登山日記
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 西穂独標(2,701m) 平成15年3月23日 快晴
まえがき・・・里は春めいてきても、この時期の穂高連峰はまだまだ厳しく、登山者を寄せつけまいとしている。そんな中、西穂高の独標だけは、ロープウェーを使えば短時間で登頂ができ、そこには想像以上の素晴らしい景観が待っているという。

朝日を受けた神々しい笠ガ岳を拝みながら新穂高温泉へ向かう。始発ロープウェーに乗り、千石平へ。
千石平からはシラビソの美しい樹林帯の中、安定した雪道を西穂山荘までアップダウンを繰り返しながら登っていく。 独標〜西穂高岳に続く山並群がまるでヨーロッパアルプスのようで、何度も足を止め心ゆくまで眺めた。


1時間ほどで樹林帯を抜けると西穂山荘に到着。
焼岳と乗鞍岳がすぐ間近にせまり、ここでもう満足してしまうのだった。
ダケカンバに張り付いた霧氷が氷に変わり、朝日を受けてキラキラと輝く。 山荘からはどこから見ても笠の形をした笠ガ岳を遠望することができる


積雪4mの山荘前でアイゼンをつけ行動食もとって、いよいよ待望の独標へ。 夏道は診療所横の大岩の登山道を行くのだが、この時期はダイレクトに直登していく。 ほんのわずか登っただけで景色は一変してしまう。前方には西穂の山並みが・・・


エビのシッポならぬ、氷のシッポ。冬の厳しさを物語っている。 丸山に近づいてくるとピラミッドピークや独標が頭を見せる。 左右の眺望が開けた稜線歩きは、東からの突風で左頬と耳が凍傷になりそうだ。 いよいよ独標に近づいてくると、登山道も一層厳しくなってくる。


独標に登っている登山者の姿が見えてくるが、足元はアイスバーンがあって気が許せない。 振り返って見ると、自分たちが通過してきた難所を登ってくる登山者の姿が見える。 鎖のついた最後の難所を登り切ると独標。思ったほど寒くない。記念写真をとってもらいご満悦のピース。


奥穂〜前穂のダイナミックな吊尾根。
去年の秋、単独で歩いたことを思い出す・・・
西穂からジャンダルムへと連なる最難所のコース。
今年の夏は挑戦したいなあ〜


下りはクサリを使って慎重に。
ザイルを使っている者がいたが、ここでは必要ないと思う。練習なら別だが。
焼岳と乗鞍岳を眺めながらの優雅な下山道。右見ても左見ても垂涎の山ばかり。 小屋前でゆっくりランチタイムを楽しむ。風もなくのどかなひとときを存分に味わってから帰路に着いた。
(談)
この日は、さすがに天候を狙って1ヶ月待っただけあり最高の山登りとなりました。
本格的な雪山をこんなにも短時間で楽しめるなんて、ロープウェーがあってのことです。
しょっちゅうこんな素晴らしい雪山ばかり登っていたら、1000m級の雪山がボタ山に見えてきてしまうなあ〜なんて、みんなで大笑いして帰ってきました(^-^)

<参考コースタイム>

西穂独標
◆9時スタート(ロープウェー始発8時30分に乗車) 15時10分帰着(駐車場に16時到着)
千石平(60分)西穂山荘(55分)丸山(20分)西穂独標(50分)西穂山荘(60分)千石平

・歩行時間 登り/2時間15分 下り/ 1時間50分
・行程時間 6時間10分

・登山形式:往復

<見所>

☆千石平から西穂山荘までの樹林帯では、槍ヶ岳〜西穂高まで眺めることができる撮影スポットがある。
☆西穂山荘から西穂独標までの登山道では、笠が岳、焼岳、乗鞍岳、霞沢岳、六百山、梓川が遠望できる。
☆独標からは360度の大パノラマ、言うことなしの展望が広がる。

<注意点>

独標へ取り付く直前にロープの張ってある難所があるが、道は細い上、岩の表面がアイスバーンになっているので手がかりがつかみにくいため要注意!
独標に取り付いたら、クサリのついた岩峰を3点支持で登っていくが、雪で滑りやすくなっているので特に下りでは注意を要す!
西穂高岳までは、この時期は上級コースとなり、ベテランあるいは山岳ガイド同行でないと危険。

12本アイゼン、ピッケルは必携。ストック、ワカン、スノーシューは、雪の状況による。


<アプローチ>

高山市から新穂高温泉へ。この時期ロープウェーの上の有料駐車場は無料で開放されている。

<立寄り温泉>
◆山荘富貴
露天風呂からは錫杖岳が目の前に聳えるのでお勧め。まだ人にあまり知られていないのでいつも空いている。
場所は新穂高バス停から中尾温泉に向かう途中、左手に北アルプス大橋に行く分岐に「山荘富貴」の標識があるのですぐわかる。
・入泉料:700円
・シャンプー、石鹸あり


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