登山日記
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野谷荘司山(1,797m)&妙法山(1,776m) 平成15年10月19日 晴れ

まえがき・・・野谷荘司山(のだにしょうじやま)とは変わった名前。はじめ、野谷さんという名前の人が命名をしたのかと思っていたが、実際は野谷集落の源頭の山という意味らしい。ガイドブックによれば、白山遥拝の妙法山まで往復してくると9時間のロングコースになるという。バテないで帰ってこられるか、登る前からちょっと心配になる。

鶴平新道登山口【写真】鶴平新道登山口(帰りに写真撮影)

関インターを4時に出発して、大窪集落跡の鶴平登山口に5時半に到着する。
辺りはまだ真っ暗で、ヘッドランプが必要。
登山口の様子を伺ってみると、入口にお墓があった。
なんだか薄気味悪ぅ〜〜
同行のKさんによると「だから誘ったのよ〜」「・・・なるほど(~~;A」
少し明るくなるのを待ってから5時45分に出発をする。
※後から分かったことだが、このお墓は鶴平新道を切り開いた大杉鶴平さんのお墓でした。


夜明け【写真】朝焼けの籾糠山(尖った山)を指す

登山道は思いのほか整備されており、見事な原木のブナ林をジグザグに登っていく。
途中、東の空から日が昇ってきて、稜線が紫色から橙色に移り変わる。



紅葉【写真】鮮やかな紅葉

夜が明けてくると、空は晴れ渡り、青空に紅葉の赤が映えてくる。
ブナの黄金色も美しい・・・









ブナの実

ブナの実(円形の写真)がおいしい・・と聞いて「どれどれ試食をしてみよう」と思ったのだが、拾った実はことごとく昨年の残骸ばかりで中身がない(;o;)


ブナ林【写真】黄葉まっさかりのブナ林登山道

座頭市のお遊びはほどほどにして真剣に歩き出す。
ミズナラやトチの木が混生した登山道を登りつめていくと、ドウダンツツジの群生が現れ、視界も一気に開ける。

トチの実もこの辺りに売るほど落ちていた(・・らしい)。
※トチの実を焼酎につけて、筋肉痛や打ち身などに用いるとよく効くという。






赤頭山へ【写真】顕著な尾根を赤頭山へ向かう

明るい尾根道に出ると右に三方岩岳、左に野谷荘司山〜妙法山の稜線がみえる。
ここからは吊尾根状のやせ尾根を赤頭山目指して登る。
両側がすっぱり切れ落ちているので結構緊張する(^-^;A






分岐点の赤頭山【写真】分岐点の赤頭山

右手、三方岩岳からの縦走路と交わると赤頭山。
分岐点でもある。
狭くて両側が切れ落ちているので落ち着かない。
早々に野谷荘司山へ向かう。








オオシラビソの登山道【写真】野谷荘司山へ

一部縞枯れのオオシラビソの中を進んでいくと、10分で野谷荘司山。







野谷荘司山【写真】野谷荘司山頂

何の変哲もない通過点の山が「野谷荘司山」
ニ等三角点がある。

ここで20分程休憩して、妙法山へ向かう。
きょうはロングコースなので、先の目処がたたないとどうも不安になる。




もうせん平【写真】もうせん平

野谷荘司山からは、鋭く切れ落ちた岐阜県側を眼下に眺めながら尾根を下り、湿地帯を過ぎて登り返したところがもうせん平
モウセンゴケの群生地とあるが、モウセンゴケらしきものはない・・・
ワタスゲが赤く繁茂しているくらいだ。
ちょっとがっくり(~~;



白山主峰【写真】白山主峰

次の前山「美濃原山」を越えると白山主峰が見えてきた。
やった〜 \(^o^)/


妙法山への登り【写真】手前が妙法山

美濃原山を大きく下って、今度は妙法山にとりつく。
見るからにきつそう〜〜帰りはまた登り返しが待っている(;O;)




妙法山【写真】妙法山頂

最後は喘ぎながら、妙法山に到着!
10時40分
ここまで約5時間。
結構登りがいのある山だった(^^;A
三等三角点あり。
北には、笈岳と奥に大笠山が・・・
南東を振り返れば、御嶽山、乗鞍岳、槍ヶ岳そしてキレットもよく見える。


野谷荘司山へ【写真】野谷荘司山へ戻る(真ん中の山)

山頂の気温は10度をきっているのでじっとしていると肌寒くなってくる。
1時間の休憩をとった後、下山開始。

妙法山からの下りはかなりの急傾斜があるので注意が必要。

主稜線にのったら、紅葉のパノラマ展望を満喫しながら野谷荘司山を目指す。




鳩谷ダム【写真】鳩谷ダムを俯瞰する

銀座状態のもうせん平を過ぎ、野谷荘司山をやりすごして、三方岩岳との分岐点になる赤頭山の山頂から鳩谷ダムを俯瞰してみると、その高度感に足がすくむ。

この赤頭山は標高1602mあり、前衛峰へとつづく尾根は両側がすっぱり切れ落ちているのでかなりスリリングな尾根歩きとなる。

前衛峰を過ぎてまもなく、4人グループを追い越す。
以前、左門岳や白尾山をご一緒した名古屋のR子サンとOさんご夫婦と判明。 懐かしくってしばし歓談する。



アケビ【写真】アケビの実

ひとしきり会話の嵐が過ぎ去ると、お先に失礼して道を急ぐ。
標高1000m辺りの明るいブナ林に出た頃には、足も棒のようになっていた。
登山口近くの樹林帯で「アケビ」を発見。
食べるとバナナの味がするそうだが、実が落ちたのか、すでに食べられたのか残っているのは皮だけ(-_-)
きょうは収穫が何もない日だ。

長丁場の下りで、少々膝が痛くなってきたが、15時30分に駐車場に帰着。
やれやれ、明るいうちになんとか帰ってくることができた〜。

紅葉見物で高速は渋滞が予想されるため、荘川IC近くの桜香の湯で女二人、のんびり湯に浸かってから帰途についた。



(談)
白山スーパー林道を利用すれば、三方岩岳駐車場から三方岩〜野谷〜妙法山間が4時間ほどで登ることができるのですが、開門が8時なので、その時間とお金がもったいないため鶴平新道を利用しました(^-^)
でもこれが正解だったようで、登山道から白山スーパー林道を眺めると、大渋滞になっていて車はのろのろ運転、三方岩駐車場も満車状態のようでした。

コース紹介マップ

ミズバショウ大窪沼のミズバショウ

登山口近くにある大窪沼はミズバショウの群生地として知られ、初夏には多くの人がおとずれるそうです。また、池のほとりには大窪沼キャンプ場もあり、静かな山あいのひとときを楽しむこともできます。

<参考コースタイム>

5時45分/鶴平新道口スタート
8時52分/野谷荘司山(20分休憩)
9時40分/もうせん平
10時40分/妙法山

鶴平登山口(2時間53分)分岐の赤頭山(14分)野谷荘司山(27分)もうせん平(1時間)妙法山(58分)もうせん平(36分)野谷荘司山(10分)分岐の赤頭山(1時間50分)登山口

・歩行時間:8時間8分、行程時間:9時間45分

◆登山形式:往復登山
コース紹介マップ

<見所>

  • 登山道の紅葉・黄葉が美しい。(ブナ、ナラ、カエデ、コシアブラ、ナナカマド、ドウダンツツジ他いろいろ)
  • 主稜線に上がれば、360度パノラマの世界が広がる。


<注意点>

  • ザレザレの道でしかも急傾斜なので登りはじめはふくらはぎが緊張する。
  • 赤頭山周辺はすっぱり切れ落ちているので歩行に十分要注意!
  • 妙法山からの下りも要注意。

<アプローチ>

岐阜市からは東海北陸自動車道を利用し、荘川ICで下りる。御母衣ダム〜平瀬集落を過ぎて10分も走るとまもなく大きな橋を渡ったところですぐに左折する。この林道が大窪沼へいく道で、この左折地点には指導標は何もないので注意。唯一「トイレこの先」の看板くらいか。地図で確認のこと。

<日帰り入浴>

◆◆桜香の湯◆◆ 
道の駅の中にあって、人気の日帰り温泉。

・露天風呂あり
・大人700円
・石鹸、シャンプー、リンスあり。バスタオルとダオル無料で貸出し。


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