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山を楽に歩くために大切なことは、歩き始めのウォームアップです。
山へ入る前は、急激な運動や無理なストレッチは避け、
ゆっくり歩きながら身体をほぐしていきます。
歩き方の基本(1)
  1. 登りの歩き方
    片足でしっかり立ち、踏み出した足に体重を移動させます。このとき、腰を前に出し前かがみにならないよう注意します。重心はつねに体重を乗せた足の上に置くように。

  2. 下りの歩き方
    片足でしっかり立ち、踏み出します。ひざを柔らかく曲げて重心を移し、腰を前に出してへっぴり腰にならないように注意します。踏み出した足に体重が乗り、次の足が出ます。
歩き方の基本(2)
  1. 登りも下りもフラットに着地する
    斜面で意識せずに歩く時、登りはつま先比重、下りはかかと着地になりがちですが、これではスリップしやすく危険です。地面に足全体で平行に着地するには、登りではかかとから、下りではつま先から踏み込むようにすると足裏全体でフラットに足を運ぶことができます。

  2. 歩幅は小さく
    スリップしにくくて、疲れない歩き方の基本です。大股歩きは、滑りやすくまた早くバテてしまいます。
バテない歩き方
  1. つねに一定のペースで歩く
  2. 適切な休憩を取る・・・30分歩いたら3分休みます。目安としては歩いた時間の1割休憩。大休止は、体も冷えて余計に疲れます。
  3. 水分・栄養補給を適切に行う・・・水分と行動食は意識的にとること。喉が渇いてからでは遅いので早めの補給が肝心です。
岩場の歩き方
  1. 岩場でもあわてない
    クサリがついている岩場に出くわすと緊張しますが、靴が半分のる足場があればスムーズに登ることができます。靴が3分の1以下しかのらない足場では、足を逆八の字に開いて足の親指の内側で立つと安定します。

  2. クサリにたよらない
    岩場にクサリがついていると両手で体全体を引き上げている人がいますが、クサリはあくまでも補助と考え、できるだけクサリは使わず両手、両足で登ります。
    どうしてもクサリが必要な場合は片手で軽く持って、できるだけ足の力をつかって歩くように登るのが上手に登るコツです。また、前の人が通過するまで待つように。

  3. 岩場の下りでは横向きに足下をみる
    岩場の下りでは体を横向きにして、下の足場を見ながら下ります。重心は足の裏にしっかりとかけ、クサリがある場合は片手で軽く持ち、もう一方で岩の手がかりをつかんで下ります。
雪道・ガレ場・ザレ場の歩き方
  1. 雪道や凍結した道
    冬の低山でも登山道が凍結している場合がありますから、12〜3月の1000m以上の山ならアイゼンを持っていったほうが安全でしょう!
    アイゼンは夏場の雪渓用の軽アイゼンから6本、8本、10本、12本爪がありますが、本格的な雪山歩きには12本爪が安定しています。ただし出っ歯型なので、アイゼンの爪でズボンの裾などをひっかけないよう注意が必要です。
    また、雪道歩行のバランス補助にはストックも有効です。

  2. ガレ場・ザレ場
    下る時には足裏を斜面にフラットに置いて、つま先に体重をかけるようにする。かかとに体重をかけるとスリップしやすいので要注意!

  3. 渡し橋
    沢沿いにかけられた木の渡し橋は、かならず一人ずつ渡ります。前の人が渡り終わらないうちに渡ると橋がゆれて危険です。
雪渓での注意点
  1. 雪渓の危険性と構造について

    雪渓とは渓谷やカール状の地形の残雪のことで、小さな雪渓でも谷筋では崩壊する危険性があるので十分な知識を持って歩かなければいけません。
    特に雪渓と岩場の割れ目であるラントクルフトやその近くのうすくなった雪渓、また雪渓の中にできる割れ目(クレバス)には十分な注意が必要です。

  2. 急斜面での歩き方
    急斜面や雪面が固くしまった斜面ではキックステップで対応します。キックステップとは靴先の部分を強く雪面に蹴りこんで一歩一歩足場を作りながら登っていく技術です。下りは逆にかかとから踏み込んで慎重に下ります。
    雪渓上では基本的に直登、直下降しますが、傾斜がきつい場合はトラバース気味にラインをとると安全です。

  3. 滑落停止
    雪渓上では万が一スリップした場合に確実に停止できる技術が必要です。
    ◆滑落したらすばやく反転してうつ伏せの姿勢になります。
    ◆あごを引いて、ピッケルを持った腕の脇を締め、足先は上げておきます。
    ◆ピッケルは飛ばされないようきつく握り締め、1回でピックが雪面に入らなかったら何度も繰り返します。

  4. 落石に注意
    雪渓では周辺の地形が不安定になっているので落石の危険が常につきまといますから、用心をしていなければなりません。白馬岳の大雪渓での落石は有名です。

 滑る!滑りやすい!要注意!
  1. 粘土質の土の登りと下り
  2. つるつるの岩盤、濡れた石
  3. 木の根っこ
  4. 濡れた木道、木道のへり
  5. 笹やぶの傾斜地
  6. 雪渓
  7. 浮石
  8. 他人がスリップした跡

    滑りやすい場所では、いきなり足を置かずにテスティングをしてみるとよいでしょう!
私も時々油断をして、足を滑らして手をついたり尻餅をついたりするときがあります。そんな時は決まって自分に腹が立ちます。滑るぞ、滑るぞ、と分かっている所に足を置いた軽率な自分に(^-^;A

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