登山日記
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白根三山(北岳~間ノ岳~農鳥岳)縦走
 平成19年8月12日~14日 晴れ


一日目(広河原~北岳肩ノ小屋)

まえがき・・・北岳・間ノ岳・農鳥岳は白峰(しらね)三山と呼ばれ、いずれの山も堂々と3000mを超える高さを持ち、立山三山や白馬三山のようについでに登ってくるという山ではない。5年前北岳に登った際に、間ノ岳を残してしまったのはなんとも心残りであったが、今回は農鳥岳まで足を伸ばしてこようと思う。

広河原ロッジ【写真】広河原山荘

戸台口の民宿で前夜泊をし、「仙流荘」から始発バスで「北岳峠」に入り、さらにバスを乗りかえて「広河原」に入る。

8時 広河原スタート

登山口にある野呂川橋を渡る際、前方に北岳が聳えているのが見える。登山口から3000m級の山頂部とバットレスが見えてしまうと何だか半分登った気分になってくる。 橋を渡ったらすぐ広河原山荘。宿泊も食事もできる。



北岳バットレス【写真】北岳バットレスを眺めながらつめていく

大樺沢から二俣に向かう。
北岳バットレスを眺めながらの雄大なコースだ。

登山道にはミヤマハナシノブという北海道、白馬連峰の清水岳にしか見られない花がまだたくさん咲いている。
キタダケソウをはじめ、北岳は花の宝庫だなあ~とあらためて感じ入る。

10時 二俣。15分休憩をする。



北岳肩ノ小屋【写真】北岳肩ノ小屋(北岳直下)

二俣からは右俣コースをとり、肩ノ小屋へ。
途中、急勾配の道もあり、急ぐとばてる。
シナノキンバイ、ハクサンフウロなど花畑を見やりながら、ゆっくり登るのがばてないコツだ。

12時55分 肩ノ小屋到着

すでに小屋前広場は登山者で埋め尽くされている。




夕景【写真】夕景の富士山(肩ノ小屋前広場)

広場前から、暮れていく富士山を眺めるのもよし。
鳳凰三山、甲斐駒ケ岳を眺めるのもよし。


日没【写真】日没の富士山(肩ノ小屋前広場)

日没の時を迎え、少しセンチメンタルな気持ちに・・・

明日は晴れますように。






二日目(北岳~間ノ岳~農鳥岳~大門沢小屋)

北岳【写真】北岳山頂

日の出時間に広場前に出てみれば、ガスの海。
がっくりしたが、今日は長丁場なので晴れるのを待たずにレインコートを着て出かけることに。

5時20分 肩ノ小屋スタート

5時50分 北岳山頂(3192m)

やはりガスは切れそうにない。5年前に引き続き、北岳からの展望の山は期待できなかった。



仙丈ケ岳【写真】北岳の下りで仙丈岳を見る

北岳から下ってくるうちに、ガスが次第に切れてきて仙丈岳が見えてくる。
西の中央アルプスもよく見えてきた。
これなら、次第にガスも切れてくるだろう。

7時 北岳山荘。
肩ノ小屋で用意してもらったお弁当をこちらの食堂でいただく。お味噌汁まで出してもらった。宿泊もしていないのに小屋人さんの親切なこと!感謝!感謝!o(^o^)o



間ノ岳への稜線【写真】間ノ岳への稜線

7時50分 北岳山荘出る。

長大な間ノ岳稜線を歩いていく。
切れ行くガスを見ながら、稜線歩きに最も恵まれた一日になるかもしれないとほくそ笑む。

8時25分 中白峰
9時20分 間ノ岳(3189m)

北岳山荘から1時間30分の道のりだ。



間ノ岳から北岳を見る【写真】間ノ岳山頂と北岳の頭

間ノ岳の山頂に立てば、キリッと凛々しい北岳をはじめ、南アルプスの重鎮たる山々が眺められる。
登山者の多くがここで満足をしてしまうのも頷ける。

25分ほど休憩をしてから農鳥小屋へ向かう。





農鳥小屋【写真】農鳥小屋で缶詰買う

間ノ岳から45分ほど下った標高2800mの鞍部に立つ農鳥小屋に着く。
ここの売店でフルーツ缶詰を買って糖分を補給することに。
これが、また素晴らしくおいしい!
山で缶詰を買うのは初めてで、新鮮な発見だった(笑)
疲れにはフルーツ缶詰が即効性を発揮する!

20分ほど休憩して、白峰の三山目となる農鳥岳へ。




農鳥岳【写真】農鳥岳

農鳥小屋から45分ほどで肩の大地状の西農鳥岳。
さらに回り込んで35分ほど岩稜歩きをしながら農鳥岳へ。
稜線上には、タカネビランジも咲いている。

12時10分 農鳥岳(3025m)

やった~!白峰三山完歩。
昨年完登した塩見岳や悪沢岳、赤石岳も見える。
嬉しさで思わずピースをしてしまう(笑)




大門沢下降点【写真】大門沢下降点(鐘がある)

農鳥小屋へ戻る気力・体力はさらさらなく、ひたすら前進あるのみ。

今宵の宿、大門沢小屋を目指して、12時30分農鳥岳出発。

13時 大門沢下降点にある鐘を鳴らしてみる。カラカラとなんとも淋しい音色を出す鐘だ。

この下降点から日本三大急坂が始まる。
逆落しのような急な下りは、病み上がりの膝には酷だ。
ハイマツ帯から針葉樹林帯を抜け、やがて下り疲れた頃 沢の水音が聞こえてきて、大門沢の河原にでる。
ここでちょっと一休みしていこう!



大門沢小屋【写真】大門沢小屋

大門沢から右岸沿いの樹林の中を下っていくと、やがて小さな小屋の屋根が見えてくる。
15時20分 大門沢小屋
今宵はかつてないほどの賑やかさだとか・・・

小屋前のキャンプ指定地からの富士山がとても美しい!

大門沢小屋オリジナルワインも販売されていてなかなかの人気ぶりだった。



三日目(大門沢小屋~奈良田温泉)

揺れるつり橋【写真】揺れるつり橋

5時50分 大門沢小屋出発
小屋から河原に下りて、右岸沿い、左岸沿い、と道を渡り返す。
7時25分 揺れるつり橋を2つ渡って広河内橋のある最終ゲートへ。
この揺れるつり橋は一人ずつ渡らないと、恐ろしく揺れる。
橋の途中から下を見るとなかなかスリリングだ。高所恐怖症の山男・Hさんが絶叫していた(大爆笑)




奈良田の里【写真】奈良田の里

8時30分 奈良田温泉「早川町営・奈良田の里」。

奈良田温泉の湯は美人の湯と聞く。
お湯のあたりが柔らかく、女性好みの泉質だ。
有料休憩所を借りて、広河原行きバスの時間までゆっくり足の疲れを癒すことができた。

奈良田→広河原→北沢峠→仙流荘、と3回バスを乗り換え、13時50分駐車場に帰り着いた。




(談)
懐深い南アルプスの主脈ともいえる白峰三山を無事に完歩することができ、満足感でいっぱいです。
また、山での出会いも楽しく、大門沢小屋で席を同じくした人たちと一夜を語り合うことがこんなにも幸せな気分にしてくれるのかと、またまた「山のすばらしさ」に感じ入った山行でもありました(^-^)

コース紹介MAP

<参考コースタイム>

◆一日目/歩行時間:約5時間(休憩30分含む)

広河原登山口 二俣(15分休憩) 御池小屋との合流点 肩ノ小屋
8時 10時 11時10分 12時55分


◆二日目/歩行時間:約10時間(休憩2時間20分含む)

肩ノ小屋 北岳
(10分休憩)
北岳山荘
(50分休憩)
間ノ岳
(25分休憩)
農鳥小屋
(20分休憩)
農鳥岳
(25分休憩)
門沢下降点
(10分休憩)
大門沢小屋
5時20分 5時50分 7時 9時20分 10時30分 12時10分 13時 15時20分


◆三日目/歩行時間:約2時間40分

大門沢小屋 広河内橋 奈良田第一発電所 奈良田温泉
5時50分 7時35分 8時5分 8時30分


◆登山形式:周回登山
コース紹介MAP

<見所>
・日本を代表する南アルプス縦走路。文句なしの展望です。
・北岳固有種、白峰固有種のお花たちに出合えます。

<注意点>

  • 北岳から北岳山荘への下り。
  • 農鳥岳前後の岩場。
  • 大門沢の下り。(膝にご注意!)


<アプローチ>

広河原へのアプローチには、長野県側と山梨県側からがあります。
長野県側から入る場合、バスの乗り継ぎには下記のバス時刻表を参照してください。

仙流荘~北沢峠(伊那市営バス、南アルプス林道バス)
北沢峠~広河原(南アルプス林道バス、南アルプス市営バス)
広河原~奈良田(山交タウンコーチバス)※途中バスを降りて歩き、別のバスに乗換え(時刻表は歩く時間も含む)。

<立ち寄り温泉>
奈良田温泉「早川町営・奈良田の里」
休憩料(入浴料込み):1500円
入浴料のみ:500円
補足:石鹸、シャンプーあり。タオル持参のこと
定休日: 毎週水曜日 (祭日の場合は翌日) 年末年始12/30~1/2
営業時間: 午前9時から午後7時まで(8時30分から利用させていただきました)


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