が限られていて、郡上市周辺では普通に見られるが他県では絶滅危惧種に指定されているところもあるほど珍しい木。花の少ない冬に花が咲くので近年園芸種としても人気がある。



【写真】山頂

「山頂へ500m」の標識あたりからやや急になり、じきに又ゆるやかになって南尾根コースとの分岐に出合う。
分岐から簗谷山はもう目の前。

11時50分:1214mの簗谷山。望遠鏡と山の方位盤がある。
山頂からは、遠く御嶽山やアルプスの山々が・・・の筈だが、きょうは遠望がきかず近場の山並みが眺められる程度。

先客の2組のグループが場所をあけてくれたので、ゆっくりと下呂周辺の山並みを味わう。
私の後から3組ほど登ってこられ、思い思いの場所で景色を楽しむ。
コーヒーを飲み終えた頃、雨がポツリポツリと降ってきたので急いで店じまい。


【写真】南尾根ルートへ

11月半ばにもなると、雨は一層身に堪える。
下りは南尾根コースをとる。こちらは歩きやすい笹道だ。
道中、幹の中心がぽっかりと空いてしまった木を見つける。
中に人が一人くらい入れそうだった。
この木はまだ生きているのかな?・・・幹を仰ぐと雨が顔に落ち、よく見えない。結局どうなんだろうと気にしながらも先を急ぐ。
岳美岩には寄り道せず、とうとう傘を差しながら歩くことに・・・



【写真】虹が・・・

小雨降る中、谷の向こうを見ると、光が差して大きな虹が出現!
写真ではそのダイナミックさが表現できないが、その美しさに感動してしばし棒立ち。
落ち葉の絨毯にも光が落ちてくると、木の影が写ってまるで絵画のようだ。


【写真】小鹿の涙

小鹿の涙」まで下ると、小学生の男の子を連れたファミリーが追い越していった。
山頂でコーヒーを飲んでいる時に後からきた家族だったが、あの男の子は登りで水嵩の多いあの沢を渡ってきたのだろうか?尋ねてみればよかったと後で後悔する。
 


水のない谷では、落ち葉の堰堤ができていて面白かった。
自然の造形物って芸術品だ〜

下りでもケンポナシの実を拾い、イイギリの落ち葉の匂いを嗅いだり、アサダやエンコウカエデの名札をつけた木を見たりして楽しんだ。






【写真】紅葉のシャワーを浴びながら

終盤は九十九折れに道を下って、最初の分岐に帰り着く。
雨もすっかり上がって、周囲の紅葉が一層鮮やかになった。
駐車場に13時20分に下り、まだ早いのに私の車が1台ポツンと残っていただけ。
みんな、雨に降られると紅葉を楽しむことなく、ひたすら下るんだろうな〜と拾ってきたケンポナシの袋を助手席に置くと甘い梨の香りが車中に広がった。


(談)
8年ぶりの簗谷山は、木の勉強ができる山でした。名札がなければ誰も振り向きもしない。
落ち葉の中から名札に該当する葉っぱを見つけるのがゲームのようで楽しかったです。
ブナの新緑の頃、ヤシオが満開の頃もお勧めとか・・・友人に聞きました。

☆コース紹介マップ
   

 
 

<参考コースタイム>

◆行程時間:行き1時間40分 帰り1時間20分(ゆっくりと観察しながら)
◆登山形式:周回登山

<見所>
山頂は展望が開け、雄大な御嶽山をはじめ乗鞍岳、恵那山、御前山、小秀山が望め、5月中頃には、南尾根コース上でアカ・シロヤシオが楽しめます。

<注意点>

  • ブナの木コース2.3Km、南尾根コース2.7Km、どちらを登り下りにとっても大差はありません。
  • 落葉の時期は道が分かりにくくなりますので慎重に。

<アプローチ>

岐阜市からは関ー金山線を利用し41号線に入り「ドライブイン飛山」を過ぎたらすぐ左折して256号線を走って郡上方面へ。間瀬川に沿って「岩屋ダム」方面へ向かいます。馬瀬大橋で「飛騨金山の森」と「美輝の里」との分岐で「飛騨金山の森」へ。あとは道なり。金山の森を過ぎてしばらく走ると「簗谷山登山道」と書かれたりっぱな案内板が立っています。橋を渡って簗谷林道を突きあたりまで走ると登山口。7〜8台駐車可。

<日帰り温泉>


道中の256号線沿いにあります。
飛騨金山温泉「ゆったり館」 大人480円 シャンプー&リンス付き


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