登山日記
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錫杖ケ岳(676m) 平成15年2月9日 曇り
まえがき・・・三重県の錫杖ケ岳は標高こそ676mと低いけれど、その姿かたちといい、山頂からの眺望といい、十把一絡げにはできない低山と聞き、所用のついでに立寄ってみることにした。

錫杖【写真】 錫杖湖畔から眺める錫杖ケ岳

亀山を過ぎて関ICから津関線(10号線)を通り、錫杖湖へ向かう。安濃ダムのある宝並トンネルを抜けたら、錫杖湖が広がり、円錐形の錫杖ケ岳が現れる。
このまま登山口に向かうのは惜しいので、湖畔の突堤休憩所に立寄り、写真を1枚撮る。


安濃川【写真】安濃川の下之垣内(シモカイト)集落の白い橋の所が駐車場

錫杖湖の南を走る道路をそのまま西に向かう。
途中、大谷トンネル、笹子トンネルを抜ける。
大きな湖から別れを告げて、安濃川沿いに走ると、白い橋が見えてくるので、その橋の手前の駐車場に車をとめておく。7〜8台は可能。登山口はこの白い橋を渡ったところにある。




本法寺【写真】本法寺横がBコース登山口

橋を渡ったところで右へ行くとAコース登山口、左へ行くとBコース 登山口に分かれていて、今日はBコース→Aコースの周回で楽しんでみることにする。
本法寺の庭掃きをしていた女性の方が「この辺りは平家の落人が住みついてできた部落ですよ」ときさくに話し掛けてこられた。
寺の横から登山口は始まる。(きれいなトイレがあるので利用するとよい)

赤いカップ【写真】赤いコップが異様に目立つ給水場

最初は白いガードのついた沢沿いの道を行く。しばらくすると丸木で拵えた道に変わるが、辺りは一面の杉林で薄暗いためか参詣道のような雰囲気。
足元に群生しているフユイチゴの葉だけが明るさを演出してくれる。
沢を右に見ながら、ゆっくり足を進める。
途中で、赤いコップがぶら下げてある給水場に着く。




休憩ポイント【写真】最初の休憩ポイント

杉林にヒノキが混ざる辺りから、傾斜がきつくなってくる。
国土地理院の地図を見ると沢沿いから尾根に取り付いたのがわかる。
最初の休憩ポイントを通り越し、人工の石階段を登りきると、痩せた尾根歩きに変わる。両サイドはすっぽり切れ落ちているが、道幅があるので恐くはない。



Aコース、Bコース分岐【写真】Aコース、Bコースの合流点にあるベンチ

山頂まで残り300m地点で、登山道から左にそれた地点に展望台のある休憩ポイントがあった。ちょっと立寄って錫杖湖を俯瞰する。
もとの登山道に戻り、一登りするとAコースとの合流点に出る。
ここにも休憩用のベンチがあった。
この山は地元の方たちのハイキングコースになっているのかもしれない。





お昼休憩【写真】屋根付きの休憩所

ここからさらに木の階段を登っていくと、鯉のぼりの泳いでいる屋根付きの休憩所に到着する。至れり尽せりのコースである。
ここでお昼休憩することに決め、ザックをデポしておいて先に山頂を目指す。



関町からの合流地点【写真】関町加太(かぶと)からの合流点

このコースでは初めての石と岩混じりの登山道らしい登山道を手を使って登る。
すぐ先で、関町からのコースと合流し、さらにもう一登りであっけなく錫杖ケ岳に到着。
これまでの登山道の様子からでは想像もつかない絶景が広がっていた!(屋根付き休憩所から3〜5分)



大岩の重なる山頂 676mの最高点 眼下に広がる錫杖湖

山頂部は岩石が堆積していて、これが里や遠方からみると円錐形の頂点を成しているのだと改めて得心する。風が強く、じっとしていると吹き飛ばされそうだ。南に経ヶ峰と伊勢湾、眼下に錫杖湖、北西に御嶽山が見える。本来なら真北に鈴鹿連峰が見えるのだが、あいにくその方面だけガスがかかっている。
名古屋から電車で来たという自称浪人生が一人と、二人連れの男性の方(いづれも関加太コースから)が先着されていた。
一旦、ザックをデポしておいた休憩所まで戻り、カレーうどんを作って食べてから、後ろ髪を引かれたのでまた錫杖の山頂まで登ってみた。

うん、じつにいい!低山の中でも推奨に値する山だ!



Aコース登山口【写真】降り口のAコース登山口

復路は、A・Bコース合流点まで戻り、Aコースをとる。こちらはBコースと違い、根っこ混じりの登山道らしい道で、傾斜のきつさもBコースと同じくらい。途中、福徳経由関駅への道と分けて、下之垣内へと下る。
標高400m辺りで痩せた尾根歩きになり、さらに標高が50m下がると沢に出合う。こちらのコースからは、まだ結構たくさんの人が上がってきた。Bコースは木の階段が多いからつまらないかも・・・と思う。
林業従事者のお昼休憩の横を通って、林道を下れば登山口に到着。あとは往きに通った白い橋を渡れば駐車場に着く。

(談)
鈴鹿の錫杖ケ岳は、友人からいつもその名前を聞かされ頭にこびりついていました。機会があれば一度登ってみたいものだと思い、ちょうど鈴鹿方面に所用があったのでやっと目的が果たせました。
低山でも、山頂部に登ってみるとこれが標高676mとは到底思えない高度感と展望が広がっていました。
これは、低山中でも推奨NO.1かも(^-^)
コース紹介MAP
錫杖ケ岳の名前の由来

関町加太(かぶと)と芸濃町河内(こうち)の境界をなす錫杖ケ岳は、山頂部が突兀(とっこつ)した岩山からなっているため、土地の人は「雀頭(じゃくとう)」と呼んでいる。
この名は、山容が修験者のもつ錫杖に似ているという説があるが定かではない。
古くから雨乞いの霊山として知られる。
(山頂部の案内板より)

<参考コースタイム>

錫杖ケ岳(Bコース→Aコース)
どちらのコースをとっても、登り下りとも同タイム(山頂まで雪はなし)
◆8時35分スタート、12時帰着

・Bコース登山口(65分)屋根付き休憩ポイント(5分)錫杖ケ岳(10分)Aコースへの分岐(50分)Aコース登山口

・歩行時間 登り/70分 下り/ 60分
・行程時間 3時間30分

◆登山形式:周回登山(単独)

コース紹介MAP

<見所>

錫杖ケ岳の山頂からは、美しい錫杖湖、真南に経ヶ峰と伊勢湾、北には鈴鹿の主脈が見える。この日は御嶽山もはっきり確認することができた。

<注意点>

Bコースは丸木階段が続くので単調、下りは膝にくる。Aコースは登山道らしいコースだが、根っこが多いのでツマヅキに注意すること。

<アプローチ>
東名阪自動車道を通って関ICで下り津関線(10号線)を通り、錫杖湖へ向かう。安濃ダムのある宝並トンネルを抜けたら、錫杖湖が広がる。さらにそのまま錫杖湖の南を走って、トンネルを2つ抜けたら、次第に湖と離れて安濃川沿いに走る。最初の白い橋が見えたら、橋の先に駐車場があるのでとめておく(7〜8台駐車可)


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