登山日記
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至仏山(2,228m)&燧ケ岳(2,356m)
 平成19年10月13・14日 晴れ


一日目(至仏山〜尾瀬ヶ原)

まえがき・・・尾瀬と聞けば「夏がくればおもいだす はるかな尾瀬 遠い空・・・」と自然に歌詞がでてくるほど子供の頃からその名前になじんでいる。尾瀬は、今年“29番目の国立公園”として指定された我が国で最も新しい国立公園で、その尾瀬を真ん中に挟んで対峙しているのが至仏山と燧ケ岳だ。今回は至仏山を皮切りに尾瀬ヶ原、燧ケ岳、尾瀬沼と周回して、尾瀬の秋をたっぷりと楽しんでこようという計画だ。

尾瀬国立公園【写真】新しく国立公園として独立した尾瀬の看板

今回、羽島市の楽山会のグループに飛び入り参加させていただき、12人という賑やかな山行で尾瀬巡りを楽しむことになった。

早朝、戸倉の駐車場に車を置き、バスに乗り換えて標高1591mの鳩待峠に入る。
至仏山へ登るコースは2つあるが、小至仏山を先に踏んでいくコースをとり、尾瀬ヶ原へ下って燧ケ岳の登山口に建っている原の小屋までが今日の予定である。
6時30分 鳩待峠スタート

<補足>
尾瀬国立公園は、関東及び東北の4県にまたがる山岳地に位置し、日本最大の山岳湿原である尾瀬ヶ原、只見川の源流にあたる尾瀬沼の2盆地と、その周囲に位置する至仏山、東北以北では最高峰(標高2,356m)の燧ケ岳、会津駒ヶ岳、田代山・帝釈山などからなる、面積約37,000ヘクタールにおよぶ国立公園です


至仏山へ【写真】至仏山目指して

小至仏山まで、ナナカマド、ダケカンバ、オオシラビソの樹林帯を抜け、湿原の広がる展望地を抜けたら約2時間で小至仏山に着く。

小至仏山から至仏山へはカンラン岩の大岩や蛇紋岩からできた道を登っていくと45分程で到着。

9時20分 至仏山


【写真】至仏山頂から尾瀬ヶ原を俯瞰する

到着早々、山頂から俯瞰する尾瀬ヶ原はガスの中でがっかりしたが、10分も経たぬうちにガスが切れはじめて対峙する燧ケ岳の姿が浮き上がってきた。

ラッキー!ついてる!





【写真】ガスが切れて尾瀬ヶ原が開がる

下りは、山の鼻ビジターセンターまでカンラン岩の大岩からできた滑りやすい道を下りていく。
このコースは滑りやすいため、登山者が草付や潅木帯など滑りにくい道を選んで歩くため、道はたちまち広がり荒れてしまった。
その為、「このコースは下りで使わないように」という注意書きが山頂の下り口に立ててある。
が、日程上どうしてもこの道を下らないと無理が生じるため、ダブルストックを使って、道をはずさないよう慎重に下っていくことにした。



【写真】前方に燧け岳を見ながら歩く

滑りやすい道は1時間30分ほどで終わり、あとは山の鼻ビジターセンターまで黄金色に染まった草つきの木道を歩く。

目の前には厳父のような燧ケ岳が待っている。



【写真】至仏山

振り返れば女性のような優しい広がりをもつ至仏山が尾瀬ヶ原を見つめている。

11時30分 山の鼻ビジターセンター

1時間ほど休憩を取り、早朝からの疲れを癒す。


尾瀬ヶ原の点在する沼【写真】尾瀬ヶ原に点在する沼

山の鼻ビジターセンターからは、のびやかに広がる尾瀬ヶ原の湿原帯に敷かれた木道をゆく。

←思わず立ち止まってシャッターを押した光景。



【写真】ヒツジグサ

尾瀬ヶ原の湿原には小さな沼が点在する。
その沼のほとんどにヒツジグサが見られる。ヒツジグサは、オゼコウホネとともに尾瀬ヶ原を代表する水草で7〜8月に白い花を咲かせる。

(補足)
ヒツジグサとは「未草」で未の刻、つまり午後2時に咲くとされているが、実際には正午には咲いている。日本原産 スイレン科スイレン属

14時10分 原の小屋到着
この原の小屋は、トイレが洋式で入浴もできるので女性に人気が高い。
みんなで一日の労をねぎらい、ビールで乾杯する。



二日目(燧ケ岳〜尾瀬沼)

原の小屋【写真】お世話になった原の小屋(前日撮影)

翌朝、満天の星のもと、4時にスタートする。
まだ辺りは暗闇の中だ。

ヘッドランプのライトだけをたよりに、登山道をはずさないよう燧ケ岳を目指す。



【写真】尾瀬ヶ原にかかる雲海

空が白んでくると、昨日登った至仏山が見えてくる。
尾瀬ヶ原は雲海の中だ。





【写真】燧ケ岳山頂に着く頃、尾瀬ヶ原の雲海も切れて・・・

原の小屋から3時間45分で、燧ケ岳のピークの一つである柴安ー(しばやすぐら)に到着。

尾瀬ヶ原にかかる雲海も切れてきた。



【写真】尾瀬沼

柴安ーから俯瞰する尾瀬沼。




【写真】俎ーから柴安ーを見る

柴安ーから三角点のある俎ー(まないたぐら)までは一旦岩場を下って登り返す。

俎ーから柴安ーを眺めると、燧ケ岳は那須火山脈日光火山群の一峰であることがわかる。

1時間ほど休憩してから尾瀬沼へ下る。
8時45分 スタート


【写真】燧ケ岳を開いた平野長蔵氏の長蔵小屋

下りは長英(燧)新道をとる。
ぬかるみがあって滑りやすい。

11時20分 尾瀬沼ビジターセンター到着

このビジターセンター界隈には喫茶店、売店、食堂などがあって、休憩を取るのに便利だ。
燧ケ岳を開いた平野長蔵氏の長蔵小屋も建っている。




【写真】尾瀬沼から望む秋の燧岳

尾瀬沼から撮影した燧ケ岳。
すっかり秋色だ。

十分な休憩をとったあと、尾瀬沼ビジターセンターから三平峠を経て、沼田街道を歩いて大清水へ出た。

今日一日たっぷり10時間歩いて、尾瀬巡りの旅は終わった。


(談)
尾瀬はすっかり秋色でした。グループ内に尾瀬は2度目、3度目という方がいらして、今年の尾瀬の紅葉はイマイチだという声も聞きました。水芭蕉やニッコウキスゲなど緑豊かな時期にもう一度訪れてみたいものです。
楽山会のリーダー・Kさんをはじめグループの皆さんとひさびさに賑やかな山歩きをさせていただき、楽しい時間をもつことができました。本当にありがとうございました。o(^-^)o

コース紹介MAP

<参考コースタイム>

◆一日目/歩行時間:約7時間40分(休憩含む)

鳩待峠 小至仏山 至仏山 山の鼻ビジターセンター 原の小屋
6時30分 8時30分 9時20分(10分休憩) 11時30分(1時間休憩) 14時10分


◆二日目/歩行時間:約10時間30分(休憩含む)

原の小屋 柴安ー 俎ー
尾瀬沼ビジターセンター
大清水
4時 7時45分(10分休憩) 8時20分(25分休憩) 11時20分(1時間休憩) 14時30分


◆登山形式:周回登山
コース紹介MAP

<見所>
・尾瀬ヶ原の伸びやかな広がり。
・至仏山、燧ケ岳からの展望
・尾瀬沼と燧ケ岳の対比

<注意点>
・至仏山〜山の鼻ビジターセンターのコースを下りでとる場合、登山道をはずさないように歩くこと。
・コース全般にいえることは、どこも滑りやすいこと。


<アプローチ>

鳩待峠から入る場合は、戸倉に車を置いて(1日1000円)、バスで鳩待峠に入ります。(片道900円)
大清水から入る場合は、大駐車場があります。(1日500円)

<立ち寄り温泉>
沼田IC近くにある道の駅の日帰り温泉まで足を伸ばしました。


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