登山日記
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白山(2,702m)お花巡り/平瀬道 平成15年8月2日 晴れ

まえがき・・・白山のお花の時期は未踏で、恋人に会いに行く前のドキドキした気分でほとんど睡眠不足の状態でスタートをきることに・・・

白川口登山口【写真】大白川登山口

情報筋によると、今年になってからこの大白川口の駐車場でピッキングの被害にあい、しかもタイヤまでパンクさせられた・・・という気の毒な事件があったらしい。
2年前の鈴鹿の入道ケ岳での被害が脳裏を掠めたので、登山口のすぐまん前に車を置くことにした。
これなら、人通りも多いので少しは安全だ。5時15分スタート。



白水湖【写真】白水湖を俯瞰する

明け方の雨は止み、上空に青空が見え隠れしてきた。

登山口からは静かなブナ林の中を進んでいく。
コース上どんなお花に巡り合えるのか、前方よりも足元ばかりに注意がいく(^^;A

尾根に出たところで、眼下に白水湖が望める。
藍よりも青く、ではなく「限りなく蒼に近いブルー」って感じかな・・・




御前峰と剣が峰【写真】御前峰と剣ガ峰(右)

尾根の右手に三方崩(さんぽうくずれ)山がみえてくると、今度は前方に白山主峰(御前峰)と剣が峰が姿を現す。
残雪が山肌に残っていて、コントラストが美しい。
足元には、ベニバナイチヤクソウ、シモツケソウ白、ニガナ、ママハハコなどメモをとらないと忘れてしまうほどお花の種類がぼちぼち増えてきた。


お花畑【写真】尾根上でお花畑に出合う

7時12分に大倉山避難小屋に到着。
軽く行動食をとり、カンクラ雪渓に向かう。

雪渓を過ぎ、再び尾根に上がるとカラフルなパレット色のお花畑が広がる。
シモツケソウ赤、イブキトラノオ、ミヤマキンポウゲ、マツムシソウなど谷に向かって絨毯を広げたようだ・・・・さらに所変われば・・・・ハクサンフウロ、クルマユリ、ニッコウキスゲ、ヒマワリに似たマルバダケブキ、オタカラコウなど・・・・ここに図鑑があると重宝するのになあ〜

☆室堂までの登山道で出合ったお花たち☆
ベニバナイチヤクソウ キンレイカ オオバギボウシ キヌガサソウ マルバダケブキ
ツレサギソウ ハクサンンフウロ オタカラコウ テガタチドリ マツムシソウ
その他には、
ヨツバヒヨドリ、カニコウモリ、シモツケソウ(白、ピンク)、ママハハコ、タニウツギ、ニガナ、オニアザミ、オオバミゾホオズキ、ミヤマキンポウゲ、ズダヤクシュ、ヨツバシオガマ、マイズルソウ、ミヤマシシウド、ニッコウキスゲ、カラマツソウ、キバナノコマノツメ、タカネナデシコ、コウゾリナ、アキノキリンソウ、イブキトラノオ


室堂へ【写真】室堂へ最後の階段を登る

さらに標高が上がるとお花の種類もチングルマ、アオノツガザクラ、コケモモなど高山帯のお花に変わってくる。

長〜い階段の登りの両サイドには、ハイマツ帯が続くばかりで色気も何もない。
階段も中盤にさしかかった頃、下ってきた登山者がすれ違いざまに「クロユリの群生地がこの上にありますよ」と耳元で囁いてくれた途端、俄然元気が湧いてきた(^-^)






クロユリ【写真】一面のクロユリ群生地


室堂平にでて、南竜ガ馬場への分岐を過ぎると、一面は「クロユリ」と「ハクサンコザクラ」の群生地が広がる展望歩道。
その量といい、質といい、思わずかがみこんでしまうほど見事なものだ!



ハクサンコザクラ

ハクサンコザクラは、
母種のエゾコザクラより全体に大きく、花茎に1〜10個の花をつけ、紅紫色の絨毯を敷き詰めたように群生して咲く。







室堂へ【写真】赤い屋根の室堂ビジターセンター

お花畑のなだらかな遊歩道を気持ちよく歩いていくと、赤い屋根の室堂ビジターセンターの建つ室堂に到着する。






たんぽぽの群生する室堂【写真】ミヤマタンポポが建物の周りを取り囲んで咲いていた


5月に訪れた時には、まだ白山比刀iしらやまひめ)神社の鳥居が頭だけ残して雪の下にあったものだ。

今は夏山の様相と化している。



御前峰から池を俯瞰する【写真】主峰の御前峰から大汝峰をみる

主峰の御前峰には室堂にザックをデポして身軽に登る。

登山道の両脇には、イワギキョウ、クルマユリ、イワツメクサの群生が。
30分程の登りで白山御前峰に到着。
北アルプス方面の遠望はきかないが、天気は良好、まずまずだ。
対峙する大汝峰が女性らしい。




池めぐりへ【写真】お池めぐりへ

御前峰から池を周回して室堂へ戻る「お池めぐり」は初めての経験。
この機会に大汝峰に近づいてみることに・・・

御前峰の三角点から西端へ移動したところからお池めぐりコースがはじまる。ガレガレ、ザラザラした道を下っていく。


油ケ池【写真】油ケ池

アオノツガザクラ、イワツメクサ、ミヤマダイコンソウ、オンタデの咲くお花畑の間をゆるやかに遊歩道は流れている。

油ケ池→紺屋ケ池→翠ケ池→血ノ池→千蛇ケ池、と群青(ぐんじょう)色の池を巡っていく。まだ部分的に雪渓が残っており、清涼感に溢れる。


室堂へ戻る【写真】室堂へ戻る

1時間ほどの気持ちの良いお池めぐりコースもいよいよ終盤にさしかかり、赤い屋根の室堂ビジターセンターが見えてきたら、往きに歩いた御前峰へのコースとまもなく合流する。

ビジターセンター前のベンチは人で溢れんばかりだったが、運良く二人分の席が確保でき、まずは生ビールで乾杯!
楽しい語らいの時間が静かに流れ、12時45分惜しみながら室堂を出る。
大白川口には14時55分帰着。うだるような夏が待っていた・・・


(談)
お花の時期にやっと足を踏み入れることができもう大感激!道中ずっと「いいね、いいね」を連発していたような気がします。 これ以上何も言うことはありません(^-^)

コース紹介マップ

<参考コースタイム>

◆5時15分大白川口スタート、室堂9時5分、白山(御前峰)10時8分、室堂11時47分、大白川口14時55分帰着

・登山口(1時間57分)大倉山避難小屋(1時間30分)室堂(28分)白山(御前峰〜お池めぐり)(1時間)室堂
・室堂(57分)大倉山避難小屋(1時間8分)登山口

・歩行時間 7時間
・行程時間 9時間40分

◆登山形式:往復登山
コース紹介MAP

<お花の見所>
・大白川口から尾根上に上がったところの最初のお花畑
・室堂平一帯のクロユリ、ハクサンコザクラの群生は見事
・お池めぐりの池面の美しさと静寂


<注意点>

  • 尾根上の登山道で一部損壊している箇所あり。
  • 白山は午後からガスが出やすいので午前中に行動をすませておくこと。


<アプローチ>

東海北陸自動車道の荘川ICを下りて、国道156号線を御母衣ダム方面へ北上する。御母衣ダムを過ぎるとまもなく大白川ダムへ通じる県道白山公園線の入口がある(橋を渡ったすぐ左手)。
この道は一応県道451号線になっているが、舗装はされていても道幅が狭いので対向車には注意する。また夏山シーズン中でも落石の為、通行止めになることが多いので、あらかじめ白川村商工観光課にたずねておくとよい。電話05769-6-1311

<室堂ビジターセンター>
室堂ビジターセンター・標高:2450m
・収容人数:600人
・営業期間:5/1〜10/15
・素泊まり、朝食、夕食、弁当の組み合わせ自由
・水、湯、有料で有り


<日帰り入浴>

「桜花の湯」・・・荘川ICを出たところにあります。湯質よく、なめらかで女性向け。
入湯料:700円
シャンプー、石鹸、タオル付き


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