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鹿島槍ヶ岳(2889m)&爺ケ岳(2669m) 平成15年5月3・4日 快晴 | ||||||||||
1日目 | ||||||||||
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まえがき・・・GW後半は鹿島槍ヶ岳。昨年のリベンジ編ということになる。岐阜市を2時半に出発し、豊科インター近くで登山靴を忘れてきたことに気づく。この失態は致命的だと思った。しかし、家を出てからすでに3時間。今さら後戻りすることはできない。高速も渋滞が始まりかけていた。連れに山を変更したほうがいいかも・・・と独り言のようにつぶやいてみたが、聞こえないフリされた(~~; |
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![]() 豊科ICから大町市へ入り、大町温泉郷方面を目指し扇沢の鉄橋のたもとに車を止める。(ここから先2〜3分で扇沢バスターミナル) 6時ですでに駐車場は満車。仕方がないので登山口の前に縦列駐車をして準備をする。 履いていたトレッキング靴に借り物のスパッツをつけ、とりあえず行ける所まで行こう・・・種池山荘も冷池山荘もあることだし・・・いざとなれば・・・と、トーンがすでにあきらめモード↓ 扇沢登山口には「爺ケ岳登山口」と書いた標識があり、扇沢の左岸をあるいて登山道に入る。 道はよく整備され、夏道と残雪の上を交互に歩いて行く。 |
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![]() 登山口からしばらくはシャクナゲの群生している静かな樹林帯を歩く。このシャクナゲの樹木の数は八ヶ岳に匹敵するほどだ。開花の時期はさぞかし見事なことだろう。 足元の雪がそろそろベチョになりだし、靴が湿っぽくなってきた。 1時間20分ほどで種池山荘がよく見えるポイントに出る。 種池山荘〜岩小屋沢岳〜鳴沢岳までよく見える。 1917mポイントを過ぎ、その先で種池山荘へ行く道と分かれ、爺ケ岳の直下の尾根に取り付く。 |
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![]() 爺ケ岳の尾根上から振り返ると、蓮華岳〜針ノ木岳〜スバリ岳の稜線が見渡せ、針ノ木岳直下に顕著な雪渓が確認できる。 この夏はあれだ!蓮華岳のコマクサもいいなあ〜。。。出だしからいろいろ夢が広がる。 さらにその先に目を凝らすと燕岳、常念岳、そして槍ヶ岳、穂高の山々が眺められる。 素晴らしい景観になかなか足が進まない。 |
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![]() 爺ケ岳の南尾根と合わさって、やっと爺ケ岳の頭が見え出してきた。 南峰、中峰、北峰の3つの頂きをもつ山だ。 残雪が切れたら、こんどは頂上直下の石のゴロゴロした道を登りつめていくのだが、途中靴が滑って転んでしまい右足の向こう脛を嫌というほど打った。 「さい先、悪ぅ〜」さらに慎重に歩くことにした。足首がまるっきり出ているのでくるぶしが石の角に当たると痛いのなんの(;o;)登山靴の構造になっていないのだから当たり前だけど。。。「はあ〜。。。」 やれやれ、やっと爺ケ岳に到着!なんと長い尾根歩きだ。 |
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![]() 爺ケ岳南峰からは360度の展望が広がる。 八ケ岳、中央・南アルプス、富士山まで見える。 この爺ケ岳が鹿島槍ヶ岳の通過点に過ぎないとしたら、なんともったいないことか! 爺ケ岳が目的の山であってもおつりがくるほどだ。 ![]() 【自称〜変なおじさん】 南峰でお昼休憩をとっていると背広姿の変なおじさんが上がってきた。 「ヤマケイにも紹介された変なおじさんが僕です!」とニコニコしている。 はじめ、ここで背広に着替えたのかと思っていたらどうも違うらしい。他の登山者も珍しいのかみんな一様にカメラを向けている。中には一緒に記念写真をお願いしている人もいた。 世の中にはほんとに変な人がいるもんだ。 この人の革靴に比べたら、私の靴のほうがず〜〜っとましだ(^-^) でも、さすがにこの先には行かない様子だった。 |
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![]() 爺ケ岳の南峰から一旦鞍部におりて、中峰、北峰の山肌を縫って冷池山荘へ向かう。 爺ケ岳中峰を踏まないと爺ケ岳に登頂したことにならないので、明日の帰りに立寄ることにする。 |
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![]() 爺ケ岳南峰から1時間も歩くと赤岩尾根との出合に着く。 大きく立ちはだかる双耳峰の鹿島槍を眺めるのに絶好のお立場でもある。 本来はこの赤岩尾根がメーンルートだが、アプローチが不便な上、高度差をもった急峻な尾根道なので、最近は柏原新道を利用する登山者が圧倒的に多いと聞く。 この出合から一下りで冷池山荘。 |
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![]() 登山口から7時間かかって冷池山荘に到着! 時計を見ると午後1時10分。 チェックインを済まして、一旦部屋に入り靴下を脱ぐ。 靴はべちょべちょで靴下も濡れて重い。 さあ〜、これできょうの行程も終わったわ、やっと一息つけるとほっとしていたら、「さあ〜鹿島いくぞ〜」と連れは今日中に鹿島槍に行く気満々(~~; 「ちょっと、ちょっと、このタコだらけの足でいくのぅ〜?」とこちらの訴えるような顔には目もくれず、必要なものだけをザックに詰め替えているではないか! 「ふう〜。。。やれやれ。。」仕方なく、また濡れた靴下と靴に足を突っ込む。 |
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![]() 小屋人に食事を6時に変更してもらい、1時50分に山荘を出る。 鹿島まで手前の布引山を越えていく。 雪はたっぷりと残っているがアイゼンをつけるほどではない。 高低差のきつい場面ではピッケルの歯を利用して登る。 途中、鹿島槍南峰の鎌尾根で先月の4月7日に雪崩で友を失ったという若者が、3つの花束をもって弔いに訪れていた。 ちょうど、その時その鎌尾根を登ってくる若者の集団があった。弔いに訪れていた若者は失われた昔日を思い出しているかのようにその集団を見守っていた。 |
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【写真】登山道のすぐそばに冬衣の雷鳥があらわれ、しばし足を止めて観察をする。
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![]() 3時25分に鹿島槍ヶ岳に到着。 この時点で北峰にはタイムアウトでいけない。 山頂から、グルッと周りを眺めると、百名山がいくつ見えるだろうと数えてみる。 剱、立山、薬師、槍、穂高、常念、木曽駒、空木、甲斐駒、仙丈、富士山、赤岳、編笠、五竜、白馬・・・多分、水晶、鷲羽、浅間、金峰、瑞牆も見えているのだろうけど未熟で正確に指差すことができない。 |
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6時までに山荘に戻らないといけないので、4時に山頂をあとにする。 北峰へ行けなかったことは心残りだが、またいつか五竜岳まで縦走することもあるだろう・・・ 5時25分に山荘に到着したが、慣れない足元と9時間もぶっ続けで歩いていたのとで気分がかなり悪い(~~; 着装を解くとまもなく食事の時間になったが、食欲はゼロ。卵焼きのにおいを嗅いだだけでムカムカする。それに引き換え、連れはおいしそうに4杯もごはんをお代わりして、おまけに食べないならもらうよと言って私のおかずまで全部平らげていた。 いるんだ、2500m越えると途端に元気になる人が・・・(^^A; その夜は、横になった途端みじろぎもせずに寝てしまった。よほど疲れきっていたようだ。 |
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2日目 | ||||||||||
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翌日目が覚めたら、昨夜のムカツキが嘘みたいに快復していて、食欲も戻っていた。 連れは昨夜足がつって一時はどうなるかと私を起こそうとしたらしいが、死んだように寝ていた私はそんなことがあったなんてツユとも知らなかった(^-^) |
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![]() 冷池山荘から少し上がったテン場で、朝日を受けた荘厳な鹿島槍をまじまじと眺め、きょうも一日天気に恵まれたことに感謝をする。 朝の冷え込みで雪がアイスバーンになっていたのでアイゼンを装着し、赤岩尾根出合に向かう。足首周りがないので、アイゼンのヒモが食い込んで痛い。 |
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![]() 赤岩尾根出合で雪がなくなったのでアイゼンをはずす。 振り返ってみるとお世話になった山荘の赤い屋根が見える |
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![]() 赤岩尾根出合からは爺ケ岳北峰をやり過ごし、最高峰の中峰を目指す。南峰との分岐にザックをデポして、空身で往復をしてくる。 展望はやはりすばらしい! 剱から立山〜薬師のスカイラインが印象に残る。 |
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![]() 鹿島槍ヶ岳の美しいライン |
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![]() 爺ケ岳中峰から南峰に上がり返し、そこで長休憩をとることにし、ビショビショになったトレッキング靴を脱いで乾かす。 よくもこんな靴でここまできたもんだ。 この失態を二度と繰り返さないよう玄関を出るときは「--OK,--OK」と一つずつ声に出して確認しようと肝に銘じた。 きのう、今日と山は真夏日。 今さらと思ったが、バンダナで紫外線対策をする。 |
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![]() 山頂でミネストローネを作っていると、スキー板を担いだグループが4人上がってきた。 この南斜面を滑降して、また山頂まで上がってくるのだという。 メンバーに一人だけ女性がいたので、彼女に焦点を絞って撮影する。 かっこいい〜!! こんな素晴らしい景観に囲まれて、スキーができたら最高だろうなぁと思う。 思いっきり展望を目に焼き付けて、扇沢まで戻る。足の指先にはタコができ、かかとのマメは潰れ、車についたらまず靴を脱いで足を投げ出した(^o^) |
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(談) 今回は反省、反省、反省の言葉しか思い浮かびません。 とはいうものの、行ってみたらなんとかなったという変な自信もついてしまいました。この夏は新越山荘がオープンしたら、種池山荘〜新越山荘〜スバリ岳〜針ノ木岳〜蓮華岳を周回してみたいです\(^o^)/ |
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コース紹介マップはこちら |
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<参考コースタイム>
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