登山日記
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御嶽山飛騨頂上(継子岳2858.9m〜四の池周回) 平成15年6月22日 曇り

まえがき・・・濁河温泉の小坂口コースは、御嶽山への数あるコースの中でも一番お気に入りのコースで、季節を変えて登ってみると新たな発見があり、胸がワクワクするのである。

御岳山登山口【写真】登山口

濁河温泉の旅館御岳のバス停を過ぎ、道なりに終点まで行くと小坂の登山口に着く。
町営小坂町の駐車場があるので、そこに車を停め置く。
ハイシーズンなどは駐車場が狭いので、すぐにいっぱいになる。
その場合は、来た道を戻って町営露天風呂の駐車場などに停めさせてもらう。
登山口には案内板があり、草木谷に架かったりっぱな「嶽橋」をまず渡る。

橋の手前には、登山届のBOXとバイオトイレが新しく設置されていた。
七福神 橋を渡りきったところが「御嶽神社里宮」である。
七福神も祀られている。
左に直角に曲がりこんで、苔むした登山道にはいる。



仙人滝【写真】仙人滝

整備された木道を進むと「仙人滝」への分岐が左に下りている。
観光客は、この仙人滝までは行けるようになっている。

滝には下りずにまっすぐ進むとやがて落差30mの見事な仙人滝を左にみることができる。


渡り橋【写真】草木谷にかかる橋を渡る

滝を過ぎるとまもなく鉄の吊り橋「仙人橋」を右岸に渡る。
ここで、沢の音を聞きながら休憩をとるのも爽やかでよい。

橋を渡ってからは樹林帯の静かな登りに変わる。
標高2000mの7合目に立っている樹齢350年のトウヒが見事だ。
さらに100mほどでイオウの臭いがする「湯の花峠」に着く。


湯ノ花峠【写真】湯の花峠

湯の花峠の案内板のところにぶら下った小さな鐘を鳴らしてみるのもおもしろい(^-^)
大岩の上に立ってみると、草木谷の上流に向かって大きな「摩利支天山」が立ちはだかっている。





のぞき岩【写真】のぞき岩

湯ノ花峠からコメツガの樹林帯の中を登りつめていくと、標高2150m地点で左手から「胡桃島キャンプ場」への道と合流している。
ここから5分程で「のぞき岩」に着く。
摩利支天山が雄大だ。
その中腹には幻の滝があるというが確認はしていない。
ぼろぼろの避難小屋もあるが、雨露をしのげる程度である。

登山道には、イワカガミやコイワカガミの群生が随所にみられ、それはそれは見事なほどである。
ツバメオモトやサンカヨウ、ショウジョウバカマも元気に咲いている。

お助け水【写真】お助け水

8合目には「お助け水」といって、小さな祠があるが水場はない。
お助け水を越えると、まもなく森林限界。
視界が一気に開けてくる。
歩いてきた道を振りかえってみると草木谷や濁河温泉街が俯瞰できる。
秋になると、この辺りから眺める黄(紅)葉もすばらしい・・・


キバナシャクナゲ【写真】キバナシャクナゲ

溶岩のゴロゴロした石ばかりの登山道をさらに右上していく。
稜線に五の池小屋が見えてきた。
左手のハイマツ帯に目をやると、何かが光に反射して白く輝いている
「・・・・・」言葉を失った。それはまぎれもない「キバナシャクナゲ」の群生だった。しかも半端な数じゃない!
飛騨頂上にキバナシャクナゲがこんなにも群生しているとは、この時まで知らなかった(×_×)
この小坂コースは4回目だが、6月の入山は初めてだったので無理もない(^^;A



飛騨頂上【写真】9合目の飛騨頂上

残り一息で五ノ池小屋。
背後には飛騨頂上の社も建っている。

この五ノ池小屋は、御嶽山の中では一番早く、そして一番遅くまで営業している町営の小屋である。
建てかえられたばかりでまだ新しい。
ここで働く小屋人は、コマクサの保護を積極的におこなっていると聞く。

五の池【写真】五ノ池と摩利支天山

小屋前の五ノ池は満々と水を湛え、池周辺にはミヤマダイコンソウ、イワベンケイ、ヤマガラシ、ハクサンイチゲなどの高山植物が咲き始めていた。

三ノ池の方には、まだ名残雪があり、雰囲気も神秘的なので、こちらにランチ用の基地をつくり、継子岳〜四ノ池の周回組(私)、摩利支天山組(女性のKさん)、昼寝組(男性陣2人)と分かれ、それぞれ散りじりとなった。




継子岳への道【写真】継子岳へはキバナシャクナゲの群生地の中を歩く

飛騨頂上の左手から継子岳の道は始まる。
ハイマツ帯の中に群生するキバナシャクナゲの量といい、質といい、その見事さに半ば唖然としながら、ひとり淋しく継子岳を目指す。
道は、なだらかで歩きやすい。
途中、重ね岩を過ぎると、やや登りがはじまるが、それほど苦しくもなく簡単に継子岳に着く。


継子岳【写真】2858.9mの継子岳 

壊れた張りぼてのドームの中に祠が祀られているところが継子岳である。
日和田からのコースはこの継子岳に出る。
ひとけのない静かな山頂だ。



稜線をみても、誰一人として歩いていない。
山頂表示のある案内板の前にザックを置き、剣が峰方面を眺める。








【写真】ミヤマダイコンソウと御嶽山

剣ガ峰と摩利支天山にはわずかに雪渓が残っているも、、少し霞がかって被写体が眠いのが残念だ(;_;)

ここでしばらくぼ〜っとしていたかったが、摩利支天山組の方が早く戻ってくるだろうから、こちらもそれに合わせて先を急ぐことにする。



II峰【写真】II峰

継子岳からは、東にあるII峰を目指す。
一旦ゆるやかに鞍部まで下りて、また溶岩帯を登り返す。

ほどなく摩利支天様が祀られたII峰。
真っ黒な溶岩の山といってもいい。
展望は、継子岳と同じくすこぶるよい。

II峰からは赤土とゴロゴロした石ばかりの登山道を四ノ池まで下る。
途中、私と反対回りで上がってこられた単独者とすれ違う。



四の池から継子岳稜線を見る【写真】四の池には池塘や小川がいっぱいあり、開田側に滝となって落ちていく

四ノ池は湿地帯になっているので、荒々しい剣ガ峰、摩利支天、飛騨頂上の稜線とは全く違う顔をもつ「山のオアシス」といってもいい。

夏には、高山植物がつぎつぎと咲き競う別天地だ。
【写真】三ノ池の稜線から摩利支天山が頭を出す

四ノ池から三の池への登りは、意外ときつい。
気は焦るが無理をせず、マイペースで稜線まで上がる。
三の池【写真】神秘的な三ノ池

三ノ池の稜線に上がったところで、昼寝組、摩利支天組と合流。
さっそく、池の雪渓から冷やしておいたビールを掘り出し、網で丁寧に焼いてしょうゆをまぶした焼きちくわで乾杯をする!

これがまた絶品なのだ♪o(^-^)o♪

【本日のメニュー】

焼きちくわ→焼きソーセージ→冷奴→きゅうりの塩もみ→焼きそば


焼きちくわはこんがり焼いてからしょうゆをかけ、さらにまた焼くのがミソ。ソーセージは粒マスタードをつけていただくとさらにおいしい。夏は冷奴に限る(^-^)


コイワカガミ
【写真】木に植生しているイワカガミ

たっぷりと休憩をとった後は、ゆっくりと濁河温泉まで下る。
帰り道は木道が続くので、無理をすると膝が痛くなるのでゆっくりと歩く。
登山口に着いたところで雨が降り出してきて、運良くセーフ (^-^)v
町営の露天風呂にゆっくり入ってから、下呂で腹ごしらえをし、家路についた。

(談)
濁河温泉から入るこの小坂口コースは、田ノ原や黒沢口コースとくらべ自然が豊かで高山植物が多く見られ、そして何よりも白装束の方が少ない。季節を変えて登ってみると新たな発見がたくさんあり、まだまだ御嶽山の魅力は尽きない(^-^)
次回はまだ登っていない日和田か開田高原からのコースを歩いてみたい。
コース紹介マップはこちら
全体の概念図はこちら

濁河温泉コース上で出合ったお花たち

イチヨウラン

イワカガミ

サンカヨウ
ミツバオウレン、バイカオウレン、オオバキスミレ、ゴゼンタチバナ、ズダヤクシュ、オオバミゾホウズキ、ミヤマカタバミ、タケシマラン、ヒメイチゲ、ショウジョウバカマ、ツバメオモト
継子岳〜四の池〜三の池の周回で出合ったお花たち

ハクサンイチゲ

ヤマガラシ

イワウメ
キバナシャクナゲの群生、ミヤマダイコンソウ、イワベンケイ、イワツメクサ

<参考コースタイム>

◆6時30分スタート→9時30分飛騨頂上
◆9時50分飛騨頂上スタート→10時15分継子岳〜四ノ池周遊→11時17分飛騨頂上
◆12時45分頂上スタート→13時43分のぞき岩→14時50分登山口帰着

・登山口(50分)湯ノ花峠(28分)のぞき岩(25分)お助け水(60分)飛騨頂上(25分)継子岳(60分)四ノ池〜飛騨頂上(32分)お助け水(23分)のぞき岩(15分)湯ノ花峠(50分)登山口

・歩行時間 飛騨頂上/2時間43分 継子岳〜四ノ池〜飛騨頂上の周回/1時間25分 下り/2時間
(全体の歩行時間6時間8分)
・行程時間 8時間20分

◆登山形式:往復登山
コース紹介マップはこちら

<見所>

6月のこの時期は「イワカガミ」と「キバナシャクナゲ」の見事な群生に出合うことができます。
継子岳〜四ノ池の周回は、御嶽山の懐の深さと自然の豊かさを味わうことができるので、余裕のある方は足を伸ばしてほしい。

<注意点>

行きはよいよい、帰りは膝にご用心


<アプローチ>

岐阜市からは、関〜金山線を抜け、41号線に合流したら下呂を過ぎ、一路飛騨小坂へ。
小坂町に入ると「濁河温泉」の案内看板が出ているので、間違えることはない。

<下山後の入浴>
【濁河温泉 町営露天風呂】
露天風呂だけがあり、湯量もたっぷり。ハイシーズンは観光客やハイカーなどで賑わう。


入湯料:500円
補足:石鹸あり。シャンプー&リンス、タオル持参のこと


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