登山日記
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赤石岳(3,120m)〜悪沢岳(3,141m) 平成17年9月17〜19日 晴れ

まえがき・・・悪沢岳は荒川三山(前岳、中岳、東岳の総称)の一番東にある山として東岳とも呼ばれている。今回は、赤石小屋に一泊して、翌朝赤石〜悪沢の稜線歩きをたっぷり味わってみようと思う。

【写真】東俣林道から見える赤石岳の姿が一番凛々しい

東海フォレストの畑薙第一ダム始発バス(臨時7時20分/定員28名)に乗って、赤石岳・悪沢岳登山口の拠点である椹島ロッジまで運んでもらう。
途中、バスの中から赤石岳を撮影するチャンスに恵まれた。
運転手さんいわく、「東俣林道から眺める赤石岳が一番かっこいい!」のだとか・・・


【写真】赤石岳登山口

8時20分、運転手さんに赤石岳登山口でバスを下ろされるが、結局椹島ロッジまで歩き、トイレと朝食を済ませておく。

9時 スタート!

バスでご一緒だった登山者は、そのほとんどが悪沢〜赤石周りなので、私たちは敢えて赤石〜悪沢周りを選択した




【写真】大倉尾根の樹林帯歩き

椹島ロッジの標高が1120mなので、赤石小屋まで標高差1400m、約4時間の登りだ。

森林整備の行き届いた大倉尾根(樹林帯の中)は登山者も少なく、静かな山歩きが楽しめる。





【写真】一日目の宿〜赤石小屋

登山口から4時間で赤石小屋。

13時10分 赤石小屋着

デッキからは、心ゆくまで赤石岳、聖岳が眺められる。
今宵の宿泊者は、30名?ほど。千枚小屋の100名とは雲泥の差。ゆったりと一夜を過ごすことができたV(^o^)V


2日目


【写真】富士見平でご来光を迎える

2日目は、長丁場なので、夜が明ける前に出発する。

4時50分 スタート

富士見平で、ご来光。
厳粛な瞬間だ。



【写真】ザックをデポして赤石岳へ

富士見平からは一旦下って、冬季ルート「ラクダの背」の山腹を行く。
赤石岳を眺めながら歩けるので、ルンルンだ〜(^-^)
お花畑を過ぎて最後の登りをこなすと、赤石岳と小赤石岳の中間点に出る。

7時11分 分岐にザックをデポして、赤石岳へ向かう。

20分ほどの登りで、赤石岳。
7時35分 赤石岳

その名のとおり、赤石沢に多い赤色チャート(ラジオラリア盤岩)が山を赤く彩っている。
※チャートとは、陸から離れた深海底で堆積した放散虫というプランクトンの殻が固まった岩石のことです。



■赤石岳から■
<・・・ついにやってきました〜赤石岳です!
山座同定中・・・>

<・・・小赤石岳とその奥右手に悪沢岳、左は中岳
一等三角点と聖岳・・・>




【写真】大聖寺平へ下る(前方、中岳と前岳)

赤石岳山頂で30分ほど展望を満喫してから、デポした分岐まで下る。

8時25分 小赤石岳 

小赤石岳の肩からは、中岳・悪沢岳を眺めながら大聖寺平まで砂礫の急斜面を一気に下っていく。

稜線のウラシマツツジが秋の始まりを告げている。


【写真】行程の中間点である荒川小屋

9時40分 荒川小屋

カレーライスを注文。
お・い・し・いけど弱った胃袋には刺激が強い。
ついでにポカリも補充しておく。

下ったら、登る。
当たり前のことだけど、小屋からまた中岳まで標高差400mを登っていかなければならない(;o;)はぁ〜



【写真】前岳・中岳分岐

荒川三山とは、3068m前岳、3083m中岳、3141m東岳(悪沢岳)を総称して呼ぶ。
10時15分に荒川小屋を出て、前岳・中岳分岐に11時35分に着く。
ふ〜ぅ(^^;A ここから、前岳のピークを踏む気力はゼロ。
すぐに中岳へ向かう。
分岐から10分程度で中岳。



【写真】眺望抜群の中岳山頂(奥は悪沢岳)

11時47分
荒川三山の一つ、中岳山頂で〜す! 
その先には悪沢岳がで〜〜んと構えてる。
ここからの眺望は抜群!
塩見岳、仙丈岳、白砂の甲斐駒、間ノ岳、北岳・・・・そして、振り返れば、今朝踏んできた赤石岳、聖岳・・・・と続く。
南アルプスってほんとうに懐深いわ〜〜



【写真】悪沢岳へ

中岳山頂にある避難小屋を過ぎて、次はいよいよ最終章の「悪沢岳」へ向かう。

エネルギーも使い果たした後のこの登りの何としんどい事!

岩石の登降厳しい登山道に差し掛かると、ところどころ岩場に生々しい血糊が点々と滴り落ちていたので、先ほどすれ違った登山者が足を滑らせて頭かどこかを打ったのだろう。

テントなどを担いでいる登山者は、この悪沢からの下りには気をつけたほうがいい。


【写真】やっとこさ、悪沢岳

13時5分 
中岳から1時間ほどで、悪沢岳。
静岡県の最高峰である(山頂の地籍が単独としては)

だ〜れもいない。
二人だけの悪沢岳。

ミカンが死ぬほどおいしかったぁ〜〜





【写真】丸山3,032mへ

13時30分に悪沢岳を後にして、丸山へ向かう。
この悪沢岳東面から丸山にかけての丸山カール(万ノ助カール)は氷河遺跡として知られている(後から知った^^;A)

丸山は、女性らしい柔らかさをもった山だ。






【写真】千枚岳

丸山から千枚岳にさしかかると最後の岩稜登り。

岩山を三点支持でエッサエッサとよじ登ると荒々しい千枚岳。

赤石岳から見た千枚岳は、ノコギリみたいにギザギザしていたが、なるほど岩稜登りのあの段差が遠くからはノコギリみたいにみえるんだなあ〜




【写真】岩崎元郎さんと出合った千枚小屋

千枚岳から千枚小屋までは下り一辺倒。
樹林帯の中だから展望はない。

15時 千枚小屋

岩崎元郎さんと一緒になり、軽く挨拶をかわす。
山と渓谷でおなじみの顔である。

今夜の千枚小屋は空いていてゆったりできた。
逆に赤石小屋はすし詰めだろうなあ〜とほくそ笑む(^-^)


3日目


【写真】滝見橋

4時45分 千枚小屋スタート

樹林帯の中でご来光を迎える。

途中、見晴台から「荒川三山、赤石岳」を心ゆくまで眺め、別れを告げる。


8時8分 滝見橋
大井川にかかる長い橋を渡る。
2泊3日の山行もこの橋を渡りきったら、フィナーレ。


【写真】椹島ロッジ


8時20分 椹島ロッジ帰着
ちょうど8時10分のバスが出たところだった。

ロッジの受付で10時20分のバスの予約を済ましてから、生ビールで乾杯!
※次のバスは13時40分(これが最終)

南アルプスの締めくくりに生ビールは、最高のご馳走だったVV(^o^)VV



(談)
赤石岳〜悪沢岳の稜線歩きは、念願だっただけに下山したときは喜びもひとしおでした!
2日目はアップダウンが多く、一番疲労のたまる行程です。どういうわけか、登山者の多くが悪沢〜赤石周りを選択されるようですが、どちら周りにしても行程時間はそれほど変わりません。それよりも山小屋の混雑のほうが気になります。あえて、人気の少ない赤石〜悪沢周りを選択して正解だったとほくそ笑んだのでしたo(^-^)o

コース紹介マップはこちら

<参考コースタイム>

◆1日目(休憩含む)
9時登山口スタート→11時6分2027m地点→13時10分赤石小屋 (行程時間 4時間10分)
 
◆2日目(休憩含む)
4時50分赤石小屋スタート→5時15分富士見平→7時11分稜線分岐→7時35分赤石岳(25分休憩)→8時24分小赤石岳→9時15分大聖寺平→9時40分荒川小屋(35分休憩)→11時47分中岳→13時5分悪沢岳(25分休憩)→14時30分千枚岳→15時千枚小屋 (行程時間 10時間10分)

◆3日目(休憩含む)
4時45分千枚小屋スタート→6時6分見晴台→7時35分ハシゴ地点→8時8分滝見橋→8時20分椹島ロッジ (行程時間 3時間35分)

◆登山形式:周回
コース紹介マップ


<アプローチ>

東名高速「静岡IC」で下り、安部川沿いに北上し「油島」で左折して「伊川ダム」へ向かう。伊川ダムからは大井川沿いに畑薙第一ダムへ向かう。深夜3時にダムの駐車場に到着したがすでに満車状態。空きスペースを探すのに大変だった。

※岐阜市から約300Km(所要時間約5時間30分/コンビニ休憩1回あり)
<特記事項>
行きは、牧の原ICで下り、大井川沿いに北上したが、こちらのほうが道が細く時間がかかることが判明。
静岡ICで下りて北上するほうが時間短縮できる。

<日帰り温泉>

赤石温泉「白樺荘」・・・市営
無料入浴、石鹸あり、シャンプーなし(売店で購入可)
畑薙ダムから8Km位下ったところにある。

<参考サイト>
東海フォレスト
畑薙第一ダムから東海フォレストのバスを利用される場合は、東海フォレスト運営の小屋(赤石小屋、荒川小屋、千枚小屋、椹島ロッジ、二軒小屋のいずれか)に食事つきで宿泊をしなければなりません。


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