登山日記
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 霊仙山(1,096m) 平成23年5月4日 晴れ
霊仙山
まえがき・・・霊仙山は鈴鹿山系の北に位置し、日本百名山の伊吹山と南北に対峙している。花の山としても人気が高く訪れる人も多い。過去に3回ピークハントをしたことがあるが、今回は時計回りに周回をして春の霊仙山を満喫してみることにしたい。


【写真】榑ガ畑(くれがばた)登山口

JR醒ケ井駅から南に入る道をとり、醒ケ井養鱒場(さめがいようそんじょう)を目指す。
養鱒場から宗谷川沿いに林道を走り、廃村の榑ガ畑(くれがばた)へ向かう。
榑ガ畑登山口の駐車場は狭く、すでに満車だった。
通行の邪魔にならないよう林道脇にとめておく。
登山口にトイレはないので、JR醒ケ井駅で済ませておくか、あるいは登山口から10分ほど歩いた山小屋かなやを利用する。
8時にスタート。



【写真】山小屋かなや


最初の分岐で左の石段を登らずに谷に沿ってまっすぐ進む。
薄暗いヒノキ林の谷筋を歩いていくと、両サイドに苔むした石垣があり、廃村の名残りがあちらこちらに散在している。瓦のかけらや井戸の跡が物悲しい・・・
10分ほど歩くと緑色の建物が見えてくる。大阪府立今宮工高山岳部の「山の家」だ。
その隣に山小屋かなやが建っていて、渓流の水で冷やしたビールやジュースを無人販売している。


【写真】汗拭峠

山小屋からゆるやかに登っていくと2合目の汗拭峠に着く。
この分岐で、多賀町の落合から登ってくる道と合流する。
時計回りに周回をするので下りはこちらから戻ってくることになる。
まずは山頂を目指して左に折れる。



【写真】ヒトリシズカ、ナツトウダイ、ハシリドコロ

道中、春を代表するヒトリシズカが白い花をつけていた。
他にナツトウダイ、毒草のハシリドコロの群落も見られる。ハシリドコロは夏にはまったく姿を消してしまうのでまさに春を代表する植物で、最近山菜のハンゴンソウと間違えて道の駅で販売され大騒ぎとなった。
間違って食べると錯乱状態になって走り出すことからハシリドコロと名づけられ、特に毒性の強い根茎・根はロート根、ロートエキスといって薬として日本薬局方に収められ、鎮痛薬や目薬などに使われている。


【写真】見晴台

新緑の中を気持ちよく歩いていくとじきに見晴台に着く。
黄砂がなければ琵琶湖が一望できるのだが、きょうはまったく遠望がきかない(ざ〜んねん↓)



【写真】ニリンソウの群生地を抜けてお猿岩へ

見晴台から先はニリンソウの群生地が続く。
まだ花をつけていないが、満開時には豪華なお花畑が広がるだろう。
見晴台から25分程で展望が広がるお猿石に着く。先を急がずここで休憩していこう。

【写真】お虎ガ池


お猿石からは下刈りされた笹原のなだらかな道をゆくと琵琶湖の形をしたお虎ガ池につく。
池からは一旦下って、また笹原を登り返していくと一気に視界が開け、北霊仙山(経塚山)に着く。



【写真】経塚山1040mのピーク、避難小屋方面

北霊仙山(経塚山)の真北に対峙する伊吹山は黄砂でぼ〜っとしている。
北東に派生する尾根上にポツンと避難小屋が建っているのが見える。


【写真】霊仙山1084m


北霊仙(経塚山)から南西に広がるなだらかな山が霊仙山である。
山頂部までつけられたジグザグ道を登り、最高点への分岐をやり過ごしてピークに立つ。
二等三角点のある霊仙山は次から次へとやってくる登山者で賑わっていた。
空気が澄んでいれば白山、北アルプス、御嶽山、中央アルプス、南アルプス、そして近くの鈴鹿山脈、琵琶湖など360度パノラマ絶景が期待できるのだが・・・
 


【写真】最高点1096m

早めのランチを済ませてから最高点へ向かう。
ゆるやかに下って登り返すと10分で最高点に着く。
ここからは西南尾根を歩いて今畑登山口へ向かう。

 
【写真】オニシバリの花

最高点から少し歩いたところで黄緑色のジンチョウゲに似た花をつけた小低木を見かける。
調べたらオニシバリのようだ。名前の由来は樹皮が丈夫で鬼をも縛れるからだそうだ。
夏には葉を落葉させるのでナツボウズという別名もある。雌雄異株で写真の花は雄花。



【写真】長大な西南尾根


西南に伸びる長大な尾根歩きは、風が心地よく、時期的に気持ちよく歩けるのでこの5月は超お勧め!


【写真】ミヤマカタバミ、フクジュソウ、アマナ


尾根上にはミヤマカタバミやフクジュソウがまだたくさん咲いていた。
今年は残雪が多くて開花が遅れたようだ。アマナの白い花もかわいらしい。
コバイケソウの群落もあるが花の時期はまだ先だ。



【写真】近江展望台

最後の展望地「近江展望台」から急坂を一気に下る。
膝が痛くなるほどでこれを登りにとるのは本当につらいと思う。
登ってくる人は休み休みだったので時計回りにしたのは正解だった。


【写真】今畑登山口

笹峠を過ぎてからまだ蕾のかたいヤマシャクに出あい、ブナの新緑に癒されながら今畑登山口に下りる。
登山口には登山者?の車が置いてあった。



【写真】落合から汗拭峠へ戻る

登山口を右に折れて川沿いに落合集落まで車道を歩く。
落合登山口からまた山道に入り、汗拭峠を目指す。


【写真】汗拭峠へ

登山道沿いの沢音が気持ちよく、終盤の登りも気にならない。
汗拭峠に着いたら、ここからは往きに来た道を戻る。
   
 
【写真】山小屋→榑ガ畑登山口へ

山小屋かなやを素通りし、登山口へ着いたら朝よりも車の台数がさらに増えていて林道の先まで続いていたので、この山の人気振りに改めて感心したのだった。


【談】

ひさびさに南西尾根を右回りに周回しました。
心新たにして登ってみると霊仙山ってこんなにいい山だったんだと改めて惚れ直しました。
何度でも気軽にきたい山の一つです。

☆米原観光協会のコース紹介マップ
☆霊仙山☆国土地理院地形図

<参考コースタイム>

◆行程時間:/5時間20分(ランチ25分含む)

榑ガ畑 汗拭峠 お猿岩 北霊仙 霊仙山 最高点 近江展望台 今畑登山口  落合登山口  汗拭峠  榑ガ畑
8:00 8:20 9:15 9:50 10:05−10:30 10:40 11:20  12:30  12:40 13:05   13:20


<ポイント>
・各所からの展望よし
・コース上にはニリンソウのまとまったお花畑が広がり、その他に春の花が楽しめます
・西南尾根にはまだフクジュソウが見頃の群生地あり

<注意点>
・梅雨の時期はヒルが多いので入山に注意が必要です。

<アプローチ>
JR醒ケ井駅から南に入る道をとり、醒ケ井養鱒場(さめがいようそんじょう)を目指します。養鱒場から宗谷川沿いに林道を走り、登山口のある廃村の榑ガ畑(くれがばた)に車をとめます。駐車場は狭く、遅く着くと駐車できないので注意が必要です。
登山口にトイレはないのでJR醒ケ井駅で済ませておくことをお勧めします。

<日帰り温泉>
醒ヶ井駅周辺に日帰り温泉がないので池田温泉を利用しました。


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