登山日記
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■阿弥陀岳(2,805m) 平成14年7月13日曇り後雨
クルマユリ【写真】 南沢づたいにお花を愛でながら歩く

美濃戸口から乗用車で林道に入り、赤岳山荘所有の駐車場(1日・1000円)に車を置いて7時半にスタート。阿弥陀岳が前方に大きく聳えている。
美濃戸山荘のオヤジさん(支配人)と軽く挨拶を交わしてから柳川南沢コースに入る。堰堤の階段を超え、苔むした樹林帯の中へ入っていく。
腐葉土の登山道の脇にはギンリョウソウの群生、沢沿いにはヤグルマソウ、ヤマオダマキ、オニシモツケ、クルマユリらが出迎えてくれる。

 

赤岳を仰ぐ【写真】赤岳を眺めながら歩く贅沢なコース

しばらくは沢の音を聞きながら、赤布やマーキングに注意を払い沢を左右に渡り返して進んでいく。
途中、階段状に小滝を形成している沢を渡渉したりするが、足元に注意を払えば問題はない。登山口から1時間ほどで小休止をとるにちょうど良い沢際のポイントがある。
この先しばらく単調な登りが続くが、ほどなく沢の源流部に出て赤岳が姿を見せる。雪のない赤岳はボテッとして今ひとつ迫力がない(^^; ここからは赤岳を眺めながら河原道を詰めていくと、もっと開けた白河原に着く。横岳の大同心、小同心の岩壁がきれいに見える。

行者小屋【写真】増築された行者小屋(バックは横岳の大同心、小同心)

広河原からはまた樹林帯に入るが、まもなくヘリポートのある河原に出直して一登りすると行者小屋に着く。
今年のゴールデンウィークに二度立ち寄ったが、その時にはなかった売店が増築され、トイレは新システムの浄化槽が導入されていた。小屋のスタッフから最新トイレのメカニズムについていろいろ話を聞き出すことができた(^-^)V
小休止のあとは、ザックに雨具と飲料水だけ入れて残りの荷物は小屋の倉庫にデポし、阿弥陀岳に向かう。

行者から見る阿弥陀岳【写真】行者小屋から見る阿弥陀岳

行者小屋からは、キャンプ場の前を通って河原道を進むと赤岳へ向かう文三郎道と中岳道の分岐に出る。
中岳道へは樹林帯の中を進む。林床にはかわいらしいオサバグサ、山腹にはキンポウゲ、ハクサンシャクナゲが満開。
ところどころぬかるんで急斜面の滑りやすい箇所が出てくるので注意が必要だ。



  バックに北八ヶ岳【写真】開けた山腹からはバックに北八ヶ岳、前方に赤岳が聳える

樹林帯を抜けると阿弥陀岳山腹の北斜面に出て、視界もぐっと開け、前方には中岳・赤岳が迫り、振り返れば北八ヶ岳の各ピークが望める。
崩壊箇所に架けられた桟橋を慎重に渡り、コル(鞍部)手前の2つ目の桟橋も渡りきると、中岳のコルに到着!



中岳のコル【写真】雪崩の多い中岳のコル(左のピークは赤岳)

このコルを基に中岳沢は雪崩が多いことで有名。
ゴールデンウィークの頃、行者小屋の方にこの中岳沢は雪崩が多いので、赤岳へ行くなら文三郎道か地蔵尾根を行くようにと言われたのが記憶に新しい。
左道が中岳〜赤岳への縦走路、右が阿弥陀岳山頂である。



阿弥陀岳への登り【写真】見上げれば登山者が岩壁をよじ登っている(~~;;

赤岳〜横岳の主稜線に比べれば、阿弥陀岳はその脇役の山で、さしたる困難もないだろうと思っていたらこれが大間違い(~~;;
逆にメジャーでないだけに、クサリやハシゴといった補助具がつけられていないのだ。
山頂まで時間は短いが、最初のクサリ場を過ぎたら急峻な岩壁をずっと三点支持でよじ登っていく。
足元には浮石も多く、慎重を要する。









阿弥陀岳の頭【写真】一超えすると阿弥陀岳の頭が見えてくる

難所を越えたところで、阿弥陀岳の山頂らしきピークが見えてくる。
この辺りには、ハクサンイチゲ、イワベンケイなど花の種類も多い。
いったん傾斜が弱まり、ザレた岩稜歩きに変わると、ほどなく阿弥陀岳山頂。





阿弥陀岳山頂【写真】広々とした阿弥陀岳山頂。晴れていれば、南アルプスが一望なのに。。。

山頂には4等三角点がある。
広々としていてお弁当を広げている先客者も何人かいた。
美濃戸山荘ですれ違ったキスリングのおじいさんもいる(見た目70歳位で背負っているキスリングに年代を感じる)
山頂周辺にはミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガマ、ハクサンシャクナゲが咲いていた。
到着してものの10分も経たないうちに、大粒の雨が降ってきたので急いでコルまで戻る。コルに置いてきたレインコートを慌てて着たが、先週に引き続きまたも濡れ鼠の下山となってしまった(;_;)

ハクサンシャクナゲ【写真】山頂のハクサンシャクナゲ

凛として
いまぞと活きる
石楠花かな(字余り)

コース紹介MAP

■今回のコースで出合ったお花たちの一例
ギンリョウソウ ヤマオダマキ ヤグルマソウ グンナイフウロ カラマツソウ シロバナヘビイチゴ
ミヤマキンポウゲ イワカガミ ハクサンイチゲ イワベンケイ ミヤマダイコンソウ ヨツバシオガマ オサバグサ

<参考コースタイム>

◆コース
美濃戸山荘(2時間)行者小屋(45分)中岳のコル(25分)阿弥陀岳(20分)中岳のコル(35分)行者小屋(1時間45分)

1日の歩行時間 5時間50分
1日の行程時間 7時間20分

◆登山形式:往復登山
コース紹介MAP

<見所>

晴れていれば阿弥陀岳からの眺望は約束される。
八ヶ岳全域、南アルプス、中央アルプスが一望のもとにある。

<注意点>

中岳のコルからは、非常に急峻な岩登りになるので注意が必要!
高所恐怖症の方は下を見ないように!とはいっても下りでは否応ナシに見ることになるが…

<アプローチ>

岐阜市からは、中央高速を利用し「諏訪南インター」で下りる。料金所を左に折れたらまっすぐ原村を通過して484号線(八ヶ岳鉢巻道路)にぶつかったら左折。美濃戸高原別荘地を通り抜けたところが美濃戸口。そこにも駐車場はあるが、さらにその奥の赤岳山荘、やまのこ村にも駐車できる。早いもの順なので、満車の場合は美濃戸口まで戻ることになる。

<山小屋情報>

行者小屋:収容200人、個室あり。テント200張。
連絡先:0266-72-3939
開設期間:4月上旬〜1月15日まで
標高2400mの柳川南沢源流部に建つこの小屋は、主稜線に登る通過点でもあり誰もが一度はお世話になる小屋だろう。また、阿弥陀岳、赤岳、横岳が一望のもとなので、デッキでのんびり眺望を楽しむのも良い。
小屋主は、北沢に赤岳鉱泉を経営する柳沢氏。

<下山後の入浴>

美濃戸高原別荘地からもときた道484号線をまっすぐ富士見高原に15分ほど車を走らせると左手に富士見高原ゴルフ場が見えてくるが、その角に日帰り温泉「鹿の湯」がある。
泉質:不明
効能:打ち身、くじき、筋肉痛、関節痛、疲労回復
入湯料:500円
営業時間:10〜21時、
補足:石鹸、シャンプーあり。タオル持参のこと


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