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三方崩山(2059m) 平成21年10月15日 晴れ | |
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まえがき・・・大白川から白山に登るたびに崩落の激しい三方崩山が気になってしょうがなかった。三方崩山は道中が長くまた登山者も少ないと聞いていたのでずっと気後れしていたが、今回K先生、Bさんが一緒に登ってくださることになり、快晴のきょう願いが叶うこととなった。 |
![]() 【写真】コンクリート階段の登山口(標高800m近く) 岐阜市を6時頃に出発し、御母衣ダムを過ぎて平瀬街道(現在のバイパス)にある大白川温泉「しらみずの湯」の入口を通過したらすぐ左手にある三方崩山登山口への林道を入る。(標識がある) 林道は狭く、砂防用の堰堤があるところまではどんな車でも上がれるが、その先から悪路になり四駆でないと林道終点までは上がれない。(上がれない車は途中にあるスペースにとめ置く) 幸いこちらはK先生の四駆だったので、林道終点の登山口までなんなく到着する。 登山口に5台ほど駐車できるが、平日なので誰もいない。 コンクリートの階段からスタートする。 右横に「山頂まで4.8km」という標識が立ててあり、左の壁には「登山道崩壊のため通行禁止」の案内がぶら下げてあるが、山頂まで問題なく行けるのはネットで確認済み。(自己責任で入山しましょう!) |
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![]() 【写真】ミズナラ林を歩く 階段を上がると足元の草(アカソやカメバヒキオコシなど)が道を両サイドから塞いでいる。 あまり登山者が入山しないのか踏みあとが頼りない。 しばらく進むと道は明瞭になってくる。 このあたりはミズナラの木が多く、足元にどんぐりがたくさん落ちていた。 30分も登るとブナの美しい森に入っていく。 |
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![]() 【写真】ブナ帯へ入っていく ホウノキが群生しているところでホウノキの実を拾った。赤い種が顔を出しているものもある。 さすが日本の樹木の中で一番大きな花と葉っぱをしているだけあり実もでかい。 ホウノキの花は5〜6月頃真っ白な大型の花を咲かせるが、高いところで咲くので下から見上げることしかできない。こうして実を拾ってみると、雌しべである花柱の大きさが分かる。 |
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![]() 【写真】頂上まで3.8Km地点 頂上まで3.8Km地点に着く。登山口からまだ1Km進んだだけだ。 その先にシダが生い茂った地面を掘り起こした跡があった。 K先生によると熊が地バチをとるために掘り起こした跡だとか。 熊の生息エリアに足を踏み入れているのを目の当たりにした思いで、緊張が走る。 歩いていると時々ケモノの臭いがしたりした。 |
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![]() 【写真】美しいブナ林 道はゆるやかに蛇行しながら登っていくと主尾根に出る。 このあたりは見事なブナの原生林で、歩いていると癒されて気分が爽快になる。 ブナ林の中にナナカマド、ヤマウルシ、ヤマモミジなどが真っ赤な色を添えている。 |
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![]() 【写真】四等三角点 ブナの巨木を過ぎると頂上まで2.8Kmの標識が現れ、その先に四等三角点がある。 周囲は樹林帯で見通しが悪い。 四等三角点は設置間隔が2.0km間隔なので、周囲2.0kmの範囲に別の三角点があるということだ。 |
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![]() 【写真】 トラロープが延々と続く 三角点からは長く急な潅木のトンネルを直登していく。 K先生と今年古希を迎えられたBさんが黙々とこのきつい登りをこなしていかれる。 そのしっかりとした足運びは日頃から鍛えていないとできるものではない。 傾斜はさらにきつくなり、坂道の途中で休憩し息を整える。 |
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![]() 【写真】1624mの白ガレに着く 登山口から2時間30分かかってやっと稜線にたどり着く。 南側はスッパリ切れ落ち、白ガレ状態で植物も生えていない、現在も進行形のガレだ。下を覗き込むとゾッとする。 道はこの白ガレの上に沿ってつけられている。 |
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![]() 【写真】三方崩山 稜線から三方崩山がきれいに見える。 近そうに見えるがまだまだ遠い。 これからいくつものピーク越えが始まる。 |
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![]() 【写真】登山道に華を添える 白ガレ上部の道ではリンドウが群生して咲いていた。その近くにツルリンドウの赤い実を見つける。 足元をよく見ているとたくさんあるようだ。色・形・大きさがナツメの実に似ている。 |
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![]() 【写真】いくつものピーク越え 白ガレを過ぎると頂上まで1.8Km標識があり、その先に小高くなった最初のピークが見えてくる。 |
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![]() 【写真】1956mのピーク越え 1956mのピーク越えは足場が悪いのでロープや鎖がつけられている。 鎖やロープは100%安全ではないので使わないにこしたことはない。 |
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![]() 【写真】頂上まであと0.8Km 1956mのピークを越えると頂上まであと0.8Kmの標識に出合う。 山頂まで近づいたが、ここから先はやせ尾根の核心部になってくる。 |
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![]() 【写真】ガレた危険箇所の通過 本コース一番の危険箇所では岩峰の南側を巻いて鞍部に下りる。 鞍部から北側は白ガレ状態でこちらも現在進行形のようだ。 |
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![]() 【写真】三方崩山のピークへ ガレた鞍部から山頂までやせ尾根をいくが、登山道の幅が狭く東斜面が切れ落ちているところへ笹が生い茂っているので油断して笹に足を置いたりすると転落する危険がある。 ここは気を引き締めて通過したいポイントだ。 ストックは切れ落ちた笹側に持たず、必ず山の斜面側に持ちかえること。(ダブルストックの場合、笹側は使わない) 左:山頂までのやせ尾根 中:山頂直前の樹林帯 右:せまい山頂 |
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![]() 【写真】三方崩山 13時にやっと山頂に到着! 登山口から実に5時間近くかかって登ってきたことになるので達成感・満足感もひとしおだ! 山頂からの眺めは、西に奥三方岳と白山が少し頭を覗かせている程度。 東は、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスや冠雪の立山方面などが望める。(山頂に着いた時にはこれらの山はガスで隠れてしまった)。 北は大笠山や笈ケ岳、南には御母衣湖など雄大な展望が広がる。 左:三方崩山の山頂表示 中:奥三方岳と白山がちょびっと 右:御母衣湖 |
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![]() 【写真】きた道を振り返る 歩いてきた稜線を眺めると、その長大な尾根道に唖然とする。 写真に入りきらないだけで、最初に立った白ガレはまだまだその先にあるのだ。 山頂でゆっくりしていると途中で暗くなってしまうので、30分そこそこで三人全員がザックをかつぐ。 |
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![]() 【写真】やせ尾根の通過 下りは行きと同じくやせ尾根の通過からはじまる。 危険箇所は慎重にこなし、いくつものピーク越えをして下っていく。 標高1000m近くまで下りてきた紅葉をカメラに収めながら、たっぷりと最後の稜線歩きを楽しんだ。 ブナ帯まで下ってくると全員が膝に痛みをおぼえ、この山のきつさを改めて認識したのだった。 16時30分 膝と格闘しながら暗くなる前に登山口に着く。 全員がほっと一安心。道中の無事を喜び合った。 締めくくりとして、道の駅「飛騨白山」併設の「しらみずの湯」で汗を流し、疲れを癒してから帰途に着いた。 |
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(談) Bさん、あっぱれ!完登おめでとうございます!! 傾斜のきつい登りが延々と続く山は、日頃山登りをしている者でも悲鳴を上げます。 またご同行いただいたK先生、道中では楽しいお話ありがとうございました!o(^o^)o |
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☆コース紹介マップ ☆三方崩山☆国土地理院地形図 |
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<参考コースタイム>
<アプローチ> <下山後の入浴> |
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