登山日記
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小秀山(1,981.7m) 平成15年8月24日 晴れ

まえがき・・・小秀山は日本200名山に数えられ、奥深い山で訪れる人も少なく、静かな山歩きが楽しめると聞く。また山頂からは御嶽山を初め中央アルプスの眺めがすこぶるよいらしい・・・

乙女渓谷キャンプ場の駐車場【写真】乙女渓谷キャンプ場先の駐車場

乙女渓谷の清冽な流れの右岸を走って、キャンプ場の駐車場に到着する。
すでに数台の車が駐車されていたが、果たしてこれらの車が小秀山登山なのかキャンプ場利用者なのかはわからない。

6時10分、スタート。
現在、二ノ谷コースは通行止めになっているので、三ノ谷登山口に向かう。

林道のゲート【写真】林道のゲート

駐車場からしばらく林道を歩く。
10分ほどでゲート。この先から車は入れない。
このゲート前にも3台くらい車が停められるが「駐車禁止」の立て看板が置いてあるので、心臓に毛が生えている人なら、ここにおくと10分時間がカットできる。(実際1台停めてあった)




登山口【写真】三ノ谷登山口と登山届ポスト

ゲートから20分ほどで登山口。
右に回ると昔懐かしいトイレが建っている(便器が置いてあるだけ)
新しい木製の登山届ポストも立っているので、ここで届けをだすとよい。


笹原をかき分けて進む【写真】笹原をかき分けて進む

杉林の中、九十九折れの道が続く。
何回も何回もジグザグに道をとる。
歩いても歩いても九十九折れは終わらない・・・
そろそろ飽きてきた頃、辺りはダケカンバ林に変わり視界が明るくなった。
今度は笹原をかき分けて進んでいく。
ところどころ登山道が荒れているので足元に注意する。


出合【写真】二ノ谷と三ノ谷の出合

根っこの多い道を毛躓かないように登っていくと二ノ谷との出合に到着する。
乙女渓谷の沢沿いにコースが敷かれているこの「二ノ谷登山道」は、現在では通行禁止になっているが、歩いたことのある人に聞くと清涼感あふれるコースで秋の紅葉が素晴らしいという。
残念だ・・・

この出合できょう初めての登山者と出会う。
「小秀山までもういかれたのですか」とたずねてみると、「昨日、カブト岩で迷ってビバークしたので山頂までいっていません・・・」という。
「ふ〜ん、ビバークするような山なのかなぁ・・・??」



根っこの多い登山道【写真】ヒノキ林の登山道

出合からは、ヒノキ林の中をいく。

この辺りからブヨが増えてきて振り払っても振り払っても体に纏わりついて離れなくなった(;o;)
時々、額がチクッとして痒くなってきたので「やられたぁ〜〜」と慌てて、頭からタオルを被って防御するも、すでに遅かりし・・・とほほ(;o;)




カブト岩【写真】カブト岩

前方に、5月節句のカブトの形をした「カブト岩」が現れた。
まさに突然現れるといった表現がぴったりだ。
岩登りの練習をしているのかヘルメットを被った男性が3人、カブト岩のてっぺんからこちらを眺めている。

直進が岩場コースで、右回りが断崖横断コースになっている。
どちらをとるか思案していると、頭の上から「こっちのほうが近いし、全然恐くないですよ〜」と男性が岩場コースを指差す。
そう言われると反対の断崖横断コースに行きたくなるのは性格があまのじゃくだからか!

カブト岩の巨岩の中を通過していく【写真】カブト岩の巨岩の中を通過していく

でも、きょうは素直に直進する。
さきほどビバークをしたという登山者の事が脳裏を掠めたからだ。

巨岩の中を渡り抜けていくのだが、「一体どこで迷われたのだろう・・・???」迷いそうもないコースだったのでとても不思議な気がした。
岩の上から雄大な「御嶽山」が見える。


一の高原【写真】第一高原

カブト岩を抜けたら、あとはなだらかな尾根を下って登っての繰り返しになる。
登山道の両脇には、アキノキリンソウ、オヤマノリンドウなどが満開だ。
最初の見晴らしのよいポイントが「第一高原」。
小秀山方面を眺めるとぼて〜っとした山が横たわっている・・・


二の高原【写真】第二高原

さらにヌカルミのある薄暗い針葉樹林の中をぬっていくと「第二高原」に出る。その名のとおり、まさに高原の雰囲気をかもし出している。
初夏に訪れれば、コバイケイソウの白い花が一面に咲き乱れていたことだろう。
前方に大きく立ちはだかる山は小秀山ではない。
まだ前衛の山だ。
なんと、長大な尾根なんだろう・・・

三の高原【写真】第三高原でやっと小秀山が見えてくる

次の通過ポイントの「第三高原」でやっと小秀山が現れる。
でも、まだまだ遠い(-_-;
その前に小さなコブ山を越えなければいけない。

だれとも出会わないのが分かるような気がしてきた。
誰もきていないのでは・・・ふと思う・・・とにかく長い・・・




小秀山頂【写真】小秀山頂

カブト岩から1時間かかって、やっと小秀山頂。
やっぱり誰もいない・・・・
ここまでくれば、先着者がいて出迎えてくれると思っていたのだが・・・ちょっぴり残念(-_-;)

山頂部は狭いが、平らになっていて展望はすこぶるよい。
オコジョも時々遊びにくるようだ。

雄大な御嶽山を仰ぐ【写真】雄大な御嶽山を仰ぐ

春霞がかかったようですっきりしないが、それでも御嶽山の雄大な姿が広がっているのを目の当たりにすると「いい山だなあ〜」と思うのだった。

山頂にはブヨの大群はなく、ゆっくりと昼寝が楽しめた。

下りで途中Uターンをしたというカップルに出会った。
出鼻からの九十九折れ歩きに嫌気が差してあきらめたという。
確かにこのコースは長すぎる(-_-;)根性試しにはいいかもしれないが・・・


(談)
ブヨ、恐るべし!!
額に刺された3箇所の痕が次第に腫れ上がって熱をもってきた。夜中にどうも顔が疼くので手鏡を見たら「が〜〜〜ん!!」顔が腫れ上がって原形をとどめていない!
まさにお岩さん状態(;o;)
どうしよう・・・月曜から会社だし・・・とりあえず冷たいタオルで冷やし、翌朝は眼帯(/_;)をして「少なくとも顔の1/4は隠して」出社したが、隠れるはずもなく同僚から「一体、どうしたのぅ!?・・・その顔でよく出社できたねぇ〜」の質問攻め。できれば出社などしたくはなかった(;0;)
で、皮膚科に行って、注射、投薬、塗り薬をもらい3日間通院するはめに・・・
「かゆみ止め、炎症軽減、アレルギー症状の緩和」に注射は必須だそうです(抗生物質ではない)。
皆さんも「たかがブヨ」と侮らないように!

(後日談)
皮膚科にいって注射を打ってもらった翌日、見違えるように腫れが引きました(^-^)
完全に顔の腫れが引くまでに3日間かかりましたが、それでも自然治癒をまっていたら1週間は治らないそうです(経験者の話による)。で、さっそく虫除けネットを買ってきました。これでとりあえず顔面は防御できそうです。あとは虫除けスプレーだけ。

コース紹介マップ

<参考コースタイム>

◆6時10分スタート、小秀山10時8分到着、駐車場14時10分帰着

駐車場(30分)登山口(1時間55分)二ノ谷との出合(20分)カブト岩(1時間)小秀山(40分)カブト岩(15分)二ノ谷出合(1時間8分)登山口(30分)駐車場

・歩行時間:6時間18分、行程時間:8時間

◆登山形式:往復登山
コース紹介MAP

<見所>

  • カブト岩、小秀山頂からの御嶽山の眺めが素晴らしい


<注意点>

  • カブト岩での通過は慎重に
  • ブヨの大群に要注意!虫除けネット、スプレー、蚊取り線香?など持参したほうが無難です。


<アプローチ>

岐阜市内からは関--金山線から国道41号線を通って下呂方面へ。下呂町に入ると中津川とを結ぶ国道257号線と交差している信号を右折し、乙女渓谷へ向かう。舞台峠を過ぎて「乙女渓谷」と書かれた交差点を左折する。あとは道なりに集落を過ぎ、乙女渓谷キャンプ場へ。キャンプ場の駐車場に車を停めておく。その先の林道ゲートにも3台分の駐車スペースはあるが「駐車禁止」の看板が立ててあるので小心者はやめたほうがいいかも(^-^)

<日帰り入浴>

乗政温泉簡易宿泊所「乗政 一乃湯」 
料金:500円
営業時間:午後1時〜9時
定休日:毎週水曜日(祝祭日は営業)

「乗政」交差点を乗政川上流に向かって走っていくと「乗政 一乃湯」がある。
泉質よく、静か。内風呂のみ。石鹸、シャンプー&リンスあり。生ビールあり。


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