登山日記
登山日記のメニューへ

■北横岳(2480m)&蓼科山(2530m) 平成13年5月4日(祝) 快晴

▲北横岳(2480m)
 

ロープウエー山頂駅【写真】 山頂駅の坪庭

北八ヶ岳縦走を目論んで、始発8時のピラタス横岳ロープウェーに乗り、標高2230mの坪庭まで上がる。
昨日の明け方に50cmの積雪があったというガイドの説明どおり、山頂駅の坪庭にはたっぷりの雪があり、春山ならぬ雪山が楽しめそうだった。

坪庭の遊歩道は一方通行【写真】遊歩道は一方通行

この坪庭は八ヶ岳では最も新しい火山噴火物とされる八丁平溶岩が作った自然庭園で、遊歩道を歩くだけでもその自然美を味わうことができる。
一方通行になっている遊歩道を途中から左に折れると横岳の尾根に取り付く。
ここで、アイゼンをつけ始める登山者がほとんどだったが、雪が締まっているのでもう少し様子をみることにし、先を急ぐ。

 

北横岳ヒュッテの前で【写真】北横岳ヒュッテ

ところどころ縞枯れ現象の樹林帯に入ると、山腹を巻くように少しずつ高度を上げていく。
40分も汗を流したところで北横岳ヒュッテに到着!
ヒュッテ横で薪を割っているご主人?に声をかけると「昨日は雪が40cmも降って登山道が荒れたけど、今日は最高の山日和になりましたねぇ〜」坪庭で50cm、ヒュッテで40cmかぁ…どっちがホントなんだと思いながら15分も歩くと北横岳南峰に着く。 ここには三等三角点がある。

北横岳頂上【写真】北横岳頂上から諏訪富士と呼ばれる蓼科山が間近に見える

南峰からさらに150m程いくと北峰頂上に到着!
これから縦走する蓼科山の山容が優しく聳えている。
北峰からは、亀甲池を通って天祥寺原を抜け蓼科山へ向かう予定(歩行時間/6時間50分)だったが、登山道は昨日の雪で踏み跡がなく、急遽コースを変えて双子池から、大川原峠を通って蓼科山に向かう(歩行時間/7時間20分)ことにする。
ところが、岩塊の樹林帯を降り始めたら、すぐ前を歩いていた夫婦者の登山者が立往生している。やはりこちらのコースも踏み跡がないのだ(~~;;
仕方なく、縦走はあきらめ予定を変更することにした。
下りはアイゼンをつけ坪庭まで戻ってくると、早朝とはうって変って、夏の軽井沢状態になっていたw(゚o゚)w オオー!
物見遊山者に混じって、一旦ロープウェーで降り、蓼科山登山口から頂上を目指すことに・・・

蓼科山(2530m)
蓼科登山口【写真】登山口からしばらくカラマツ林を歩く

蓼科山の登山口へは、一旦ロープウェー乗場から車でビーナスラインに戻ってピラタスの丘方面へ向かうと3分ほどで女神茶屋に着く。
すでに11時を過ぎていたので無料駐車場は満車。
仕方がないので女神茶屋の裏の林道を少し登ったところに駐車場があったのでそこに停める。
車道を横断するとすぐそこから登山道が始まる。
初めは、雪解けでどろどろ状態の笹道を行く。だんだん道が細くなり、カラマツ林から斜面は急になってくる。
このカラマツは7月になってからやっと新芽が芽吹いて、きみどり色になるそうだ。
針葉樹・広葉樹の中では一番遅いらしい。

目のくらみそうな岩登り【写真】立ちくらみしそうな直登

しばらく急登が続き、息が切れる。標高2100mでやっと平坦な所に出たが、それも束の間、シラビソの樹林帯に入ると、石ころと雪道の急斜面に変わって歩きにくいことこの上ない(-.-;)y-~~~
降りてくる登山者も、アイゼンつけた足運びには慎重になっている。
この辺りまでくると、昼食をまだ取っていないので、エネルギー切れのシグナルがパカパカ鳴り出す始末(^^*)
まるでウルトラマンの残り3分の警笛みたいだ。
みぞおち辺りも何だか痛くなってきた。
が、登山道で昼食が取れるような場所はなく、立ち止まっては行動食を食べ、水分を補給した。
登りの途中、上を眺めると、近年お目にかかったことのない急勾配の直登コースに立ちくらみすること数回。

岩登り【写真】鎖にたよらず三点支持!

どのガイドブック(5冊は読破した筈)にも、心臓破りの直登なんて書いてなかった。°°(>_<)°°。
いや、これはコースに問題があるのではなく、
寝不足+早発ち+昼飯抜き+二つ目の山→→間違いなくバテてる(~~;;;
何度も自分を叱咤激励して何とか頂上直下までくると、今度は大きな岩石帯の登りになり(写真)、次第に西穂独標の様相を帯びてきた。

頂上直下の雪道で(後は八ヶ岳連峰)【写真】岩石帯を過ぎると後はなだらかな雪道

やがて視界は一気に開け、後に八ヶ岳連峰の山群がハッキリ見えてくる。
山頂は広々とした岩石帯で、中央窪地には蓼科神社奥宮が建っている。
眼下には蓼科湖、白樺湖そして美ガ原、霧ケ峰、車山高原の新緑が美しい。


蓼科山頂上【写真】ガレ場だらけの蓼科山山頂、頂上右奥に山頂ヒュッテが見える

時間も3時近くになると、ほとんどの登山者が降りてしまい、
山頂で遅めの昼食を食べているのは私達を含めて3組だけだった。
次第に暮れていく中、なおもその姿を惜しみなく見せてくれる赤岳を悠然と眺めていると時間の流れも忘れてしまいそうになる。
「1枚撮って貰えますか?」という声で我に返り、今日中に岐阜へ戻らなければいけないことを思い出す。
下りは、俄然パワーが沸いてきて、バテもどうやら回復してきた。
登りで追い越した幼児(3才位?)連れの母子に7合目でまた出会う。
今夜は山荘泊まりなんだろう。少し泣きべそをかきはじめているようだ。
頂上直下のあの大きな岩石帯の登りをこの子は自分の足で登っていけるのだろうか?背負うにしても大変なことだ・・・母親の偉大さに頭が下がるm(__)m

登山口近くまできて、これから登るというテント担いだ外人さんカップルに「頑張ってねぇ〜!」という声に他人事のような軽やかさが戻ってきた♪o(^0^o)♪


八ヶ岳最高峰の赤岳(蓼科山頂上から)

霧ケ峰に日が落ちる(蓼科山登山口近くから)

ワンポイントアドバイス

<参考コースタイム>

■北横岳
ピラタス横岳ロープウェー(7分)山頂駅(40分)北横岳ヒュッテ(20分)北横岳頂上(40分)山頂駅

往き 1時間
下り 40分

■蓼科山
女神茶屋登山口(3時間)蓼科山(2時間)女神茶屋登山口

往き 3時間
下り 2時間
今日一日の行程時間/9時間(歩行時間/6時間40分)

◆登山形式:いづれも往復登山

<見所>

北横岳も蓼科山からも、山頂からの眺望は文句なしに良い。北横岳周辺には、七ツ池を始めとする亀甲池、双子池など池が多く、雪のなくなる初夏には、池めぐりも楽しめる。

<注意点>

北横岳はロープウェーを利用すれば楽チン登山ができるし、特に危険な箇所はない。
蓼科山は、岩礫の登下降と山頂部の急な登下降には慎重を要す。ことに下りの山頂付近の岩塊ではクサリにたよりすぎてはいけない。基本の三点支持を守って滑落には注意すること!

<アプローチ>

JR中央本線、茅野駅から諏訪バスでピラタス横岳ロープウェー行きで終点下車。
ロープウェーは夏期&GW中は8時が始発、17時が最終で10〜20分ごとに運行。
マイカーなら、中央高速を諏訪ICで降り、標識に従って白樺湖方面へ。途中、ビーナスラインが白樺湖方面と蓼科湖方面に分かれるので、蓼科湖方面へ向かう。蓼科湖を右手に見ながらしばらく走って行くと、右手にピラタス横岳ロープウェー乗場の大きな看板が見えてくる。
蓼科山登山口は、ロープウェー乗り場を過ぎて4K程先へ行った女神茶屋の前にある。


登山日記のメニューへ