登山日記
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■能郷白山(1617m) 平成13年6月23日(土) 小雨

登山口【写真】 温見峠の登山口

能郷白山は養老2年に僧泰澄が開いた白山信仰の山で、山頂には熊野白山権現社が祀られている。
山頂へのコースは「能郷谷」からと「温見峠」からの2つのコースがあって、きょうは雨ということもあり、時間の短縮ができる温見峠から直登することに決める。
温見峠までのアクセスは、根尾村の集落を通って国道157号線をひたすら福井県に向かって北上すればいい。
が、途中から道幅はだんだん狭くなり対向車とすれ違う際は、気の弱い方がバックすることになる。
車窓から下を眺めれば断崖絶壁、ハンドル握る手が次第に汗ばんでくる(~~;
標高1000mまで上がると、温見峠に到着!まさに岐阜と福井の国境である。
路駐をして、雨仕度の装備を整え出発する。

 

ブナ林【写真】 静かなブナ林を行く・・・

登山口から、階段状の道を登るとすぐブナ林の静かな山道に入る。
両脇には、可憐な白い妖精「ギンリョウソウ」が満開で、ついつい下を向いて歩く。
途中、マンサクやナナカマド、ダケカンバなどの高山樹木にも出会う。
登り始めるとすぐに急登になり、手当たり次第、木の枝や幹をつかんで体を持ち上げ、それでも回りに何も掴むものがないときは、木の根っこを掴んだりする。
危険な箇所にはロープがちゃんと張ってあった。
レインコートを着用しているので身体はサウナ状態になり、額から汗は噴出し、手も靴もどろっどろっになっている。
こうなると、もうどうにでもなれという気分になってくるから面白い。

 

サラサドウダン【写真】サラサドウダンツツジの群落

300m程高度を上げると、サラサドウダン(ツツジ)が道脇に群生している。
ちょうど満開の時期を迎えており、すずらんに似たピンク色の花がなんともかわいらしい(^-^)
樹木に短歌が掛けられていた。



短歌【写真】短歌(福井山遊会)


山靴の 足元に咲く 炎色よ

風をおじぎに 微笑み返す




能郷白山【写真】峠から仰ぐ能郷白山

しばらくサラサドウダンを楽しみながら標高を上げていくと笹の生い茂った峠に出る。
ここから能郷白山の全容が眺められ、天気に恵まれればさぞかし美濃の山々も一望のことだろう。
生憎のガスで残念なことである。
頂上が近づくにつれ、コバイケイソウが点在して咲いており、美濃地方の他の里山との違いを感じさせる。

能郷白山頂上【写真】能郷白山頂上

最後の登りをクリアすると峠から30分程で頂上に到着!
一等三角点のある奥美濃最高峰の能郷白山の山頂は意外にも狭く、先着したグループが広げているシートで空きスペースはほとんどない。
おまけに潅木の上はおろか、標高を示す標柱にまでレインコートの花が咲き乱れているのにはただただ呆れるばかり。
会話を聞いていれば福井訛り。
「ああ、岐阜の人でなくて良かった」と少し救われる。
山頂では腰を降ろすと眺望はない。もっともきょうはガスの中だが・・・

祠【写真】熊野白山権現社の祠

山頂から祠を目指して稜線を歩いていくと、ニッコウキスゲ、カタクリ、コバイケイソウのお花畑となる。
稜線からは、ガスの切れ間に廃村となった「旧徳山村」が見え、晴れていれば雄大な眺めも想像にがたくない。
まさに奥美濃最高峰の「能郷白山」だ。

9月になったら今度は「ムラサキリンドウ」を求めて、能郷谷から詰めてみたいものだ。

■温見峠のコース上で出合ったお花
アマドコロ ギンリョウソウ ユキザサ タニウツギ カラマツソウ
ヤグルマソウ オオバミゾホウズキ サンカヨウ マイズルソウ ナナカマド

■山頂のお花畑
コバイケイソウ ニッコウキスゲ カタクリ イブキトラノオ ザゼンソウ


ワンポイントアドバイス

<参考コースタイム>

◆能郷白山(温見峠コース)
登山口(80分)峠(20分)能郷白山頂上(70分)登山口

往き 1時間40分
下り 1時間10分

◆登山形式:往復登山

<見所>

温見峠からの登山道はサラサドウダンツツジがお見事!
どのガイドブックにも紹介されていないので、これはめっけものだ!

<注意点>

温見峠からのコースは、直登とはいわれるものの、それ程辛くはない。
登頂目的だけなら、こちらのコースのほうが楽チン。
ただし、下りは意外と滑りやすいので慎重に!!

<アプローチ>

岐阜市から行く場合、国道157号線をひたすら北上する。根尾村の集落を抜け、温見峠まで断崖絶壁の道を40分程度走る。対向車が来ないよう祈るばかりだ(~~;;;
雨量90mmで通行止めになるので、心配なら事前に根尾村役場に問い合わせるとよい。

根尾村役場(総務課)058138-2511


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