登山日記
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鷲羽岳(2,924m)&水晶岳(2,978m) 平成16年9月17〜19日 雨・曇り
まえがき・・・北アルプスの日本百名山の中でも鷲羽岳と水晶岳は懐が深くて、一番後回しになっていた。
連休の天気予報は毎日目まぐるしく変わり、昨夜東京出張から戻ったばかりの体は鉛のように重く、しかも朝からの雨がそれに一層拍車をかけていた。

【写真】雨に煙る蒲田川

7時頃、新穂高温泉の村営無料駐車場に着く。
平日の金曜日とあって、車の置けるスペースはたっぷりとあった。生憎の雨空で、レインコートの下に着るものを調節していたら、出発が遅れてしまった(~~;

新穂高温泉バスターミナル 8時スタート

出始めは標高が低いのでモンベルの軽量カサをさして歩く。
雨が時折激しく降ったり、小振りになったりするので、カメラを出すのも面倒になってきた。
わさび平小屋でトイレを借り、軽く朝ご飯を食べる。

12時40分 鏡平山荘
ここで、もうやめようかな〜と思ったが、明日からの行程を考えるとやっぱり、双六小屋まではいかなければいけない。

弓折岳の分岐点で雷鳥三羽と出合う。
ここから双六小屋までは、ゆるやかな下りになるので今度戻ってくる時がきつそうだ〜


【写真】双六小屋とキャンプ指定地の双六池

双六のキャンプ指定地でもある双六池に近づいてくると、木道を渡って双六小屋へ回り込む。

15時 双六小屋
ようやく雨が上がってきた・・・

小屋では、女性部屋に二人きり。
夕食は、天ぷらの盛り合わせだった。
消灯前から布団にもぐりこみ、目覚まし時計が4時30分を知らせるまで熟睡できた。


2日目
【写真】双六の巻道から樅沢岳を遠望

翌朝はすっきり・・・とはいかないまでもなんとか一日天気はもちそうだった。

6時30分 双六小屋スタート

双六からの巻道からみる双六カールや周りの山容はそろそろ秋の準備にとりかかっていた・・・


【写真】鷲羽岳への稜線上に赤い屋根の三俣山荘がある

三俣蓮華岳への分岐を通り越すと道は次第にゆるやかな下りとなって鷲羽岳が迫って見えてくる。
赤い屋根の三俣山荘が、緑のハイマツ帯の中で際立って見えて、まるで「アルプスのハイジ」のメルヘンチックな気分にさせてくれる。

8時30分 三俣山荘

ご主人にお願いをして、ザックをデポしておく。
サブザックに雨具と飲料水、軽食だけを詰め込んで鷲羽岳〜水晶岳へ。



【写真】鷲羽岳

ハイマツ帯を抜けて、鷲羽岳の美しい尾根道をたどっていく。
きょうの楽しみの一つは鷲羽池を見ることだ。







【写真】鷲羽岳まで1時間

鷲羽岳は、北アルプスの中では珍しい火口湖を持つ。
焼岳や立山の地獄谷のように勢いのある噴煙を上げているわけではないが、鷲羽岳東面から発する湯俣川沿いに湯俣地獄がある。
心なしか、少し硫黄臭くなってきた。

9時50分 鷲羽岳

ガスっているが、時折黒部五郎岳が現れては消える。






【写真】通過点のワリモ岳

鷲羽岳からはゆるやかに下って、ワリモ岳を通過していく。

稜線上から俯瞰する黒部源流が見事な流れをみせている。












【写真】めっきり秋色の稜線(水晶小屋へ向かう)

ワリモ岳から岩苔乗越を過ぎて、水晶小屋へ向かう。

なだらかな秋色の稜線は、とても気持ちがいい〜
いくつも深呼吸をしてみる・・・






【写真】規模の小さい水晶小屋

11時7分 水晶小屋

定員が20人という水晶小屋では、到着時間と宿泊状況によっては断られると聞いていたので、昨夜急遽予定を変更して三俣山荘まで戻ってくることにしたのだ。


【写真】水晶岳(右)と雷鳥

水晶小屋からはなだらかな尾根道をつたって、いよいよ水晶岳の核心部へと近づいていく。

水晶岳は「黒岳」という別名を持っているが、馴染みが薄くてやはり「水晶岳」のほうがピッタリくる。
でも、周囲の山の頂きから水晶岳を眺めるとやはりその名のとおり「黒い」のだ。





【写真】念願の水晶岳で〜す!

岩場をいくつか越えて、雷鳥にもご挨拶して、やっと水晶岳に到着する。

11時47分 水晶岳

居合わせた男性に記念写真をお願いする。
\(^o^)/ \(^o^)/ \(^o^)/


【水晶岳からの展望】

ワリモ岳へと続く稜線

【水晶岳からの展望】

読売新道から先にうっすらと黒部湖が見える

【水晶岳から戻る稜線上】

水晶小屋までなだらかな登山道を歩いていく・・・










【水晶小屋からワリモ岳へ続く稜線上】

水晶小屋からワリモ岳へ戻る稜線上周辺には、目も覚めるようなウラシマツツジの紅葉が・・・







【岩苔乗越からの展望】

岩苔乗越からみる祖父岳。
この先に雲の平が広がる・・・










【ワリモ岳を通過した地点で鷲羽岳をみる】

岩苔乗越から黒部源流を巻いていく道へはいかず、今朝歩いた鷲羽岳の稜線上をまた歩いて三俣山荘まで戻ることにした。
鷲羽岳の山頂を再び歩く機会はもうないかもしれない・・・そんな気持ちからだったかも・・・

14時30分 三俣山荘帰着

夕方から土砂降りの雨となった・・・
山荘の夕食メニューは、なんと「クリームシチュー」。
大きなジャガイモ、ニンジン、豚肉がたっぷりと入っていて、体が温まる。





3日目
【双六分岐から下る途中で撮った双六小屋と樅沢岳】

6時45分 三俣山荘スタート

初日と同様、またも雨の中の出発となる。
風も強く、カサをさしていると吹き飛ばされそうだった。

8時38分 双六小屋

雨が止む。

【鏡平山荘で早めのランチタイム】

10時5分 鏡平山荘(40分の大休憩)

ここで、暖かいラーメンとビールを注文する。
この山荘のテラスは広くて、大きな池が回りを取り囲んでいるのでホッと安らぐ。
水と緑は、癒しには欠かせない。

二つ目の楽しみにしていた鏡池の「逆さ槍」は、あいにくと期待はずれに終わった(;o;)



【わさび平小屋】

12時35分 わさび平小屋

新鮮なリンゴ、トマト、きゅうりが販売されている。
終盤に差し掛かった登山者には最高のもてなし(有料だけど)だと思う。


【北アルプスの名水・湧清水と飲料用温泉】

14時 新穂高温泉

名物の足湯がある場所のすぐ隣に、北アルプスの名水「湧清水」がもてなされている。
これはいくら飲んでも無料で〜す(^0^)


(談)
北アルプスの日本百名山は今回で制覇!しかしながら、8月の穂高のキレット歩きと今回の鷲羽岳&水晶岳は単独で長丁場を歩きましたが、ちょっぴり「孤高の山行」は淋しくなりました・・・秋のせいかしらん(-_-)

コース紹介マップ

<参考コースタイム>

◆1日目/新穂高温泉(1時間10分)わさび平小屋(3時間)鏡平山荘(2時間)双六小屋 
  歩行時間:6時間10分、行程時間:7時間
◆2日目/双六小屋(2時間)三俣山荘(1時間)鷲羽岳(1時間10分)水晶小屋(25分)水晶岳(25分)水晶小屋(1時間10分)鷲羽岳(40分)三俣山荘 
  歩行時間:6時間50分、行程時間:8時間
◆3日目/三俣山荘(2時間)双六小屋(1時間15分)鏡平山荘(1時間50分)わさび平小屋(1時間)新穂高温泉
  歩行時間:6時間5分、行程時間:7時間15分
 
◆登山形式:往復登山
コース紹介マップ

<見所>

  • この時期は登山道のナナカマドやウラシマツツジなどの紅・黄葉が美しい。
  • 鷲羽岳、水晶岳の山頂からの展望はすばらしい(天気次第)
  • 鏡平にある鏡池の逆さ槍は撮影ポイント


<注意点>

  • 水晶岳まで長丁場なので、初日の宿泊地を慎重に選びたい。

<アプローチ>

岐阜市からは東海北陸自動車道「飛騨清見IC」で下りて、高山市内を抜け、新穂高温泉へ。
新穂高温泉バスターミナルの少し下流に村営の無料大駐車場がある。

<立寄り温泉>
◆山荘富貴
露天風呂からは錫杖岳が目の前に聳えるのでお勧め。人にあまり知られていないのかいつも空いている。
場所は新穂高バス停から中尾温泉に向かう途中(村営無料駐車場から少し下流にいく)、左手に北アルプス大橋に行く分岐に「山荘富貴」の標識があるのですぐわかる。
・入泉料:700円
・シャンプー、石鹸あり


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