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■剱岳(2,998m) 平成14年8月15・16日雨と曇り | |||||
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![]() 2年越しの悲願であった剱岳登頂に再度挑戦するために、今回は体調も日程も万全の態勢で臨んだ。 立山駅には前夜12時に到着し、駐車場にテントを張って一夜を迎えるが、深夜に雨が降り出しテントが浸水しないかと肝を冷やす。 翌朝始発5:50(通常時は6時)のケーブルカーに乗って美女平へ。美女平からは待つことなくバスにのり、室堂へ向かう。 |
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![]() この立山カール一帯の石畳でできた遊歩道は、雨に濡れると滑りやすくなり、かなり慎重に歩かないと危険である。 登山靴を履いていても危ないのだから、サンダルやハイヒールのご婦人方は要注意である。 観光化のために一帯を美しく整備しようとしているのが逆に危険になってはいないだろうか?昨年の8月にここを歩いた時、ちょうど整備工事中だったが、この遊歩道は問題があると思う(独り言;) |
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![]() 雨の雷鳥沢キャンプ場を抜けると浄土沢に出る。 橋を渡って雷鳥沢コースが始まる。 ハイマツとナナカマドの中の登りから草原の道に変わると、道は大きくジグザグを描きながら高度を稼いでいく。 やがて傾斜が強くなり前方に鞍部が見えてくると剱御前小屋の建つ別山乗越に到着する。ここは6本のコースが交わる要衝である。 |
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![]() 剱御前小屋から今宵の宿・剣山荘へは山腹を横切って向かう。 下り始めで最初の雪渓を横切り、ウサギギクやハクサンフウロの咲くお花畑と岩の道を交互に繰り返し、さらに二つ目の雪渓を横切ると、やがて道は剣山荘へ下る分岐にぶつかり、ハイマツ帯の中に突然現れる池塘を通りすぎて剣山荘へ着く。 |
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![]() 今宵の宿・剣山荘には11時半に到着! 雨で一日停滞組と今日の入山組で宿はすし詰め状態になるかと心配したが、最終的には一人一組の布団が確保できたのでほっと一安心。 しかし終日この日は「雨」、明日の予報も「雨」。 室堂で分かれた友人のことを考えると、明日一日停滞するのがはばかれる(~~; 悲願の剱岳登頂も昨年に続き、またも「夢・まぼろし」と終わるのか。°°(>_<)°°。 |
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二日目 | |||||
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![]() 耳を澄ますと、雨はやんだ様子。 剱岳まで往復5時間は計算しておかなければいけないので、雨具を身につけて薄明るくなった5時に剣山荘をスタートし、一服剱に向かう。 狭いピークに立つと、前剱が聳えている。 |
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![]() 一服剱から一旦武蔵のコルへ下り、次の前剱への急登に取り付く。 岩場を慎重に攀じ登り、大岩の左側にかかっているクサリ場を過ぎると主稜線に立ち、じきに前剱のピークが見える。 |
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![]() 前剱では一服するのにちょうどよい広さがある。 朝ご飯を食べずに出てきたら、ここでお弁当を広げよう! 雑誌などでよく掲載される剱岳の写真で、左側に被さったように前衛になっているピークがこの前剱だ。 |
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![]() 前剱から次に現れるクサリ場からは、登りと下りが別コースになり、一方通行である。 一見恐そうにみえたが、取り付くと気持ちが引き締まり、慎重に渡れる。 |
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![]() 一旦上がったところで、今度は下りのクサリ場。 全面的にクサリに頼ると危険である。 あくまでも三点支持が原則で、クサリは補助的な支えで使う。 平蔵谷のコルに出ると、今度はいよいよカニのタテバイである。 |
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![]() ボルトとクサリが数ピッチ続く岩の急勾配である。 スタートが遅れると、ここで渋滞になり、1時間待ちは当たり前になるので剱は早出が原則である。 ワンピッチ事に前の人に続いて順に登っていくのだが、前のグループが腰につけたカラビナを1ピッチ事にクサリに掛けながら登っているので、遅々と進まない。 順番を待って、最初の足がかりをボルトの上に置き、慎重に登りつめていく。 ここから先は下り専用路のカニのヨコバイと出合って、いよいよ頂上への最後の登りとなる。 |
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![]() 傾斜のキツイ登りの先には馬場島から入る早月尾根との分岐点がある。 この分岐には立ち寄らず、剱岳山頂へ。 祠の頭が見えてきたら念願の剱岳。 |
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![]() 祠の前で、剱岳へは絶対行けっこないからせめて写真だけでも撮ってきて欲しいと頼まれた友人の写真を持って記念撮影をする。 周りの人たちから遺影だと思われたのか、撮影中ずっと気の毒そうな視線を浴びていたが、事情を説明したらみんなに爆笑された(^o^) ガスで眺望は望めなかったが、登頂できただけで大満足! 混んでくるのを予想し、早めに下山する。 |
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![]() もっとも事故の多いカニのヨコバイでは、最初の足がかりがポイントになることが分かっていたので、ベテランらしき方の後に続き、足がかりの指導を受けてから最初のクサリに取り付く。最初の一歩を踏み出す時に足元から垂直に岩壁が切れ落ちているので足場が見えないため、幅20センチほどのバンドを手探りならぬ足探りで探し、しっかりと足を置いたら後はカニのように横に移動していく。 |
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![]() クサリ場を通過したら、今度はハシゴ。 前の人が降りたら、取りつく。 ハシゴを降りたところが平蔵のコルで壊れたトイレの残骸がある所だ。 この平蔵のコルからカニのタテバイを見ると、すでに数珠繋ぎの列ができている。 待ち時間1時間は軽くありそうだ。 やはり、早出が原則! |
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![]() 平蔵の鋭い岩稜帯を過ぎ、クサリの直登を終え、前剱の西側を通って一服剱へ向かう。 下山路の途中から眺めた一服剱上の登山者がアリの群集のように見える。 一服剱から一旦剣山荘に立ち寄り、カレーライスをいただいてから、デポした荷物の整理をして、剣沢小屋へ向かう。 |
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![]() 剣山荘からは昨日のコースを少し戻って、剱沢小屋への分岐で剱沢小屋へ向かう。剱沢の雪渓を横切ったら30分程で小屋に到着! 剱岳の撮影にはもってこいの展望地(写真下)である。 ひとしきり、剱の眺めを満喫してから、キャンプ場を抜けて剱御前小屋へ向かう。 |
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![]() 剱御前小屋に着いた頃から雨が降り出し、剱岳にもガスがかかりはじめて、その勇姿も束の間の登場で幕引きとなった。 しかしながら、昨日の絶望的な気分から一転して、満足感と達成感でついつい口元がほころび、浄土沢にかかる橋を渡る足取りも口笛を吹きたい位軽かった。 |
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コース紹介MAP |
■登山道で出合ったお花たち | ||
剣山荘〜剱岳 | ![]() |
【写真】トウヤクリンドウが咲き始め、コバイケイソウ、ウサギギク、ハクサンフウロ、イワツメクサ、ヨツバシオガマ、ミヤマトリカブトの群生地、アキノキリンソウ、ミヤマセンキュウ、ミヤマシシウド、ミヤマダイコンソウ、チシマギキョウ、イワギキョウ、タカネヤハズハハコ、イワオウギ、コイワカガミ、ゴゼンタチバナ |
剱沢一帯 | ![]() |
【写真】タテヤマリンドウ、クルマユリ、カラマツソウ、ハクサンフウロ、アオノツガザクラ、ツガザクラ、チングルマ、ヨツバシオガマの群生地、イワツメクサ、ウサギギク、ウラジロタデの群生地、ダイニチアザミ |
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<参考コースタイム> 1、剱沢小屋の展望地から眺める剱岳 2、剱岳から眺めるパノラマ風景(今回はガスで見れませんでした) 3、みくりが池に写る逆さ立山三山 <注意点>
<一口メモ>
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