登山日記
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■大日ガ岳(1709m) 平成13年3月10日(土) 雪

  ダイナランドスキー場【写真】 ガスで視界が悪いダイナランド

きょうは、予想に反して相当荒れた山行だった。
高鷲村のダイナランドスキー場に着いたのが7時半。すでに駐車場は満車状態でリフトから遠く離れたヴィラモンサンホテルの隣の駐車場に停めなければならなかった。
ゲレンデの積雪量は2.4m。
βライナーに乗って標高1400mまで一気に標高をかせぐ。
登山道を探すが大日ガ岳の表示はなく、稜線らしき方角を目指してスノーシューで歩いた。
結局お隣の高鷲スノーパークの最長リフトのところまで歩いて、そこでやっと登山者らしき人のラッセル跡を発見。
こんなことなら初めから高鷲スノーパークのリフトを利用すればよかったと思った。

 

雪上訓練中のパーティ【写真】 雪上訓練中のパーティー

さて、ここからが大変。
しばらくはラッセル跡をたどって歩いていくがすでに膝が埋まるほどのつぼあし。
スノーシューも埋まってしまい、結局足を抜くのに一苦労するので仕方なく、吹雪の中アイゼンに取り替える。
ようやく、先を歩いていた10人パーティの一団に追いつくと
「僕らは雪上訓練してるだけで、大日ガ岳登るならあっち!」と指差された方角を見ると、ラッセル跡のない真っ白な雪原があるばかり。
「稜線まで出れば誰かのラッセル跡があるよ。だけど一人でこの雪をラッセルするのは相当しんどいよ!下りはラッセル跡が消えてるから迷わないよう注意してね!」
という恐ろしい言葉にひとまずお礼を言って、稜線目指して一歩踏み出すがなんと腰まではまってしまう深さ(~~;;;

腰までの雪をラッセルする【写真】腰までの雪をラッセルする

そういえば、声をかけてくださった人の手にはスコップがあった。
みんなの視線を痛いほど感じて、ここですごすご引き返すのも悔しいので、腰まで浸かりながら、スコップもなしにひたすら上を目指して格闘すること1時間。
途中何度も「だめだ!絶対行けっこない」と後を振り返り、自分のラッセル跡を恨めしげに眺める(*^^)

リフトを降りてから、はや2時間が経過していた。
稜線近くまでくると上に4人の人影が見えた。話し声も聞こえる。
多分あのあたりが稜線上なんだろうと無我夢中で最後の登りを頑張る。

死ぬ思いで稜線上に出たときには、横殴りの吹雪で目は開けていられないし、ホワイトアウトで視界はゼロだし、絶望的になる。
先の4人パーティの姿を探すが全く見えない。
愛用のSUUNTO-VECTORのコンパスを見て、大日ガ岳の方向を確認する。
そして自分が登ってきた方角の位置確認もする。
雪の中から姿をだしている木の形や枝の数まで頭に入れる。
高度計は1700mを指している。あと標高差9mだ!

消えかかるラッセル跡【写真】10m向こうのラッセル跡が消えていく・・・

石つぶてのような雪を避けるため、フェイスマスクとゴーグルをつけるが、ゴーグルのレンズがすぐに凍ってしまって、
ますます視界が悪くなるのではずす。
稜線上にかすかに残るラッセル跡をたどりながらしばらく歩くが、ふいに不安になり、
後を振り返るとなんと自分の歩いてきたラッセル跡がだんだん消えかかっているではないかw(゚o゚)w

この時ばかりは赤布(棒つき)を持ってこなかったことをホントに悔やんだ。
頂上は多分もうすぐなんだろう。しかしたどりついたとしてもガスで何も見えないし写真も撮れない。
ここで無理してピークハントしても、戻りは保証できない。
稜線上で凍えながらしばらく思案し、
結局断念することに決めた。°°(>_<)°°。
雪山の恐ろしさを目の当たりにした気分だった。

戻りは記憶どおりに自分のラッセル跡を確認しながらゆっくりゆっくり降りる。
先ほどの雪上訓練している団体の声が耳に届いた時には正直言ってホッとした。
しかしながら、先を歩いていった4人のパーティは無事に帰ってこれたのだろうか?
あきらかに稜線上からラッセル跡は消えていた。赤布もなかった。心配である。

この時期に、ビギナーの単独登山は危険ですからやめましょうね!

 


ワンポイントアドバイス

<参考コースタイム>

今回はピークハントできなかったので参考にはなりませんが、ダイナランドスキー場からだと標高差300m、高鷲スノーパークなら標高差150mで登ることができる。

◆登山形式:往復登山(単独)

<見所>

晴れた日には、鷲が岳、白山が眼前に広がって見える。

<注意点>

この時期は、晴れていても雪山の天候は変りやすいのでスコップ、赤布(棒つき)は必携!

<アプローチ>

マイカー利用なら東海北陸自動車道「高鷲IC」で下りると、出口付近に「ダイナランド」の看板があるので目印になる。空いていれば高鷲ICから約10分のアクセス。帰りは高速でものろのろの場合が多いので、R156を走って岐阜市内に戻っても帰着が同じくらいになることもある。


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