登山日記
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黒部五郎岳(2,840m) 平成15年8月16〜19日 雨(初日のみ晴れ)

まえがき・・・黒部五郎〜鷲羽〜水晶〜雲の平を周回して思いっきり雲上の世界を満喫してこよう!と計画していたのに、こんなにも大きく天気予報に翻弄された山行も今だかってなかった・・・

折立登山口【写真】折立登山口

きょうは太郎平小屋までなので、岐阜市をゆっくり5時30分頃出発し、折立の駐車場に10時頃到着する。
すでに駐車場は満車、仕方なく路駐をする。
折立登山口にある避難小屋に登山届を提出し、10時35分スタート。
この日の天気は、まずまずだった。




1870m地点【写真】1870.6m地点

登山口からは、樹林帯の中の根っこの多い道を登りつめていく。
最初から標高を稼ぐので、結構辛い登りが続く。
1時間30分も歩くと1870.6m地点の休憩ポイントに到着。
三角点もある。
ここで小休憩.。
ガスがなければ、このベンチの先で薬師岳〜剱岳方面が望めるのだが生憎と・・・・




太郎兵衛平【写真】明るい高原の太郎兵衛平に建つ太郎平小屋

三角点からは、展望のよい快適な道を行く。
整備されすぎていて、まるで高原の中を歩いているような感覚がしてくる。
2196m地点あたりから次第にガスが上がってきたので、休憩をとらずに先を急ぐ。
ニッコウキスゲの群生する太郎兵衛平にさしかかると、今宵の宿・太郎平小屋が視界に入ってきた。



水晶岳を眺める【写真】小屋前のベンチから水晶岳を眺める

14時45分、太郎平小屋到着。
太郎平小屋は今回の山行の要衝になるポイントだ。
まず先に宿泊手続きを済ませ、生ビールで乾杯!

小屋前の広場からは、広々とした「水晶岳(中央)」、「ワリモ岳(右の尖った山)」、「鷲羽岳(右端の丸い山)」が南北に広がり、北アルプスが長大な山脈であることを思い知らせてくれるのだ。


女性的な薬師岳【写真】女性的な薬師岳

視線を北に向ければ、優しい姿の薬師岳がどっしりと構えている。

夕食後の天気予報では、前線が停滞して明日から雨模様になるとのこと。
やれやれ、どうなることやら(・・;)




----------------2日目---------------

太郎平〜北ノ俣岳の池塘【写真】太郎平〜北ノ俣岳には池塘が点在する

予報どおり、朝から雨。
レインコートに身を固め、5時35分スタート。
小屋からしばらく歩くと薬師沢への道を左に分け、太郎山を過ぎ北ノ俣岳〜赤木岳へと稜線をつないでいく。途中、ハクサンイチゲ、イワイチョウの群生地や雷鳥の親子に出合う。

黒部五郎岳の肩【写真】黒部五郎岳の肩

中俣乗越を過ぎ、ゴーロ帯をこなすと黒部五郎岳にとりつく。
横殴りの雨と強風に煽られ、おっととと・・・という場面が何回も。
歩けど歩けど、ちちと前に進まない(*_*)
やっとの思いで黒部五郎岳の肩に着く。9時47分。
ザックをデポして、五郎岳を往復してくる。






黒部五郎岳【写真】黒部五郎岳

雨でまったく視界のない黒部五郎岳山頂。
お地蔵さまが安置されている筈だが探す余裕もない。
山頂表示の写真は撮ったものの、レンズが雨滴で曇ってしまっている(;_;)

長居は無用。
5分そこそこで肩まで戻る。



黒部五郎岳のカールへ【写真】黒部五郎岳のカールへ

肩にデポしておいたザックをかついで黒部五郎岳カールの底へ下りる。
大量の雨で登山道は沢状態。
なんだか、沢歩きに来たみたいだ。
カールの中は、ハクサンイチゲ、チングルマ、イワイチョウなどのお花畑が広がり、雪渓も一部残っていて懐の深さをうかがわせる。




清冽な雨と雪解け水【写真】清冽な雨水と雪解け水が落ちてくる

登山道の横を走る沢水は、もはや沢とはいえず、川状態に・・・

この流れを2〜3度渡渉するのだが、靴が濡れないように・・・などと悠長なことを言っておれる状態ではなかった(・・;)とにかく渡るしかない・・・

それにしても、きょうはほとんど休憩時間をとっていない・・・




黒部五郎小舎【写真】やっとの思いでたどり着いた黒部五郎小舎・・・まるで夜みたい

雨は依然止む気配もなく、ジャバジャバと沢と化した道のりをこなしていくと、薄もやの中から三角屋根の黒部五郎小舎がぼんやりと現れた時は正直なところ、ほっと胸をなでおろした。

96年に改装されて、談話室と食堂が広くなり、2階の宿泊室も明るくてくつろぎやすい小舎になった。
夕食のメニューは、手作り料理が少量ずつ盛り合わせてあって、その種類の多さとおいしさに思わず顔がほころぶ(^o^)
今夜の宿泊者は、40人くらいかな?布団の割り当てにもまだ十分余裕があった。

【3日目】
昨夜来から激しく降り続ける雨で停滞を余儀なくされる。
雨量は相当なもので、薬師沢が通行止めになった。
無理して、きょう雲の平に下りなくてよかったと内心ほっとしている自分がいた。

【4日目最終日】
依然、雨は激しく降り続くが腰を上げざるを得ない。
湿ったレインコートと登山靴に足を入れ、黒部五郎岳へ向かう。
ゴーロ地帯で道に迷い20分ほどロスをするも、太郎平小屋に11時33分に到着する。
朝から食事らしい食事をしていなかったので、ここでカレーライスと生ビールをいただく。
折立までの下山道は、もはや登山道とは言えず「川歩き」であった。
途中水溜りで滑り全身ずぶ濡れに(*_*)
が、すでに濡れ鼠。どうってことはない・・・という心境だった。
2時50分折立下山。
帰りは、新穂高→平湯温泉回りで「ひらゆの森」に立ち寄り、4日間の汗を流してすっきり爽やかに・・・


(談)
今回ほど天気予報に裏切られた山行はなかったように思います。雲の平は再度仕切りなおしとなりました(^-^)

コース紹介マップ

<参考コースタイム>

【1日目】
◆10時35分折立スタート、太郎平小屋14時25分
折立(1時間23分)1870.6m三角点(1時間45分)太郎平小屋
・歩行時間:3時間10分、行程時間:4時間10分

【2日目】
◆5時35分小屋スタート、黒部五郎岳9時57分、黒部五郎小舎11時48分
太郎平小屋(1時間35分)北ノ俣岳(37分)赤木岳(1時間50分)黒部五郎岳の肩(10分)黒部五郎岳(8分)肩(1時間40分)黒部五郎小舎
・歩行時間:6時間、行程時間:6時間13分

【3日目】
停滞

【4日目】
◆5時40分小屋スタート、11時33分太郎平小屋、14時50分折立帰着
黒部五郎小舎(1時間35分)黒部五郎岳の肩(2時間)赤木岳(25分)北ノ俣岳(1時間23分)太郎平小屋(1時間22分)1870.6m三角点(1時間5分)折立
・歩行時間:7時間50分、行程時間:9時間10分

◆登山形式:往復登山
コース紹介MAP

<見所>

  • 太郎平小屋から眺める薬師岳、水晶岳、ワリモ岳、鷲羽岳、黒部五郎岳が素晴らしい。


<注意点>

  • 増水時は渡渉に注意!なお、薬師沢は増水量により通行止めになるので、雨後は最寄の小屋で確認しておきましょう!


<アプローチ>

東海北陸自動車道を清見ICで下車し、41号線に入る。高山市を抜けて国府町役場を過ぎた次の交差点を右折し「安国寺」を通って大阪峠を走り、上宝村へ向かう。471号線に合流したら左折し、すぐ「有峰湖」の看板がでてくるので右折する。双六川に沿って山吹峠を抜け、山の村キャンプ場を過ぎたらまもなく飛越トンネルに入る。トンネル抜けたら有峰有料道路のゲートに着く。1800円払って折立へ。(朝6時開門)

<日帰り入浴>

「奥飛騨温泉郷」、「福地温泉」、「平湯温泉」まで戻ることになります。


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