登山日記
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 銚子ケ峰(ちょうしがみね1,810m) 平成23年7月31日 曇り

まえがき・・・銚子ケ峰は郡上市の最高峰で、白山系の南端にある。石徹白(いとしろ)から白山を目指す本コースは、その昔白山信仰の信者でにぎわった道だ。登山口から420もの石段を登ると樹齢1800年の大杉が出迎えてくれる。


【写真】銚子ケ峰登山口

7時少し前に、石徹白(いとしろ)登山口の駐車場に到着する。
20台ほどの広い駐車場があり、水場、東屋、トイレの施設が整っている。
登山道も地元ボランティアの皆さんのお蔭で毎年最良な状態が維持されていると聞く。
7:10、立派な案内板から登り始め、420もの石段を登って行く。



【写真】いとしろ大杉


10分ほどで石段を登りきり、「いとしろ大杉」に到着する。
樹齢1800年の特別天然記念物だけあり圧倒される。
屋久島の縄文杉が発見される前までは日本最古の樹齢をもつ杉の木だったそうだ。
見る角度によってはすでに枯れ木のようにも見えるし、反対側に回り込むと青々とした枝をつけていて、同じ木だとは思えない。のちにこの大杉のかかりつけ医でもある樹木医のKさんに聞いたところ、70%は枯死しているが30%の組織はまだ生きているとのこと。人間の体では考えられないことだ。
他の樹木に着生されながらも力強く生き続けている大杉を前に、人の命のはかなさを思う。



【写真】癒しのブナ道

大杉を過ぎると気持ちのよいブナの道に変わる。
今年はブナの実のあたり年なのか、どの枝を見てもたわわに実をつけていた。
熊にとっては秋が待ち遠しいだろうな・・・


【写真】アカモノ、ツノハシバミ、ソウシシヨウニンジン

アカモノの赤い実が登山道に沿って鈴なりに続く。アカモノは甘くて酸味もありおいしい。
低木のツノハシバミは10月頃食べられる。
トチノキの葉っぱによく似たトチバニンジンは根茎が漢方薬に。日本原産の高麗人参の仲間だとか。
でもここのトチバニンジンは赤い実の先端が黒くなっているので、自然学校のNさんから相思子様人参(ソウシシヨウニンジン)だと後から教えてもらう。トチバニンジンとの違いは、果実の先端が黒くなることだけとのこと。ひとつの果実で赤と黒のツートンカラーだから目立つ。標高1000m以上でよく見かけるそうだが、実がつかないことには違いがわからない?(-_-)? 名前を呼ぶ時は「相思子・様・人参」つまり、相思子(ソウシシ)の様(よう)な人参(ニンジン)ということで「ソウシシ・ヨウ・ニンジン」と発音する。
※相思子とはトウアズキの生薬名で、中国ではトウアズキのことを相思豆と呼ぶ。この相思豆のツートンカラーに似ていることから名づけられた。



【写真】雨宿りの岩屋

あれこれ道くさばかり食っていてなかなか前に進まない。
やがてきつい登りの「おたけり坂」が始まり、息が上がってくる。
登りきると 「雨宿りの岩屋」に着く。どうみても雨宿りできそうにないが・・・


【写真】神鳩ノ宮避難小屋


道をさらに進んでいくとガスに煙る神鳩ノ宮避難小屋に到着する。
ベンチの前にはニッコウキスゲがまだ咲いていた。
小屋を利用する際の水場(往復6分)は小屋の前の土手を70mほど下っていく。



【写真】山頂へ向かう登山道にはオオバギボウシ、トリアシショウマなどが・・・

小屋からまた登山道を登っていくと次から次へと花が現れ、写真を撮りながら歩いているうちに樹林帯を抜けて広々とした笹原に出る。行く手に大きな「母御石」が見える。
 

【写真】母御石の上で

母御石の上に立ってみると笹原のど真ん中に立ったようで気持ちがいい!(写真は帰りに撮影したもの)



【写真】シモツケソウ咲く道

笹原を進んでいくと緑一面の中にシモツケソウのピンクが現れ、風景に花を添える。
最後はゆったりとした笹原の登りを進んでいくと銚子ヶ峰が見えてくる。


【写真】山頂で


10:20、登山口から3時間ほどで銚子ヶ峰に到着。
貸切の山頂で、お弁当を広げてランチタイム。一番楽しい時間だ。
食事も済ませて展望を楽しんでいたら2組ほどのグループが到着された。



【写真】別山へ続く稜線と三等三角点

一ノ峰〜三ノ峰(2128m)から別山(2399m)へと続く稜線は依然としてガスの中だ。
 
下の写真は8年前に銚子ケ峰から見えた別山方面の6月の展望(日記はこちら


 

【写真】下山したらスイカのご褒美

11:20、展望はあきらめて下山開始。
気持ちよい笹原を下って避難小屋に到着。
このあと天気が怪しくなってきたので急いで下山し大杉と再びご対面してから駐車場に帰着。
友人Kさんが今年初めて収穫したスイカが振舞われ、山後のデザートにみんな大満足(^。^)y-.。o○
締めくくりは「満天の湯」で汗を流し、極楽極楽(^-^)
 
 



オオコメツツジ

山頂直下の笹原を下ってくる時に見つけました。
コメツツジよりわずかに大形。
コメツツジは葉の主脈が目立つのに対し、こちらは三脈が目立つ。
 

   登山道で見かけたお花たち
   
   左からタマゴダケ、ノリウツギ、ツバメオモトの実、ギンリョウソウの枯れた姿、ノアザミ
   
   左からミヤマコウゾリナ、マルバダケブキ、ミヤマキンポウゲ、ヨツバヒヨドリ、シモツケソウ
他にもたくさん咲いていました。
【談】
石徹白登山口から銚子ヶ峰は日帰りで楽しめるコースです。危険箇所もなく、家族連れでも安心して登れます。

☆銚子ケ峰☆国土地理院地形図
  ☆コース紹介マップ 

<参考コースタイム>

◆行程時間:/6時間40分(休憩含む)

登山口 大杉 避難小屋 銚子ケ峰 避難小屋 大杉 登山口
7:10 7:20 9:10-20 10:20-11:20 12:15-25 13:30-40 13:50


<ポイント>
・登山道は整備されていて、大変歩きやすいです。
・避難小屋を利用される際は掃除をお忘れなく。

<アプローチ>
東海北陸自動車道・白鳥ICで降りてR156に入り、檜峠から上在所の白山中居(ちゅうきょ)神社の前を通過し、神社から石徹白川左岸を15分ほど辿ると駐車場に到着。20台ほど止められます。トイレ、東屋、水場完備。

<日帰り温泉>
満天の湯
入浴料800円 設備充実。


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