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横山岳(1132m) 平成15年5月24日 うす曇 | |
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まえがき・・・花の横山岳、渡渉の横山岳、骨折、ザック滑落、転落死事件・・・と、話題には事欠かない山である。友人より耳にタコができるくらいいろいろ聞かされてきた山なので、一度は踏んでみないと・・・と、朝思い立って出かけることにした。 |
![]() 岐阜市を6時すぎに出発し、303号線で坂内村を抜けて滋賀県の木ノ本町へ向かう。道路は一部拡張工事中で、ところどころ狭いところでは対向車が来ると退避所で待たなければならないが、総じて快適なドライブコースといった感じ。 滋賀県に入り、金居原を過ぎ、『杉野』部落に入るとじきに左手にJAのガソリンスタンドが見えてくるので、そのY字路をヘアピンのように右折する。 『横山岳』の大きな案内看板があるので、チェックをしておく。 杉野の部落から網谷林道に入り、山あいの中を走っていくと広々とした横山岳の駐車場に着く。 トイレもあるのでここで利用するとよい。 かわいい鳥小屋のような登山届BOXを開けるとノートがあるので、名前を書いて出発する。 8時20分スタート。 |
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![]() 白谷出合からは左岸の林道を行く。 しばらく鼻歌交じりで歩いていると、左手の草つきにオドリコソウの群生を見つける。 タニウツギ、ムシカリも満開だ。 林道の先では、「崩落に付き迂回路」という指示に従い、谷の右岸を高巻いていく。 |
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![]() 道は急に狭くなり、ざれていて、急な下りがあったりと注意が必要だ。 少し高度を上げてくると横山岳の西峰が顔を出す。 視線を東に移すとゆるやかな東峰も見える。 |
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![]() 渓流沿いの道まで一旦下ると、渡渉が始まる。 右へ左へと、沢を何度も渡り返す。 渡渉の横山岳とは、このことだ。 春の雪解け時期はさぞかし流れが速く、ストックを持っていないと危険だろう。 小滝がいく筋も流れ、気持ちがよい。 途中、山シャクヤクを何本も見つけたが、花の時期はすでに終わっていた(;_;) |
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![]() 登山口から40分程で『経の滝』。 水量が豊富だ。 三人のグループが滝の際で何かを採取していたので、聞くと『ウワバミソウ』だという。 ゆがいて、油いためにするとおいしいらしい。 山に生えているものは、7割は食べられるという。 「ふ〜ん、そんなにあるんだ」と感心してしまう。 経の滝からは右岸側を高巻き、再び左岸へ渡る。 |
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![]() 登山道にときおりブナの大木が枝を広げ、一服の清涼感を与えてくれる(^-^) どうしてブナってこんなにも人にやすらぎをあたえてくれるのだろう・・・ 他の樹木とは一線を引いているように思う。 白いまだら模様の苔むした古幹が、枝を大きく広げて、春には少し黄味がかった新緑で、秋には黄金の黄葉で、いつも変わらず、そこへいけばやさしく登山者を迎えてくれる。 ブナは人を元気にしてくれるセロトニンという脳内物質を与えてくれるのかもしれない。 |
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![]() 傾斜がまして二俣になると、さらに奥に進んでいくつもの滝を形成している支沢を渡って右岸を渡り返し、急傾斜の道をジグザグに登ると、上段15m、中段10m、下段3mほどの『五銚子の滝』があらわれる。 カメラに収まりきらないのが残念(~~; この滝で10分ほど休憩をする。 滝壷を打つ水の音が清々しい・・・ ・・・五銚子という名前の由来は、昔谷にあった神社に奉納するお神酒の銚子を清めたからといわれている・・・ |
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![]() 休憩用の横木に落ちていたはっぱ。 秋の黄葉がたのしみ・・・ |
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![]() 滝からは右の谷を登り、二俣を分ける急尾根にとりつく。 滝の上部に出ると、トラバースや傾斜のきつい道がつづく。 ところどころ固定ロープが張ってあるが、慎重にいく。 登山道には、ヒトリシズカ、イワウチワ、ミスミソウの葉っぱだけが残っていた。 途中、シライトソウが2輪咲いているのを見つける。 ふくらはぎが痛くなってきた頃、頂上まで300mの励まし看板があらわれる。 「ふ〜、やれやれ、なんと暑いことか(^^;A」汗だくの山行だ。 |
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![]() 急傾斜の道が終わって、ササがあらわれるとやっと山頂。 二等三角点がある。 東京からの団体さんがランチタイム。総勢15名ほど。 人のよさそうなご婦人に聞いたところ、横浜、東京、埼玉など関東圏から集まった新ハイキングクラブの会だそうだ。「えっ?あの本を出している新ハイキングの会?」 ※紀行とガイドを主体とする日本で唯一のハイキング専門誌を発行している。 雑誌発行とともに、山行のクラブの活動も盛んで毎月バラエティーに富んだ50コースほどの山行がボランティア精神あふれるリーダー(係)のもとで行われているそうだ。 これまで4万人近くの方が会員になり、雑誌と共に自然を愛し歩くことを愉しんできたという。 なるほど、リーダーさんが2人ほどみえて、世話を焼いていらっしゃった。 しばらく神奈川のご婦人と雑談をしてから、11時18分下山開始。 東峰は霞んでいたので、パス。 |
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![]() 下山道は往きとは違う三高尾根をとる。 急傾斜なので慎重に下る。 6分ほどで三高尾根展望地。 南西に広がる山々と木の本の村落がぼーっと広がっている。 |
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![]() さらに傾斜はひどくなり、固定ロープをところどころ利用しながら下る。 見事なブナ林の登山道に出ると、ゆるやかな歩きとなる。 静かで、こちらのコースは往きの白谷コースとは別の趣きがある。 滝展望地を過ぎるとまた急傾斜の登山道になり、固定ロープが道なりに張ってある。 あまり急ぐと膝にきそうだったが、歩行練習のつもりで少し急ぎ気味に下りてみる。 |
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![]() 途中、ご夫婦連れに挨拶をして先に失礼をする。 鳥越峠を過ぎると、じきにコエチ谷分岐。 この分岐から墓谷山にいくことができる。 樹林帯の中、ジグザグに10分程くだると網谷林道に出る。 |
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![]() 杉林の林道を10分も歩くとコエチ谷コース登山口。 ここを左折して、炭焼き小屋を過ぎたら、駐車場に着く。 登山届BOXのノートに下山時刻を書いて、無事終了。 汗だくの一日だったが近くに日帰り温泉がなかったので、自宅までまっしぐら(^^A; |
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(談) ちょうど花時の谷間なのか、『花の横山岳』というタイトルからはほど遠い印象になってしまいました。 それにしても渡渉回数の多いこと。雪解け時期や雨後は要注意ですね! これからしばらくは1000m級の山は暑くて、ちょっと敬遠したいと思いました(^-^) |
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コース紹介マップはこちら |
■登山道で出合ったお花たち | |
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【写真】シライトソウ オドリコソウ、ミヤマキケマン、タニウツギ、ムシカリ、シロバナエンレイソウ、キランソウ、シャク、アマドコロ |
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<参考コースタイム>
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