登山日記
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 奥丸山 2440m(新道コース)平成22年7月8日 晴れ
奥丸山
まえがき・・・奥丸山は新穂高温泉から槍ヶ岳へ登る途中の槍平からアタックできる山で、槍穂高〜笠ケ岳の展望が抜群の山。
5年ほど前に左俣林道から入る新道がつけられたという新聞記事を読んだことがあり、以来ずっと気になっていた。梅雨の晴れ間を狙ってきょうはベテランの先輩にその新道を案内してもらうことになった。



【写真】新穂高温泉口

先輩お二方と3時30分に美濃市のテニスコートで集合し、新穂高温泉の無料駐車場(深山荘のところ)に6時過ぎに到着する。
朝ごはんを食べてから新穂高登山指導センターで登山届を出し6時30分にスタートする。


【写真】左俣林道で(風穴、ベニバナイチヤクソウ、オオヤマレンゲ)


バスターミナルから蒲田川に架かる橋を渡り左俣林道に入る。
途中、風穴に差し掛かると足元を気持ちのよい涼風が駆け抜けていく。
林道脇にはベニバナイチヤクソウやオオヤマレンゲが白い花を咲かせていたので立ち止まって観察。
植林されたのか?自生なのかわからないけどオオヤマレンゲが離れた場所に2株あった。6年前の6月大峰山で自生しているのを何株か見たがその時はまだ蕾だった。



【写真】サイハイランの花と1枚の葉っぱ


さらに林道を進んでいくとピンクのランが群生していた。
花の名前がわからなかったが、帰宅してから調べたら「サイハイラン」だった。
武将が使う采配に立ち姿が似ているからだという。


【写真】わさび平小屋、ツルアジサイ、ミズキ

笠ケ岳(笠新道)の登山口を過ぎるとその先のわさび平小屋に着く。
まだシーズン前とあって閑散としていた。あさって10日(土)から営業開始だという。
小屋の周辺にはブナが多く、ブナに絡みついたツルアジサイが満開だった。
ミズキの花も今がちょうど見ごろだ。



【写真】雪崩によるデブリ

小屋で小休止したらまた林道を歩き始める。
しばらく歩くと林道の上に雪崩によるデブリがあって前に進めない。
仕方がないので上からぐるっと巻いて林道に下りた。
ちなみに帰りは下の沢づたいに林道まで上がった。こちらのほうが安全だった。


【写真】分岐で橋を渡る

今度はじゃりじゃりの道に変わり、鏡平方面の視界がよくなると分岐に出合う。
鏡平・双六方面(小池新道)はまっすぐ進むが奥丸山は右手にかかる橋を渡る。橋からの眺めがきれいだ。



【写真】奥丸山登山口

橋から廃道を5分も歩くと奥丸山入口の指導標が立っていた。
さらに歩いていくと「奥丸山」の登山口に着く。
木の枝に掛けられた案内板が目印だ。
下丸山の山腹につけられた細い道を歩いていく。


【写真】急登の連続

山腹から一旦下丸沢まで大きく下って渡渉したら今度は登り返す。
下丸山から離れてブナ林の中をジグザグに標高を上げていくと抜戸岳方面が少しずつ見えてくる。



【写真】稜線まであと1時間のポイント


ブナの林床はフワフワの腐葉土で歩きやすく、森の妖精のギンリョウソウが点在して群生していた。
ブナ林からオオシラビソ、コメツガの亜高山帯の樹相に変わると「稜線まで約1時間」とかかれた案内板があらわれる。来た道を振り返れば抜戸岳が大きく見えその左奥に笠ケ岳の頭も見え出し感動する。


【写真】可憐なお花たち

途中からブヨの大群が気になってきたので虫除けネットを帽子の上から被ったが、すでに遅し、額に刺されて痒くてたまらなくなった。
稜線に上がるまでにコイワカガミ、イチヨウラン、ゴゼンタチバナなどが咲いていた。



【写真】稜線からの絶景

案内板から1時間の登りで中崎尾根の稜線に立つ。
今度は穂高連峰の山並みが見えて思わず「わ〜〜っ」と歓声があがる。
西穂の稜線の先遠くに焼岳もぼんやりと見える。


【写真】山頂まで1時間、大キレット、槍の穂先

分岐から左に折れて稜線を歩いていくとやがて大キレットから槍の穂先まで見え出す。
左に笠方面、右に穂高方面と素晴らしい展望に首が左右忙しくなる。
2355mのピークを過ぎると一旦ゆるく下り、また登り返して2440mの奥丸山に到着する。
せまい山頂には三等三角点と山頂表示がある。
絶景かな、絶景かな\(◎o◎)/\(◎o◎)/\(◎o◎)/言う事なし

奥丸山山頂

<---槍をバックに笑顔の大先輩
北穂〜奥穂--->
<---中央に笠ケ岳
中央に双六岳--->

山頂周辺のお花たち


左からヒメイチゲ、ミヤマキスミレ(オオバキスミレの高山型)、ミツバオーレン


左からチングルマ、アオノツガザクラ、ツマトリソウ
他にニッコウキスゲ1輪、ミヤマダイコンソウ、マイズルソウなど確認

山頂からは360度のパノラマ展望が広がり、いくら眺めていても飽きることがない。
先輩お二方はカメラがご趣味で撮影会や作品展にもご出品されているほどの腕前なので撮影に余念がない。
一通り撮影が終わったら食事タイムにするが、コバエやブヨが集団で纏わり付いてくるので注意しないと一緒に虫まで食べてしまいかねない。
カラスの行水ならぬ「カラスの食事」をとって、しばしお昼ねタイム。
もちろん虫除けネットを被ったままだ。
山頂でのお昼寝は天国にいるみたいで気持ちいい〜(-_-)zzzzz
13時10分山頂を後にし、往路を戻る。
登山口に15時30分に到着し、林道のデブリをかわしてわさび平小屋に16時10分に着きおむすびを一つ食べてから17時45分駐車場へ帰り着いた。わさび平からの林道歩きはやはり辛かった(>_<)
わさび平の小屋人いわく、奥丸山の新道を歩く人はシーズン中でも少ないという。本日は誰とも出会わず私たち三人だけだった。もっとも平日だからか・・・

大先輩のOさん、膝に優しい案内ありがとうございましたm(__)m
おかげさまで翌日筋肉痛にならずにすみました(笑)


【談】この新道を歩く人は少ないと聞いていたので雪解け後は相当荒れているかも?と危惧していましたが、コースはしっかりしていて迷うところはありませんでした。案内板も適度な配置で安心できます。何よりも本コースの素晴らしい所は、標高を上げるにつれ周囲の山々が次第に姿を現してくるので期待感でワクワクしてくるところです。長丁場ですから展望が期待できる天候を選んでおでかけください。

コース紹介マップ
国土地理院地形図

<参考コースタイム>

◆登山形式:ピストン(全行程11時間25分/普通の歩き方)

・駐車場6時20分スタート 17時45分帰着
駐車場 わさび平小屋 奥丸山登山口 中崎尾根分岐 奥丸山 中崎尾根分岐 登山口 わさび平小屋 駐車場
6:20 8:05-8:15 8:50 10:45 12:00-13:10 14:10 15:30 16:10-16:25 17:45


<見所>

山頂からの360度のパノラマ展望。

<注意点>

例年はどうなのかわかりませんが、わさび平小屋から少し先の林道で雪崩によるデブリがあり直進できないので下の沢づたいに迂回します。
このコースは林道歩きが長いため全行程が長丁場になりますから登る時期を間違うと日の暮れが早かったりまた残雪があったりして時間がもっとかかる恐れがあります。
また夏場は水を多めに持参しましょう。1.5Lでは足りないくらいで最後は調整しながら帰って来ました。
下丸沢で水の補給ができますが、生水を避けたい方は多めに持参しましょう。

<アプローチ>

新穂高温泉の無料駐車場(深山荘があるところ)へ車をとめてバスターミナルまで歩きます。
登山届はバスターミナルにある新穂高登山指導センターのポストに出しておきます。下山届も忘れずに。

<下山後の入浴>

ひがくの湯(駐車場から2分ほど下った左側)源泉掛け流しの露天風呂が最高!
入湯料:700円
石鹸、シャンプーあり。タオル持参のこと


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