登山日記
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野伏ガ岳(1674.3m) 平成15年4月6日 快晴
まえがき・・・日本300名山の野伏ガ岳には登山道がなく、夏は背丈を越すササに悩まされ山頂を極めるには困難なため、雪が締まったこの時期を選んで登られている。最近では山スキーのメッカとして広く知られるようになりスキー板をかついだ登山者が増えてきたとも聞く。

野伏が岳登山口にある滝【写真】豪快な滝(登山口から先の橋で)

石徹白(いとしろ)スキー場から右折して、しばらく走った突きあたりにある白山中居神社が野伏ガ岳の登山口。
車は神社横でもよいが、神社の左手を下って橋を渡ったところにも数台止められる。
6時半ですでに10台の先客あり。
雪質がわからなかったので、スノーシューをかついで出発する。
林道を歩き始めるとすぐに橋を右に渡る。堰堤からは豪快な滝が流れ、雪解けの季節に入ったのを感じる。

ザゼンソウ【写真】雪解け水が流れる林道にザゼンソウが・・・

林道の雪が腐って、道が沢のようになっている箇所もあった。
深い穴ぼこにはまらないように、慎重に足を運ぶ。
雪解け道にはフキノトウがちらほら顔をみせ、仲間が昼飯のおかずにしようと言って採取できたのが5つ(~~;
途中、僧侶が座禅を組んだ姿に似ているザゼンソウにも出合う。





和田山牧場からの野伏が岳【写真】和田山牧場から仰ぐ野伏ガ岳のダイレクト尾根

そろそろ林道歩きも飽きてきた頃、和田山牧場に到着。
広々とした雪原が目の前に広がっており、実に気持ちがよい。
昔はここで牧場が営まれていたという。
標高1000m、ゆるやかな雪原の下にはいくつか池塘が点在しているが今は雪の下。

これから登る野伏ガ岳のダイレクト尾根がハッキリ、クッキリと視界に入ってきた。
みごとに顕著な尾根だ。

ダイレクト尾根へ【写真】尾根の取り付きまで雪原を歩く

思ったより風が強い。
水分補給の為にはずした手袋が飛んでしまったくらい強烈だ。
耳当てのついた帽子に取り替えて風対策を万全にしてから出発。
ダイレクト尾根の取り付きまで大黒山を右回りに巻いていく。
野伏ガ岳の頂上から南東に伸びているダイレクト尾根の取り付きまできたら、12本アイゼンをつけて、直下の急登を尾根まで一気に登った。





尾根に上がると素晴らしい景色が【写真】ダイレクト尾根に上がると素晴らしい景観が待っていた!

雪は深いが、先発隊がすでに足元を固めてくれているので、踏み跡をたどっていけばさほど苦労もなく尾根に立つことができた。
尾根からは、それまで見えなかった景観が広がり、西には小白山が、東には大日ガ岳が、前方には願教寺山、銚子ケ峰を見ながら歩くことができる。
尾根の歩き始めはブナやダケカンバの樹林がまばらに点在するが、高度を上げていくにつれ、高木は少なくなってくる。


大きなブナの木目指して【写真】一つ目のコブにある大きなブナの木めざして

最初のコブのピークには大きなブナの木が立っているが、このブナは下の和田山牧場から見るとちょうどダイレクト屋根の中間の位置に立っているのが分かる。
このブナの下で、小休憩をとり、息を整える。
周りを見回せば、360度雪山の世界。
3月末に登ったばかりの毘沙門岳もよく見える。





二つの目のコブを越えたらいよいよ野伏【写真】二つ目のコブにさしかかる

二つ目のコブまで、息せき切って一歩一歩登っていく。
下からみているとなだらかそうに見えたが、結構アイゼンをつけた足にはこたえる。
景色を眺めつつ、自分をだましつつ、山頂へと近づいていく。

遠目だが、山スキーヤーがいっぱい滑り降りてくるのが確認できた。楽チンでいいなあ〜〜

ダケカンバの樹氷【写真】ダケカンバの樹氷

標高1500mあたりではダケカンバの樹氷が美しい。


二つ目のコブを越えたらいよいよ野伏の山頂へ【写真】二つ目のコブを越えたら、いよいよ野伏の山頂へ

二つ目のコブを越えたら右へ回り込む。東尾根からの合流点に出て、やっと奥ゆかしい野伏ガ岳の山頂部が顔を出す。
すでに登頂を終えた登山者の何組かとここですれ違う。

いよいよ最後の登りにとりかかるが、この急登がアイスバーンになっているから気をつけるように・・・と聞いていたが、きょうのところはさほどでもなかった。


野伏が岳【写真】野伏ガ岳山頂

10時30分野伏ガ岳に到着!

山頂部は広い平坦地で、周りを見渡せば、白銀の山、山、山・・・山名当てっこもキリがないほどだ。たった一つ残念だったことは別山までは見えるが、肝心の白山がガスで見えなかったことくらいか・・・【まんぞく、まんぞく、ばちが当たる】

三人揃ったところで、野伏ガ岳のプレート代わりに仲間が用意してきた毛筆の山頂表示で「はい、チーズ!」



エビの尻尾【写真】エビのシッポ

山頂の気温は−3度。
寒がりやの私は我慢できなくて「おおっ寒!おおっ寒!」を連発して、名残惜しそうな二人をなかば強引に引っ張って下山開始した。
途中、分岐で東尾根へ行きそうになったが、「こっち、こっち」と仲間に呼び戻され修正する(^^A;
尾根上の風のあたらない場所でやっとゆっくりランチタイム。
やっぱ雪山はいいなあ〜〜【風さえなければ(^o^)】

たっぷりと摂ったランチ後は往路を戻り、和田山牧場からは林道をカット、カット、カットして登山口まで1時間で下りた。歩行時間 6時間30分、ひさびさによく歩いたもんだ。


中央に荒島岳がうっすらと・・・

小白山(野伏山頂から) ステムフロー現象※(下記参照)


(談)
※雨が降ると、小枝から雨を集めて幹を伝って雪をとかす現象のことをステム(幹)フロー(流れる)といいます。樹木の周りの雪だけがとけていたら春が近づいてきた証拠ですね。\(^o^)/
コース紹介マップはこちら
ザゼンソウザゼンソウ(サトイモ科ザゼンソウ属)

座禅を組んだ達磨大師に似ていることから名付けられました。花は葉が成長しないうちから咲き、長さ20センチのほどの仏像の光背に似た仏炎苞に包まれ、悪臭を放ちます。葉は円心形で成長すると30〜40センチにもなります。

<参考コースタイム>

野伏ガ岳
◆6時40分スタート、15時25分帰着

・登山口(1時間30分)和田山牧場跡(40分)尾根取り付き(1時間40分)野伏ガ岳(1時間)尾根取り付き(40分)和田山牧場跡(1時間)登山口

・歩行時間 登り/3時間50分 下り/ 2時間40分
・行程時間 8時間45分

◆登山形式:往復登山
コース紹介マップはこちら

<見所>

雪山のこの時期だけ登ることができる野伏ガ岳は、遮るものが何もない最高の展望地!

<注意点>

ガスが出ると和田山牧場一帯は広いため方向を見失うので要注意。


<アプローチ>

東海北陸自動車道の白鳥ICで下車。156号線に合流したら、一路「石徹白(いとしろ)スキー場」を目指す。スキー場前を通過したら、「白山中居神社」への指導標に従い5分も走れば神社に到着する。

<立ち寄り温泉>
◆満天の湯
入浴料:700円(シャンプー、石鹸あり)
場所:白鳥スキー場の駐車料金所の向かい

<立ち寄り蕎麦>
◆泉屋
冷たいじねんじょのとろろ蕎麦が格別においしい!(5月連休までの冬場の期間限定品)
暖かいのと冷たいのがあり。
場所:郡上郡八幡町下日吉町(桝形地蔵さんから入ったすぐのところ)
電話:0575−65−2235


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