登山日記
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■釈迦ケ岳(1092m) 平成13年12月8日(土)晴れ

釈迦が岳【写真】 里から釈迦ケ岳を仰ぐ

鈴鹿山系の釈迦ケ岳は、竜ケ岳と御在所岳に挟まれた位置にあり、その姿かたちはお釈迦様が寝転んだ横顔のように見える。
コースはいろいろあるが、途中庵座(あんざ)大滝を拝むために庵座谷コースをとることにした。

朝明ヒュッテバス停【写真】 朝明ヒュッテバス停(左が登山口)

朝明ヒュッテバス停の駐車場に着いた時にはすでに9時半を回っており、駐車場はほぼ満車状態。
バス停脇から始まる登山道を10分も歩くと、鉄製の階段を沢へ大きく下って庵座谷の大堰堤に出る。
前方を見上げると上部の河原一帯はキャンプ場になっており、今は夏の賑わいはなくロッジがうら寂しく建っている。
ブルーの鉄橋を渡り、道なりに上流に向かうと指導標がある。
一旦沢を渡り、しばらく流れに沿って登っていくと炭焼窯跡がいくつか点在しているところに出る。
ここからは本格的な登山道になり、急登をこなして尾根越えをすると沢の音がだんだん遠くなるが、それもつかの間、雑木林に囲まれた涸れ沢を登ると、また沢の音が戻ってくる。

  庵座滝【写真】 庵座滝(とにかく豪快)

50分ほど歩いた頃、視界には入らないが、滝のゴーという音が聞こえてきて、庵座の滝が近くなってきたのがわかる。
ザレ場に垂らしたロープを使って下まで降りてみると、落差40mの豪快な滝が目の前に現れ、眺めているだけで不浄なものが洗われていくような気がする。
庵座大滝からは足場の悪いザレの急登をいくのだが、堆積した枯葉で足元がさらに不安定となり、随所にロープが垂らしてあるのも成る程と納得がいく。

御在所岳を後に【写真】 御在所岳をバックに尾根から撮影

沢沿いのガレを右へ左へ渡ったりしながら高度を上げていくと、今度は10mほどの三段滝に出合う。
ここでちょっと清涼を求め、また谷沿いに進んでいくと鉄パイプの堰堤がで〜んと現れ、その左端を攀じ登ったところでやっと釈迦ケ岳が頭を見せてくれた。
ここからは山腹の随所にロープが架けられ、その急登ぶりが伺えるというものだ。
初めのうち、いくつロープが張ってあるか数えていたが、あまりの多さに途中投げ出してしまった。一気に高度を上げ、尾根に出たところでやっと展望が開け御在所岳、鎌ケ岳が見渡せる。
尾根から下を眺めると、崩壊の激しいガレと岩峰に背筋がぞ〜っとする。

エビのタテバイ【写真】 エビのタテバイ(背が長い)

尾根からはさらに気持ちを引き締め、潅木と岩場にかけられたロープには頼らずに、三点支持で大きな岩場をこなしていく。
まるで「カニならぬエビのタテバイだね〜」なんて冗談を交わしながら、「剱岳登攀練習のつもり」になって登る。
いつまでこの急登が続くのかと案じた頃、松尾尾根ノ頭に到着!

山頂【写真】 釈迦ケ岳山頂

尾根づたいに歩いて釈迦ケ岳まで5分。

山頂は期待はずれで、眺望もよくないし、第一狭い。
登りのアルペンムードからは拍子抜けするようだ。
記念撮影だけして、松尾尾根ノ頭まで引き返し、そこで昼食とする。

この釈迦ケ岳は、鈴鹿セブンマウンテンを踏破しようと思い立った3年前から数えて、6つ目の山にあたる。
あと残りの一つは入道ケ岳である!


ワンポイントアドバイス

<参考コースタイム>

◆釈迦ケ岳
朝明ヒュッテバス停登山口(55分)庵座滝(70分)松尾尾根ノ頭山頂(10分)山頂(60分)庵座滝(40分)登山口

歩行時間 3時間55分
行程時間 5時間

◆登山形式:往復登山

<見所>

庵座滝から上部のアルペン的な登りを楽しむにはもってこいのコースである。

<注意点>

マーカーや赤テープをよく見ていないと迷う恐れがある。
また岩場の急登が続くので高所恐怖症の人は羽鳥峰峠〜猫岳経由で釈迦ケ岳へ行くと良い。

<アプローチ>

岐阜市からは、306号線で上石津町を抜けて菰野町方面へ向かう。
菰野町に入ったら、標識に気をつけていると「朝明渓谷」の案内看板が出ているので、そこを右折すれば後は道なり。


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