登山日記
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仙丈岳(3,033m) 平成22年9月26日 晴れ
仙丈ケ岳

まえがき・・・深田久弥氏は日本百名山の中で「私の好みで、日本アルプスで好きな山は北で鹿島槍、南で仙丈である。何よりもその姿がよい。・・・・」と述べている。6年前に初めて仙丈の頂きに立った時、ガスで展望がなかったばかりか途中から雨にあい散々だったが、いかにもおおらかで重厚な山という印象だけは強く残った。それ以来もう一度この山の頂きに立ってみたいと願っていた。


【写真】北沢峠


先週の高妻山に続き、今回も車中泊をする。一週間も経つと車の中は底冷えがする。寒くて夜中に何度も目が覚めた。
仙流荘から北沢峠行きの始発バスが6:05に出るので5時から列を作って並んでいる人が多かったが、利用者が多ければバスを次から次へと出すことがわかっていたので30分前から並んだ。
切符を買う人と列に並ぶ人と役割分担をしたほうが効率がよい。
片道1100円+ザック代200円=1300円の切符を往復買っておく。
次発のバスに乗り込み約50分の道のりを経て北沢峠に到着。
北沢峠はまだ秋の気配はなかった。


【写真】三合目

仙丈岳への登山口は、トイレの横からはじまる。
峠の標高が約2000mなので標高差約1000mを登ることになる。
登りはじめはシラビソやコメツガなどの針葉樹林帯につけられた道をいく。
二合目を過ぎ三合目で最初の休憩。
ゴミの持ち帰りを促す掲示が木に掛けられていたが、いまだにゴミを捨てていく人がいるんだなあ・・・と残念に思う。




【写真】大滝頭五合目

三合目からさらに登っていくと大滝頭・五合目に着く。
馬の背ヒュッテへの分岐でもある。
ここからの登りは今までよりきつく、周囲がハイマツに変わってやがて森林限界へ飛び出す。


【写真】大展望が広がる

途中振り返ると白砂の甲斐駒ケ岳や八ヶ岳、鳳凰三山のオベリスクが見え、足を止めて雄大な展望に浸る。



【写真】ハイマツを抜けると・・・


ハイマツの急な登りを抜けると小仙丈の頭が見え、周囲は一気に開ける。
ここからは気持ちのよい尾根歩きが始まる。


【写真】小仙丈岳で


通過点の小仙丈岳からは伸びやかな北岳〜間ノ岳の稜線が眺められる。
山頂表示を見て前回も?と思ったのは小仙丈岳に「ケ」が入っているのはなぜ?という疑問。
国土地理院の地図では「小仙丈ケ岳」や「仙丈ケ岳」となっているからだろうか?
道中の道しるべに「仙丈ケ岳」と「仙丈岳」が混在していてまぎらわしい。
個人的には深田氏が書いている「仙丈岳」に統一してほしいと願うのだが。



【写真】小仙丈沢カール


尾根を歩いていると前方にスプーンカットの小仙丈沢カールが見えてくる。
氷河時代の遺跡で南アルプス第一といわれている。


【写真】仙丈小屋への分岐


尾根上の岩場を少し下ると仙丈小屋への分岐に出合う。
前回は下りで仙丈小屋へ立ち寄ったが、今回はピストンなので素通りとなる。トイレを借りたい時は小屋まで下りよう。



【写真】仙丈岳へ


小屋への分岐からゆるやかな尾根を登っていくと山頂が間近に見えてくる。
ウラシマツツジの紅葉が山肌に映えて美しい。
この尾根歩きが仙丈岳のおおらかさと重厚さを余すことなく感じさせてくれるのだ。


【写真】仙丈岳で


北沢峠から3時間10分で仙丈岳に到着。
山頂はすでに一番バスの人たちで賑わっていた。
記念撮影をお願いして、あとはのんびりと周囲の展望に酔いしれた。
山頂は次から次へと登山者で溢れかえり、いつしか銀座状態となった。




【写真】足元が冬毛のライチョウ


山頂の近くでライチョウの親子に出会った。雌親がヒナを引きつれ採餌しているところだった。
南アルプスでは山域全体で約700羽生息しているといわれているがこの数字はどうも正確ではないらしい。
冬の到来までに幼鳥たちは親と同じくらいまでに成長し、やがて真っ白な冬羽になる頃には独り立ちするのだ。

【写真】パノラマ展望を見ながら下る

下りは同じ道をとり、パノラマ展望を存分に楽しみながらゆっくりと下りた。





こんな美しいひつじ雲を見るのは何年ぶりだろうか・・・。


(談)
仙丈岳は女性らしい山です。たおやかで優雅で、それでいて力強い。飽きの来ない素晴らしい山ですね。

★コース紹介マップ
★国土地理院地形図
濁河温泉コース上で出合ったお花たち

<参考コースタイム>

行程時間/6時間35分 歩行時間/登り3時間10分 下り2時間30分

北沢峠 五合目 小仙丈岳 仙丈岳 小仙丈岳 五合目 北沢峠
7:00 8:20 9:20 10:10-10:55 11:50 12:30 13:35


<見所>
・尾根上からのパノラマ展望

<アプローチ>

中央高速「伊那インター」で下り、高遠へ。桜で有名な高遠城址を通り抜けR152に入り、長谷村を通って南アルプス林道へ。戸台「仙流荘」の指導標が出てきてから5分程で「仙流荘」に着きます。ナビに「仙流荘」と設定すると楽です。

戸台口〜北沢峠の時刻表はこちら


<日帰り入浴>
戸台にある「仙流荘」
日帰り入浴:500円
シャンプー、石鹸あり
※駐車場のそばのバス停横にあるので下山後すぐ汗を流せます(^-^)


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