登山日記
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蓮華岳〜針ノ木岳〜スバリ岳〜赤沢岳〜鳴沢岳〜岩小屋沢岳縦走
 平成19年8月5日・6日 晴れ


一日目(針ノ木雪渓〜蓮華岳往復)

まえがき・・・北アルプスは黒部川と梓川の分水嶺で北部と南部に分けている。北部の日本海側の犬ケ岳から白馬岳、唐松岳、五龍岳、鹿島槍ヶ岳、爺ケ岳を越えて針ノ木峠にいたる山脈が後立山連峰といわれる。その最南端に位置するのが針ノ木岳で、この針ノ木を中心にして北にスバリ岳、赤沢岳、南に蓮華岳、七倉岳、船窪岳などが連なっている。

針の木登山口【写真】針ノ木岳登山口

日本三大雪渓の一つである針ノ木雪渓を登りつめ、針ノ木峠に立って北アルプスの秀峰をぐるっと眺めてみたらどんなに気持ちがいいだろう・・・と急に思い立ってでかけてみることにした。

扇沢に7時30分頃到着し、仕度に手間取り8時20分にスタートする。


大沢小屋【写真】大沢小屋

9時10分 大沢小屋到着。

朝食を食べていなかったので、小屋で「天然水で淹れたコーヒー」を注文し、コンビニで買ったサンドイッチを頬張る。
このコーヒーがまたおいしかった!
忘れません、感謝。

20分も長休憩してから、針ノ木雪渓に向かう。
※大沢小屋で軽アイゼン借りられます。忘れた人は利用してください。


針ノ木大雪渓【写真】針ノ木大雪渓

大沢小屋から30分ほどで雪渓の取り付き。
雪渓の状態を見て、軽アイゼンを装着する。
アイゼンなしで下りてきている人もいるが、余分な力を使いたくないので装着したほうがよいと判断する。
1時間ほどで雪渓登りが終わり、夏道に変わる。

夏道は傾斜がきつく、急ぐと息が切れる。一歩一歩ゆっくり登っていく。沢の水に出合ったところで一度小休止。




針の木小屋【写真】針ノ木小屋(背後に針ノ木岳)

12時25分 針ノ木峠。
きれいな針ノ木小屋がある。
小屋の前に立てば、前方には槍ヶ岳〜奥穂高、鷲羽〜水晶〜赤牛岳、薬師岳・・・まで眺められ、小屋の後ろに回れば鹿島槍〜爺ケ岳の双耳峰が確認できる。
まさに展望の峠だ。

今夜はここでお世話になることにし、ザックをおろして蓮華岳を往復する(往復1時間40分)。



針ノ木岳【写真】蓮華岳登山道から針ノ木岳・スバリ岳を見る

針ノ木小屋の東から蓮華岳への道がはじまる。
登山道から針ノ木岳〜スバリ岳〜赤沢岳〜鳴沢岳・・・と明日縦走する稜線が間近に眺められ、ワクワクしてくる。

蓮華岳山頂まではたっぷりと一時間かかり、登山道両脇の高山植物を堪能することができる。




蓮華岳のコマクサ【写真】コマクサ

蓮華岳はコマクサが宝庫ときくが、まさに至る所でその愛らしい姿を見ることができる。今がコマクサの見頃のようだ。
蓮華岳山頂には若一王子神社奥宮と二等三角点がある。山頂で展望を堪能し、夕食時までに小屋に戻る。

今宵の宿、針ノ木小屋は1枚の布団に二人の割り当てで、暑い一夜だった・・・・(グスっ)



☆大沢小屋〜蓮華岳までの登山道で出合ったお花たち☆
コマクサ、ハクサンシャクナゲ、ミヤマオダマキ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ、イワベンケイ、ヤマハハコ、シロウマオウギ、ヨツバシオガマ、タカネシオガマ、シナノキンバイ、イワギキョウ、ウラジロタデ、チングルマ、コバイケイソウ、タカネツメクサ、イワツメクサ、ゴゼンタチバナ、ハクサンフウロ、マルバダケブキ、タカネナデシコ、ニッコウキスゲ、オオバギボウシ、ミヤマキンポウゲ、クガイソウ、シモツケソウ(白・ピンク)、カワラナデシコ、ホタルブクロ、ヨツバヒヨドリ、順不同、その他名前思い出せず・・・


二日目(針ノ木岳〜スバリ岳〜赤沢岳〜鳴沢岳〜扇沢)

鹿島槍ヶ岳と爺ガ岳【写真】日の出に映える鹿島槍ヶ岳と爺ケ岳

5時8分の日の出(針ノ木峠から)。
左の双耳峰は鹿島槍ヶ岳、右は爺ケ岳。









ミヤマクワガタ【写真】ミヤマクワガタ(針ノ木岳山頂直下で撮影)

6時15分 針ノ木小屋スタート。

今日は新越山荘泊まりにするか種池山荘泊まりにするか、体力をみてから決めようと思う。

針ノ木岳山頂直下にミヤマクワガタが満開。
小屋から50分ほどで針ノ木岳に到着。





針の木岳【写真】針ノ木岳から立山連峰と剱岳を見る

峠から見られなかった立山三山、剱岳がすぐ目の前に展開する!
昨日に続いてまたまた感動シーン。

展望の山をプリントしてきたので、ぐるっと順に山を同定していく。
これも楽しい時間だ。





スバリ岳【写真】スバリ岳から赤沢岳へと続く稜線

針ノ木岳からスバリ岳へは急な下りから始まるので慎重に下りていく。

40分ほどでスバリ岳に到着。
これから歩いていく赤沢岳〜鳴沢岳への稜線が、美しい弧を描いている。






黒部湖【写真】稜線から黒部湖を俯瞰する

稜線上から立山方面を俯瞰すると、コバルトブルーの黒部湖が広がる。
湖に浮かぶ観光船?も小さく見える。








赤沢岳への稜線【写真】赤沢岳への稜線

赤沢岳への道は長い。
三点支持で岩を登るシーンもある。
扇沢側の草付を回り込んでやっと赤沢岳山頂。
たっぷりと1時間30分かかった。

9時43分 赤沢岳





大学生【写真】赤沢岳山頂で大学の山岳部とまた出合う

昨日北葛岳から蓮華岳に上がってきた東京の獣医系の大学に通う学生たちとまたこの赤沢岳で出合う。
一人20Kgのザックを背負っていると聞く。
女の子も数人いたが、同じくらいの荷物を背負っているようだ。






赤沢岳【写真】赤沢岳から

赤沢岳から眺める立山〜別山〜剱岳〜毛勝山が一層近くに見えてくる。
山頂を一人占めできる贅沢な時間だ。









新越山荘【写真】新越山荘

赤沢岳から鳴沢岳への登山道は、このコース上一番険しく、脆く、手を使って岩をよじ登るシーンにも出くわす。

10時52分 鳴沢岳。
ガスが上がってきたので展望がなくなり、早々に新越山荘へ向かう。
鳴沢岳から30分ほどで新越山荘。
まだ早いので登山者は誰もいない。
腹ペコだったので、ラーメンを注文する。
食堂から剱岳がよく見える。食べ終わってもまだ12時だったので、種池山荘へ向かうことにした。



キヌガサソウ【写真】種池山荘近くのお花畑

12時45分 岩小屋沢岳。
ガスで展望はない。
5分ほど休憩して種池山荘へ向かう。
種池山荘への登山道は百花繚乱のお花畑が続く。
2時間の長丁場だが、稜線歩きとは違った味わいがあるので厭きない。

14時5分 種池山荘。
聞いたら今夜も銀座状態だそうだ。

扇沢まで下り2時間30分なので、無理して今日のうちに下山することに決めた。




扇沢〜爺ケ岳登山口【写真】爺ケ岳登山口

15時 種池山荘を出発して下山開始。
ほどなくして小雨が降ってくる。
折りたたみ傘をさしながらの下りとなった。

さすがにこの時間下ってくる登山者はそういない。
途中2組のカップルに遭遇。
心細い下山道となった。

17時10分 爺ケ岳登山口(標高1350m)帰着。
最後に扇沢駐車場まで15分の車道歩きが待っていた。



針ノ木岳〜スバリ岳〜鳴沢岳〜種池山荘の登山道で出合ったお花たち
ミヤマクワガタ、ミヤマオダマキ、コマクサ、イワギキョウ、シロウマオウギ、イワツメクサ、ミヤマダイコンソウ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマセンキュウ、ウサギギク、コバイケイソウ、キヌガサソウ、クルマユリ、ハクサンフウロ、イワオトギリ、、順不同、その他名前思い出せず・・・

(談)
針ノ木峠に立った時は本当に感動しました。小屋の前に居ながらにして百名山がこんなにも同定できるなんて、垂涎のビューポイントだと改めて感心しました。心のアルバムに残しておきたいコースの一つですね(^-^)

コース紹介MAP

<参考コースタイム>

◆一日目/歩行時間:針ノ木小屋まで約4時間(休憩50分含む)、蓮華岳往復:1時間40分

扇沢登山口 大沢小屋
(20分休憩)

針ノ木雪渓取り付き
(10分休憩)

夏道登山道
(20分休憩)
針ノ木小屋 蓮華岳
8時20分 9時8分 10時2分 11時2分 12時25分 登り1時間、下り40分


◆二日目/歩行時間:約11時間(2時間40分の休憩含む)

針ノ木小屋 針ノ木岳
(20分休憩)
スバリ岳
(10分休憩)
赤沢岳
(20分休憩)
鳴沢岳
(5分休憩)
新越山荘
(40分休憩)
岩小屋沢岳
(8分休憩)
種池山荘
(55分休憩)
爺ケ岳
登山口
6時15分 7時7分 8時6分 9時43分 10時53分 11時26分 12時47分 14時5分 17時10分


◆登山形式:周回登山
コース紹介MAP

<見所>
・針ノ木峠からの展望。稜線上に立てば、さらに撮影の垂涎コース。
・蓮華岳のコマクサ
・鳴沢岳〜新越山荘のお花畑、岩小屋沢岳〜種池山荘のお花畑、種池山荘前のお花畑

<注意点>

  • 鳴沢岳をはさむ前後の登山道は脆く、注意が必要。
  • コース自体が長丁場なので、余裕を持ったプランが必要。


<アプローチ>

豊科ICから大町温泉郷目指し、さらに黒部アルペンルートの起点になっている扇沢まで走ります。扇沢バスターミナル近くに市営の無料駐車場があるので安心。豊科インターからは約1時間のアクセス。

<立ち寄り温泉>
大町温泉郷「薬師の湯」
施設:露天風呂、休憩所あり。
入湯料:600円
補足:石鹸、シャンプーあり。タオル持参のこと


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